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232件の検索結果が見つかりました

  • 街を彩る「動くパレット」 ― 画一性を超え、多様性を走らせるAGTの流儀

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 街を彩る「動くパレット」 ― 画一性を超え、多様性を走らせる AGTの流儀 です。 多くの鉄道において、車体の色は路線の アイデンティティや企業を象徴する 「記号」です。 しかし、関東と関西を走る二つの AGT路線は、その常識を鮮やかに 塗り替えています。 そこにあるのは、効率や統一感よりも、 人々の日常を豊かに彩るという 「都市のホスピタリティ」です。 その色彩の豊かさを最も間近に感じられ るのが、大宮の鉄道博物館3階にある 「新幹線ラウンジ」です。 目の前を横切るニューシャトルの 2000系は7色、最新の2020系は5色と 、計12色の異なる編成が走り抜けます。 さらに驚くべきは大阪のニュートラム 200系です。なんと21編成のすべてが 異なる色に塗り分けられ、唯一無二の 世界観を形成しています。 一編成ごとに異なる色を維持管理する 手間をあえて受け入れる。 そのこだわりが、沿線に 「動くカラーチャート」のような独特の 華やかさを醸し出しています。 「今日は何色の編成に乗れるだろう?」 というささやかなワクワク感は、 単調になりがちな通勤や通学を、 日常の小さなイベントへと変えてくれま す。 画一的になりがちな都市のインフラの 中で、この色とりどりの車両たちは、 子供たちの成長や住民の暮らしのリズム に寄り添う「記憶の栞(しおり)」と なります。 多様な色が街を流れることで、 公共交通は単なる「移動の道具」である ことをやめ、街の個性を肯定し、 住む人の心に明かりを灯す「動くアート」 へと進化しているのです。 ニューシャトルとニュートラムが見せる 色彩の競演。 それは、AGTというシステムが、 機能性だけでなく「心の豊かさ」という 目に見えない価値までを運んでいる証で す。 都市という大きなキャンバスに、 明日もまた、多色の個性が新しい血流を 送り込んでいきます。 次回のブログもお楽しみに!

  • 瞬時に現れる「デジタルの霧」 ― 窓一枚が創る、都市とインフラの心地よい距離感

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 瞬時に現れる「デジタルの霧」 ― 窓一枚が創る、都市とインフラの 心地よい距離感 です。 道路の上空という限られたスペースを 縫うように走るAGTは、 私たちの暮らしに最も近い場所を走る 「都市の毛細血管」です。 しかし、その物理的な近さは、 窓一枚を隔てたすぐ向こうにある 「誰かの日常」という繊細な境界線に 触れることでもあります。 沿線のマンションとの距離が近くなり やすいAGTにとって、 プライバシーの保護は、 騒音や振動対策と同じくらい重要な 使命なのです。 六甲ライナーで南魚崎駅から住吉駅へと 向かう車内では、ある瞬間に驚きの 光景が訪れます。 それまで見えていた沿線の景色や ベランダの洗濯物といった 「日常の風景」が、魔法にかかった ようにパッと真っ白な霧の向こうへ 消え去るのです。 これが、特定の区間だけで作動する 「瞬間曇りガラス(ミスティング ウインドウ)」という技術です。 そこには「見られる側」の不快感を デジタルの力で即座に解消する、 緻密な計算と制御が凝縮されています。 この技術は、単なる目隠しでは ありません。 住民にとっては「見られている」という 心理的負担を取り除く安心感となり、 乗客にとっては「見てはいけないものを 見てしまう」という気まずさを解消する 、双方への優しい「思いやり」の デザインです。 同様の仕組みは、シンガポールの ブキットパンジャン線やセンカン線でも 導入されています。 高密度な都市社会において、 公共交通が「良き隣人」として愛される ためのマナーは、世界共通の設計思想と なっています。 AGTは、単に人を運ぶだけの装置では ありません。 プライバシーという目に見えない価値 までを設計に含めることで、 沿線住民との良好な共存関係を築いて います。 「近接するからこそ、守る」。 この視覚的な共存という知恵こそが、 これからの都市インフラに求められる 優しさなのかもしれません。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • ループ式ターミナル駅のニューシャトル大宮駅

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 ループ式ターミナル駅の ニューシャトル大宮駅 です。 朝の通勤ラッシュで知られる品川駅に次 ぎ、国内有数の利用者数を誇る大宮駅。 この巨大な「大動脈」へと、 地域の足(毛細血管)として淀みなく 人々を送り届けているのが、 ニューシャトルです。 そこには、単なる混雑とは無縁の、 まるで「漏斗(ろうと)を流れる水」 のような流麗な人の動きがあります。 その秘密は、大宮駅独自の 「ループ式ターミナル」という構造に 隠されています。 ニューシャトルの大宮駅ホームは、 到着した線路がそのまま90度向きを 変え、出発線へと繋がるループ構造に なっています。 特筆すべきは、ホームへ進入する直前の 線形です。「59パーミル(1000mで 59m下る)」という強烈な急勾配と 小カーブの組み合わせは、 ゴムタイヤの高いグリップ力を持つ AGTでなければ実現不可能な線形です。 このループ構造には、運行上の大きな メリットがあります。 終点での「運転席の移動」が不要なこと と、「分岐(ポイント)が不要」なため 、機械的な故障リスクを徹底的に排除 した、極めてシンプルで強靭なシステム となっているのです。 この構造を人の脚に見立ててみましょう。 車両は「ふくらはぎ(上り線)」を通り、 「踵(かかと)」で90度向きを変えて、 「足の裏」にあたる大宮駅ホームに停車 します。 到着した6両編成から一斉に吐き出され た人々は、幅の広い数段の階段を下り、 6台の改札機へと吸い込まれていきます。 通常、終点駅は先頭車の奥に改札口が ありますから、先頭車側が混雑しますが 、ニューシャトルは編成の横に幅広い 階段があって、その先に改札機が並んで いるため、個々の車両の混雑度が平準化 されるという特徴があります。 ニューシャトルの大宮駅は、単に 「小回りが利く」という技術自慢の 場所ではありません。 限界ギリギリの線形と人の流れを デザインしたすぐれたターミナル駅です。 この両輪が揃うことで、大宮という 巨大な都市の血流は今日も休むことなく 、スムースに保たれています。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 2メートルを超える幅広ドア ― 空港の「日常」を街の「日常」へ繋いだ設計思想

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 2メートルを超える幅広ドア ― 空港の「 日常」を街の「日常」へ繋いだ設計思想 です。 私たちが日本で日々利用する通勤電車の ドア幅は、1.3mが標準です。 国内のAGT車両に関しても、ワンドア車 が1.3m、ツードア車では1.1mが一般的 です。 しかし、海外のAGTに目を向けると、 そこでは2メートルを超える幅広ドアの 車体が一般的になっています。 シンガポールのセンカン・プンゴル線や ブキットパンジャン線、 バンコクのゴールドラインなど海外の AGTのドア幅は2m以上あります。 ドアという「穴」を大きくすればする ほど、車体の剛性を保つのが困難になる ジレンマに突き当たります。 事実、ドア幅は2m前後が構造上の限界 とされており、海外のAGTはこの境界線 ギリギリを攻めた設計となっています。 車体強度と引き換えにしてまで手に入れ たかったのは、一切の停滞を許さない 圧倒的な「流動性」でした。 なぜ、これほどまでに広いドアが必要 だったのでしょうか。 その理由は、海外のAGTが空港向け APM(Airport People Mover)と 車体設計を共通化しているからです。 APMの使命は、飛行機から一度に降りて くる「巨大なキャリーケースを持った 群衆」を、スムースにさばくことにあり ます。 空港では「当たり前」の光景である、 巨大な荷物を持った群衆の流動性。 その「空港の日常」を支える設計思想を 、そのまま都市の日常に持ち込んだのが 海外のAGTです。 広いドアは、旅行者だけでなく、 ベビーカーや車椅子、そして急ぐ通勤客 を等しく受け入れ、駅での停車時間を 最小化するのにつかわれます。 大きな荷物を持った人々をさばく空港の 「当たり前」の機能に、座席をプラスし て街中へと連れ出したのが、 海外のAGTなのです。 空港の便利さをそのまま街に持ち込む。 そんな工夫が、あの開放的なデザインを 支えています。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 銀色に輝く「天然の鎧」 ― アルミ無塗装ボディが都市の輸送力を変える

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 銀色に輝く「天然の鎧」 ― アルミ 無塗装ボディが都市の輸送力を変える です。 都会のビル群を縫うように走る ゆりかもめ。 そのシルバーの車体は、単なるコスト 削減ではなく、都市の景観を軽やかにし、 輸送効率を極限まで高めるための 「高度な設計思想」の結晶なのです。 ゴムタイヤで走るAGTにとって、 「軽量化」は輸送の質を左右する 最重要課題です。 一般的な鉄道車両のような塗装仕様に すると、パテと塗料だけで1両あたり 約100kg、乗客2人分に相当する重さが 加わってしまいます。 これを解消するのが、三菱重工の誇る 「アルミ無塗装ボディ」です。 まず、摩擦攪拌接合(FSW)という 高度な技術で、溶接跡のないフラットな 車体を組み上げます。 その表面に「自動洗車機」のような 設備でステンレス製ブラシを高速回転 させ、あえて微細な傷をつける 「ヘアライン加工(目粗し加工)」を 施します。 すると数日後、アルミの表面には 「天然の鎧」とも呼べる強固な酸化皮膜 が形成され、塗装なしでも錆からボディ を守るようになるのです。 この「100kgの軽量化」へのこだわりは 、社会に大きな価値をもたらします。 車体が軽くなった分、同じインフラの まま、より多くの人々を運べるように なるからです。 実際にゆりかもめの新型車両では、 徹底した軽量化によって1編成あたりの 輸送力を約80人も増加させることに 成功しました。 これは、イベント時の積み残しという 都市のストレスを解消する大きな力と なっています。 また、車両が軽ければ走行電力量も 削減でき、部品の寿命も延びるため、 環境に優しく持続可能な「都市の血流」 を維持できるのです。 ヘアライン加工が生み出す鈍い銀色の 輝きは、過酷な海風にさらされる 環境でも、10年、20年と色褪せる ことはありません。 日本の「ものづくり」が生んだこの 銀色の鎧は、ゆりかもめだけでなく、 日暮里・舎人ライナー、ニューシャトル で、人々の快適な毎日を守り続けていま す。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」が拓く未来の都市

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」が 拓く未来の都市 です。 巨大な新幹線の高架が街を貫くとき、 そこには騒音や分断といった課題が 生じます。 ニューシャトルは、まさにその新幹線 建設における地域への補償と利便性向上 を目的として、 新幹線と同時に計画・施工されました。 国家プロジェクトとしての「大動脈」 と、地域の足としての「毛細血管」を 一つの構造体に統合するという、 高度な社会的・技術的解決策でした。 新幹線の橋脚を見上げると、 そこには当初の設計段階からAGTを 支えるためのカンチレバーが力強く 突き出しています。 AGTの軌道桁にはコンクリートではなく 鉄骨を採用することで軽量化を図って います。 また、駅舎を軌道から切り離し、 地上から伸びるパイプで支える 独立構造としたのも、新幹線の振動を 駅に伝えず、かつ限られた空間で 双方の機能を両立させるための緻密な 配慮が施されています。 この「最初から一体で造る」という 思想は、現代の都市開発において大きな 示唆を与えます。 新幹線や高速道路の計画段階から、 その構造物の一部にAGTの走行スペース を組み込んでおくことで、後から土地を 買い直すことなく、建設費を劇的に抑え た公共交通の導入が可能になります。 これは、限られた予算で都市機能を 最大化しなければならない途上国に とっても、極めて有効な先進的モデル と言えるでしょう。 ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」は、 単なる物理的な工夫ではなく、 地域社会との共生を形にしたものです。 既存の、あるいはこれから造られる 巨大インフラを「単一の目的」で終わら せず、複数の価値を重ね合わせる。 この持続可能な一体開発の精神こそが、 成熟した都市が目指すべき公共交通の 姿なのかもしれません。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 駅を起点に「街」が広がる ― パークアンドライドが繋ぐ都市の血流

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 駅を起点に「街」が広がる ― パーク アンドライドが繋ぐ都市の血流 です。 駅と自宅の距離は、私たちの生活の質を 大きく左右します。 徒歩圏内か、それともバスが必要か。 この「ラストワンマイル」をいかに 快適に繋ぐかが、都市交通の真価を問う ポイントです。 AGTは、単なる移動手段ではありません。 車や自転車と公共交通を幸せに共存させ、 都市の利便性を周辺地域へと拡張させる 「結節点」としての役割を担っています。 2008年に開業した日暮里・舎人ライナ ー(9.7km、13駅)は、この課題に 「密度」で応えています。 特筆すべきは、各駅の周辺に2~3か所 もの駐輪場を完備している点です。 全駅合わせると区営だけで一時預かり 約600台、定期約1500台、 合計で2100台を超える圧倒的な収容力 を誇り、これまでのAGTとは一線を画し ています。 この「空きがある」という安心感こそが 、利用者の毎朝の心理的ストレスを 軽減する、目に見えないインフラの質と なっています。 この利便性は、もはや行政の枠に留まり ません。 終点の見沼代親水公園駅には、 すぐそばの県境を越えて埼玉県川口市 から訪れる利用者が数多く存在します。 さらに、ニューシャトルの終点・内宿駅 の駐車場や、ゆいレールのてだこ浦西駅 に見られる多層のパークアンドライド (P&R)用駐車場は、周辺の新興住宅地 にとって大きな「セールスポイント」と なっています。 P&Rは、駅から離れた住民をも 「都市の血流」へと引き込み、 地域全体の価値を高める装置なのです。 パークアンドライド設備は、 単なる「車を止める場所」ではありませ ん。 AGTは徒歩圏内の住人だけでなく、 より遠くの住民をも幸福にする持続可能 なインフラへと進化します。 駅を起点に、街はもっと広がっていける。 AGTはその「揺るぎない足元」を これからも支え続けます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ地下鉄とAGTを分ける設計思想

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ 地下鉄とAGTを分ける設計思想 です。 札幌の地下鉄とAGT。どちらも 「ゴムタイヤ」で走ることで、 鉄輪の鉄道には難しい急勾配を スムーズに走行できるという 共通の強みを持っています。 しかし、その足元には、 都市における役割を決定づける 驚くべき構造の差が見えてきます。 決定的な違いは、車輪を支える 「軸」の数にあります。 札幌のゴムタイヤ地下鉄は、 鉄道と同じ「2軸ボギー構造」 (1両4軸)を採用し、 重厚な安定感で大量輸送を支えています。 北海道ファンマガジンさんのサイトから 写真をお借りしました。 一方、AGTは「1軸構造」(1両2軸)が 基本です。 さらに最新のAGT(ゆりかもめ7300系 など)では、案内輪からの入力を受けて 台車ごと転向する「新形式ボギー台車」 へと進化しています。 この新技術により、案内操向機構を 簡素化して信頼性を高めつつ、 車体幅を広げて輸送力を向上させる ことに成功しました。 なぜAGTは、タイヤ1本あたりの 荷重制限が厳しくなる1軸構造や、 ボギー機構にこだわるのでしょうか? その答えは、「最小回転半径30m以下」 という小回り性能にあります。 この機動力があれば、交差点の上空で 90度方向を変える高架軌道を、既存の 道路幅の中に収めることができます。 2軸構造の地下鉄では難しいこの 急カーブが、AGTなら可能です。 つまり、周辺の建物を壊したり、 住民に立ち退きをお願いしたりすること なく、既存の街の形を維持したまま 新しい「都市の血流」を作れるのです。 既存の道路上空という未利用スペースを 有効活用し、都市の隙間を縫うように 走る設計。 それは、開発段階から 日本の技術者たちが追求した 「小回り性能」が、結果として 「街と人の暮らしを守る」という 大きな価値を生んでいるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ日本のAGTには、「床までとどく窓」があるのか? シンガポールで見た、あるデザイナーの誓い

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 なぜ日本のAGTには、「床までとどく窓」 があるのか? シンガポールで見た、 あるデザイナーの誓い です。 無人運転車両の最大のメリットは 何でしょうか? 単なる効率化だけではなく、 最前列という「特等席」を子供たちに プレゼントしたことです。 シンガポールにブキットパンジャン線 というAGT路線があります。 そこのCX-100というAGT車両は、 大きなフロントウインドウの下側が、 機器ボックスになっていて、 子どもたちがわれ先にその機器ボックス の上に座り込んで、前の景色を楽しんで います。 ゆりかもめの車両は、 先頭部分に腰の高さから床までの窓が 設けられています。 子どもでも、屈まないとその窓から 外が見えにくいのですが、 床に座り込むと、窓を独り占めにして、 前方の景色を楽しむことができます。 これはXに投稿された写真ですが、 これこそ、ブキットパンジャンのAGTを 見て感動したデザイナーが日本のAGTで 実現したかった姿です。 スポーツカーのように視点が走行路面に 近くなるほどスピード感が増しますので 、この窓から見える景色は他では味わえ ないものです。 床に寝そべっている男の子の左側に 見える縦に長い手摺は、 単なる転倒防止ではなく、 同じ景色を見ながら親子で上と下を 握って乗車体験を共有するための 架け橋となるようにとデザイナーが 考えた工夫です。 この長い手摺は、公共交通が単なる 移動手段から、家族の思い出を作る 空間へと進化した証でもあります。 従来の鉄道では「運転士だけの聖域」 だった最前列が、無人運転によって 「すべての人、特に子供たちのための 探求の場」に開放されたのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 動かさないことが生む「絶対的な信頼」 ― 日米の給電方式に見る設計思想の差

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 動かさないことが生む「絶対的な信頼」 ― 日米の給電方式に見る設計思想の差 です。 街の中でAGTを見上げたとき、 まず感じるのはその「スッキリとした 美しさ」です。 鉄道のような空を遮る複雑な架線や 電柱が一切ありません。 AGTは、すべての電力を走行路の低い 位置にある「第三軌条」から取り込む 仕組みだからです。 この「車体より下に給電線を収める」 という選択が、都市の景観を軽やかに し、広い空を守っています。 しかし、この給電線には日本と米国で 決定的な「構造の差」が存在します。 特に注目すべきは、列車の進路を切り替 える「分岐部」です。 米国の方式は、ガイドレールと一緒に 給電線がダイナミックに動く「可動式」 を採用しています。 非常にコンパクトに収まるメリットが ありますが、複雑なメカニズムは摩耗や 故障のリスクを伴います。 対して日本の方式は、分岐部においても 給電線が一切動かない「固定式」です。 構造が複雑に見えても、動く箇所を 徹底的に排除した「静的」なインフラ。 ここに日本の技術者たちのこだわりが 詰まっています。 なぜこれほどまでに「動かないこと」に こだわるのか。 それは、無人運転のAGTにおいて、 小さなトラブルが全列車の停止、 つまり「都市の血流」の停止に直結する からです。 その差は、実際の運用実績にも表れて います。 シンガポールには米国式の「ブキット パンジャン線」と日本式の「センカン・ プンゴル線」が共存していますが、 日本式の圧倒的な信頼性の高さは 現地でも高く評価されています。 「動かない架線」は、一見すると 地味な工夫かもしれません。 しかし、その裏には「絶対に止めては ならない」という都市インフラとしての 強い使命感があります。 技術の細部を見つめる「虫の目」が 究極の安定性を生み、それが「鳥の目」 で見たときの、信頼される都市の風景を つくり出しているのです。 世界の都市を支える日本のAGT。 その強さは、この「揺るぎない足元」に 支えられています。

  • 街を素通りさせない鉄道──AGTがつくる“人が流れる街”

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 街を素通りさせない鉄道──AGTが つくる“人が流れる街” です。 かつて私が暮らしていた人口10万人の 地方都市。そこには街の真ん中を貫く 立派な鉄路がありましたが、市民にとっ てはどこか「よそ行き」の存在でした。 中心駅には主要路線とローカル線が 乗り入れていましたが、駅と駅の間隔は どちらも5km以上。 2線ともただ街を駆け抜けるだけの存在 で、市内の生活導線とは切り離されてい ました。 中心駅から3kmほどの郊外に住んでいた 私にとっても、鉄道は出張のときだけ 利用する交通機関。 日常の買い物も通院も、結局は自家用車 に頼っていました。 5kmの駅間にある住宅街や商店街は、 鉄道という資産の恩恵を一切受けられ ない『空白地帯』になってしまっている ──地方都市ではよくある光景です。 ここで、都市交通として成功している AGT(新交通システム)の設計思想に 目を向けてみます。 AGTが街を活性化させる理由は、 その「密度の濃さ」にあります。 • 駅間は約800m前後: 歩行の延長線上 で駅に出会える距離。 • 無人駅の効率的運営: 豪華な駅舎では なく、街に溶け込むシンプルな乗降場。 • 高頻度運行: 時刻表を気にせず、 ふらりと乗れる気軽さ。 これらは決してAGTという「箱物」だけ の特権ではありません。 既存のローカル線に、 この「多駅化・高頻度」という思想を 当てはめたらどうなるでしょうか。 街を素通りする鉄道に、AGTのような 「街中の無人駅」があと2〜3か所増え ていたら、街のエネルギーを吸い上げ、 循環させる「都市の血流」へと変わって いたはずです。 新たに線路を敷く必要はありません。 その一等地をただ列車が通り過ぎるだけ の場所にせず、隣町へ行くための「点」 から、街を潤す「面」のインフラへと 再定義することによって鉄道を 「都市づくりの装置」として再起動させ る――そんな「AGT的な発想」が、 シャッター街化を食い止め、歩きたくな る街をつくる鍵になると思います。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 雪が降っても止まらないために-AGTの冬の工夫

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 雪が降っても止まらないために-AGTの 冬の工夫 です。 日本で最北端のAGTは、埼玉県大宮の ニューシャトルですが、実は過去の記録 では東京・臨海副都心を走る 「ゆりかもめ」の方が積雪量は多いので す。 ゴムタイヤで走るAGTは、雪国の道路と 同様、走行路面の凍結を防ぐため、 車両から凍結防止剤を撒布しながら走り、 安全なグリップ力を確保しています。 さらに、多くの路線では車両の前面に 樹脂製のブラシを装備しています。 降雪時にはこれを路面に下ろし、 走りながら雪を側溝へ掻き出していきま す。 なぜそこまでして除雪するのか。 走行路に雪が積もると、車両が浮き上が って横に張られた架線からパンタグラフ が外れ、電力を受けられなくなる恐れが あるためです。 しかし、人力やブラシだけでは追いつか ない猛吹雪もあります。そこで力を発揮 するのが「ロードヒーター」です。 海外に目を向けると、米国のアトランタ 空港のAPMでは、全線にヒーターを 埋め込み、雪を瞬時に溶かす徹底した 対策が取られています。 日本でも日暮里・舎人ライナーの勾配部 などで導入されています。 また、重要分岐部には、散水融雪装置を 設けるなど路線ごとに細やかな工夫が 施されています。 さらに一歩進んだ対策として、札幌市営 地下鉄南北線の南平岸駅から真駒内駅 までの高架区間を 「シェルター(防雪カバー)」で覆う 方法もあります。 これなら雪の影響をゼロにできます。 「地下トンネル」や「シェルター」を 組み合わせれば、雪国でもAGTは最強の 足になり得ます。 気象条件に左右されない安定運行の ポテンシャルを、もっと多くの街で 活かせるはずです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

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