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198件の検索結果が見つかりました
- 坂道が節電に?ゆりかもめの「省エネ軌道」
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 坂道が節電に? ゆりかもめの 「省エネ軌道} です。 東京・湾岸エリアを走る「ゆりかもめ」 は、1日13万人が利用する日本屈指の 新交通システム(AGT)です。 この路線には、あまり知られていない “エネルギー節約の工夫”が隠されて います。 それは「坂道」。実は、ゆりかもめの 各駅は、駅間の軌道よりも高い位置に 設けられており、駅の出入り口には 約30パーミル(1000m進んで30mの 高低差)の坂道が存在します。 電車は駅を出発する際、まずこの下り坂 を活かして加速します。 重力の力を借りることで、モーターの力 を抑え、省エネになります。 そして次の駅では、今度は上り坂を登り ながら減速。 ブレーキに頼らずに自然にスピードを 落とせるため、制動時のエネルギーも 抑えられるのです。 この「ジェットコースター型」の 軌道設計のおかげで、ピーク時は3分間隔 、オフピークでも5分間隔という高頻度 運転にもかかわらず、動力にかかる電力 を抑えることができています。 重力を味方につけた、静かなるエコ技術。 ゆりかもめの裏側には、そんなスマート な工夫があるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 「快適な座り心地は文化の鏡?」──布製シートが消えるとき
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 「快適な座り心地は文化の鏡?」 ──布製シートが消えるとき です。 日本では、電車やバスに乗って布製以外 のシートにお目にかかることはまずあり ませんが、海外ではそうでないことが 多く面食らうことがあります。 日本の公共交通では、クッション材を 厚手の布「モケット」で包んだ 布製シートが主流ですが、近年は 自動車でも使われる薄手でさらっとした 「トリコット」も使われるようになって います。 この布製シート、実は見た目以上に 大事な役割を果たしています。 座ったときに衣服としっかり密着して 滑りにくく、安定した座り心地が得ら れるのです。 私も一度、革張りの豪華な観光バスに 乗ったことがありますが、つるつると 滑って体に力が入り、かえって疲れて しまいました。 一方、海外ではFRPやステンレスなど 硬くて冷たい素材のシートが使われて いることも珍しくありません。 これは、残念ながら器物破損(ヴァンダ リズム)への対策として、壊されにくい 素材が求められた結果です。 けれど、乗る人が公共物を大切に扱う 文化が根付いていれば、本来なら座り 心地の良い布製シートを維持できるはず です。 移動の快適さは、単に設備の性能だけ でなく、それを使う私たちのマナーや 意識にもかかっている――そう感じた 一件でした。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- なんでドアの数が違うの? AGTにワンドア車とツードア車がある理由
AGT研究所の増川です。AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なんでドアの数が違うの? AGTにワンドア車とツードア車がある 理由 です。 ゆりかもめに乗っていたら、「あれ、 ドアが2つある」と気づいた方もいる かもしれません。実は、AGTには、 ワンドア車とツードア車の2タイプが あるのです。でも、なぜそんな違いが あるのでしょうか? 現在、日本のAGTでは、ゆりかもめと 日暮里・舎人ライナーがツードア車を 採用しており、それ以外(横浜シーサイ ドライン、六甲ライナー、ポートライナ ーなど)はワンドア車です。 最初にツードア車が登場したのは、 1995年に開業した「ゆりかもめ」。 それまでの限界寸法を遵守しながらも、 車体を少し大きくし(幅2.3m→2.5m、 長さ8m→8.5m)、車内の容積を約15% 増やしました。同時に、ドアも片側1か所 から2か所に増やしています。 ドアが増えると、ラッシュ時の乗り降り がスムーズになり、駅での停車時間が 短くなるため、ダイヤの乱れが起き にくくなるというメリットがあります。 また、ドア周辺の立ち席スペースが 増えることで、輸送力も向上します。 AGTの新路線計画があったら、 輸送力に余裕のあるツードア車が 選ばれる可能性が大きいと思いがち ですが、実はそうとも限らないのです。 ドアはAGTにとってトラブルの原因に なりやすい箇所。急いで飛び乗ろうと する人と接触したり、キャリーバッグが 挟まったりすることで故障が発生する ことがあります。特にAGTは無人運転で あるため、駅係員の対応なしに復旧する には時間がかかり、定時運行に支障が 出やすくなります。 そのため、あえてトラブルのリスクを 減らすためにワンドア車を選ぶという 考え方もあるのです。 輸送力を優先すればツードア車、 安全・信頼性を重視すればワンドア車—— という選択が、運行事業者の間で検討 されているようです。 無人運転というAGTならではの特性が、 こんなところにも影響しているのですね。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 日本のAGTが変える空港APM――仁川空港
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 日本のAGTが変える空港APM――仁川空港 です。 世界の空港ランキングで常に上位に名を 連ねる韓国・仁川国際空港。その利便性 の裏に、日本のAGT技術が大きく貢献して いることをご存知でしょうか。 2008年、仁川空港では第1ターミナルと コンコースAを結ぶ全長0.9kmのAPMが 地下に導入されました。 この路線に採用されたのが、三菱重工製の 「クリスタルムーバー」です。 3両編成の車両がシャトル運転を行って いましたが、2018年には、韓国の宇進 産電が製作した車両を増結し、4両編成・ 定員272と輸送量アップを図っています。 2018年には第2ターミナルの開業に伴い、APMはコンコースから1.5km先まで延伸。搭乗ゲートは計111に増え、世界有数のハブ空港としての地位をさらに強固なものとしました。 出展: https://www.airport.kr/pa/ja/a/index.jsp この延伸部のAPMは韓国の宇進産電が 供給しました。 宇進産電はこの経験をもとに、インドネ シアのスカルノハッタ空港のAPMも供給 しています。 国際空港向けAPM市場では、三菱重工と ボンバルディアによる二強体制に、韓国 の宇進産電が新たに加わり、競争がます ます激化しています。 三菱重工は、長年にわたる運行・保守の 実績を武器に、技術と信頼性で競争他社に 挑んでいます。 空港の“動脈”を担うAPM市場が、今後 どう進化していくのか注目されます。 次回のブログもお楽しみに!
- 空気を運ぶ時間こそ差がつく! AGTの軽さが生む省エネ効果
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 空気を運ぶ時間こそ差がつく! AGTの軽さが生む省エネ効果 です。 ゆりかもめの現行車両7300系、 7500系は、一次車に比べて1割近くの 軽量化が図られた車両で、コミケなどの ビッグイベントに押し寄せる大量の乗客 を余裕でさばけるようになっています。 AGTは、ゴムタイヤで走るシステムです。 4本のゴムタイヤで満員の乗客と車体を 支える必要があります。 そのため鉄道車両に比べて車両長を短く して全体重量がタイヤの許容値以内に 収まるように計画されます。 一方、鉄道車両は、踏切でトラックと 衝突しても運転士と乗客が受ける ダメージを最小にするために、 車体の前面を頑丈に補強していますので、 その分、重量が重くなります。 AGTには“踏切”が存在しません。 無人運転を前提としているため、 車両前面をトラックとの衝突に備えて 頑丈に作る必要がなく、結果として 車体をさらに軽くすることができます。 また、鉄道車両のように20m近い長さ ではなく、AGTの車両長はおおよそ半分 程度。そのぶん車体中央部のたわみも 小さくなり、補強を最小限に抑えること が可能です。 たとえば、リニア地下鉄の車両が 1両あたり約25トン(16.5m) であるのに対し、ゆりかもめの車両は 約11トン(8.5m)。長さあたりで見る と、AGTの方が約15%も軽くなっていま す。 そしてこの「軽さ」は、省エネルギーに もつながります。特に乗客が少ない 時間帯、いわゆる「空気を運ぶ」時間帯 では、 重い車両ほど電力消費が増える た め、軽量なAGTの方が 環境負荷が小さい という利点もあるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 天井に隠れた扇風機-ラインフローファンの話し
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 天井に隠れた扇風機-ラインフローファン の話し です。 鉄道博物館などで昔の車両に乗ると、 天井に丸い扇風機が回っていて、 どこか懐かしい気分になります。 今では車内に扇風機を見かけることは ほとんどありませんが、実は 「姿を変えて」今も通勤電車の多くで 活躍しているのです。 その正体は「ラインフローファン」。 天井に埋め込まれた細長い送風機で、 車内の空気を吸い込み、 再び吹き出すことで空気を循環させて います。 吹き出し口には首振り機構があり、 立っていると周期的に風が当たり、 まるで家庭用扇風機のように 涼しさを感じさせてくれます。 AGTでは、天井と屋根の間にあまり空間が 取れず、長らくこのラインフローファンを 設置できませんでした。しかし、技術の 進歩により、ついに「薄型のラインフロー ファン」が開発され、ゆりかもめ7500系 で初めて導入されました。 猛暑の日、汗だくで車内に飛び込んだとき にふっと感じるあの涼風―― 実は天井の「隠れた扇風機」がもたらして いるのです。 AGT車内の快適さを向上させる、 見えない工夫のひとつです。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 軽さが命!AGTが「素材」にこだわる理由
私たちが目にするAGTの車両。 その「車体の材質」が何でできているか、 気にしたことはあるでしょうか。 実はこの材質の選択には、AGTならでは の理由があります。 AGTの車両は、鉄道のような鉄の車輪 ではなく、ゴムタイヤを使います。 このゴムタイヤは、鉄輪に比べて耐えら れる重さ(許容荷重)が小さいため、 車両全体をできるだけ軽く作る必要が あります。 つまり「軽さ」は、AGT車両の最重要 条件のひとつなのです。 第1世代のAGTでは、スチール(鋼鉄)製、 ステンレス製、アルミ合金製の3種類が 使われていました。 スチールはコスト面で有利ですが重く、 また腐食しやすいためメンテナンスの 負担も大きい素材です。 一方、アルミ合金は軽量で腐食に強く、 AGTの用途に適しています。ステンレス はアルミ合金より重いものの、強度が 高く耐久性に優れるため、軽量化技術の 進展により採用が増えていきました。 技術の進歩により、やがてAGT車両は アルミ合金製かステンレス製に二分され ていきます。 たとえば、アストラムラインでは、 1994年に導入された一次車6000系は スチール製でしたが、長年の使用による 腐食対策や輸送力向上の必要性から、 2025年5月にはアルミ合金製の7000系 へ全面的に置き換えられました。 これにより、スチール製車両は完全に 姿を消すことになりました。 また、日暮里・舎人ライナーでは、 ステンレス製の320形と、より軽量な アルミ合金製の330形という2種類の 第2世代車両が製造されました。 最終的には、より多くの乗客を運ぶ ことができる軽量な330形が混雑対策の 切り札として選ばれ、2025年1月に 15編成すべてがアルミ合金製車両に 置き換えられました。 320形ステンレス製車体 330形アルミ合金製車体 現在、日本国内のAGT車両のうち、 約7割がアルミ合金製、約3割がステン レス製という構成になっています。 スチールはコスト面で有利だったものの、 AGTに求められる「軽さ」「耐腐食性」 の条件を満たせなかったため、 選ばれなくなってきたのです。 材質の違いは、見た目では分かりにくい かもしれませんが、メンテナンス性、 さらには輸送力にも関わる重要な 選択です。 私たちの目に映る車両の背後には、 こうした合理的な技術判断があるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 中間サイズの輸送システム、その正体とは
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回とり上げる話題は、 中間サイズの輸送システム、その正体 とは です。 通勤や通学など私たちの生活を支える 公共交通機関に「中間サイズ」の輸送 システムがあるのをご存じでしょうか? 鉄道が大量輸送、バスが少量輸送を担う のに対し、AGT(新交通システム)は その「中間」に位置する中量輸送システ ムです。AGTのほか、モノレールやLRT (次世代型路面電車)も中量輸送システ ムに含まれます。 日本における毎日のAGT利用者は、 規模の小さいユーカリが丘線と西武山口 線を除いた8路線合計で約50万人です。 特に「ゆりかもめ」の利用者数は12万人 に達します。 1路線あたりの平均利用者数は約6.3万人。 これを運ぶにはバスでは規模が足りず、 鉄道では過剰になる――まさにAGTが 最適な選択です。 さらにAGTには、運転士が不要という 大きな特徴があります。これにより、 運行コストを抑えつつ柔軟な運行が可能 になり、多くの路線が単年度黒字経営を 実現しています。これは、同規模の利用 者数を抱える東武日光線、西武多摩湖線、 今里筋線、神戸海岸線などの鉄道路線が 苦しい採算状況にあるのと対照的です。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 踏切だらけのLRT、踏切ゼロのAGT
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 踏切だらけのLRT、踏切ゼロのAGT です。 都市部では踏切による交通渋滞や事故を 防ぐため、高架化や地下化が進められて きましたが、地方では今も多くの踏切が 残され、痛ましい事故が後を絶ちません。 そんな中、最初から「踏切のない前提」 で設計された交通システムが存在します。 それが、AGTやモノレールです。 反対に、路面電車は道路を走る関係上、 踏切のような交差が多く、必然的に事故 リスクが高まります。 2013年度の数字ですが、日本の路面電 車19社の年間事故件数は、人身事故2件 を含め68件に上ります。 路面電車は、バリアフリーな乗り物です が、とっさの時に自動車のように ハンドルを切ってかわすことができず、 急ブレーキだのみなので常に人身事故 発生の可能性が付きまといます。 写真:PhotoAC 一方、AGTは軌道と人の動線が完全に 分離されています。フルハイトのホーム ドアが常設され、車両は全自動・無人で 運行されるため、踏切事故はもちろん、 人身事故も起こりにくい構造です。 日本最初のAGT、ポートライナーが 開業してから40年以上たちますが、 その間、死亡事故ゼロで、きわめて 安全な輸送サービスを提供し続けて います。 「人身事故の起きない鉄道」は夢では なく、AGTというかたちで実現されて いるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- ロープからガラスへ--荷棚の進化小史
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 ロープからガラスへ――荷棚の進化小史 です。 鉄道博物館を訪れると、時が止まった ような木製の古い車両に出会えます。 中に入って見上げると、天井近くに太い ロープを編んだ緑色の網棚が目に入り、 木のぬくもりと相まって、なんとも レトロな雰囲気を醸し出しています。 やがて時代は進み、ロープは金属製の 網に取って代わられます。 さらに、太いステンレスパイプを 等間隔で並べた構造が登場し、 「網棚」という名前も「荷棚」へと 変わっていきました。 名称が変わっても、忘れ物や不審物を 見つけやすくするため、「隙間がある こと」は一貫して守られてきました。 その後、アルミの板を使ったプレート式 の荷棚が登場。抜き穴を設ける工夫は されたものの、平面構造では視認性が やや劣り、忘れ物の発見が難しいという 課題が残りました。 そこで登場したのが「ガラスの荷棚」 です。 最近のAGT車両では、強化ガラスを 使った透明な荷棚が増えてきています。 ゆりかもめ7300系がその先駆けで、 現在では多くの新型車両に採用されて います。 「ガラスって割れないの?」と驚かれる かもしれませんが、使用されているのは 耐久性に優れた強化ガラス。 中身が透けて見えるため忘れ物の確認が しやすく、車内の開放感を損なうことも ありません。 何気なく見上げる荷棚にも、 こんな進化の歴史があるのです。 次にAGTに乗る機会があれば、ぜひ 「ガラスの荷棚」にも注目してみて ください。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 限られた都市空間の有効利用を支えるAGTの登坂力
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 限られた都市空間の有効利用を支える AGTの登坂力 です。 ゴムタイヤで走るAGTは、一般的な鉄道 の約2倍にあたる60パーミルの急坂を 上り下りできるシステムです。 60パーミルとは、1m走行するごとに 6㎝高くなる勾配で、例えば長さ10mの バスの後端が0㎝、前端が高さ60㎝の スロープに置かれていることを想像して みてください。 かなりの急坂であることがお分かりいた だけると思います。 AGTの本線でも、ニューシャトル (埼玉県)の59パーミル、 六甲ライナー(神戸)で58パーミル、 ポートライナー(神戸)やゆりかもめ (東京)、日暮里・舎人ライナー (東京)も50パーミルの急坂をもつ 路線が目白押しです。 鉄道や高速道路を跨いだり潜ったりする ため、こうした急勾配に強いAGTの特性 が生かされています。 さらに、現在計画中のアストラムライン 延伸区間(広島)には65パーミルと いう、国内最高クラスの急坂が計画され ています。 地上の車両基地と高架軌道を結ぶ引き 込み線には、ゆりかもめや日暮里・舎人 ライナーなどで60パーミルを超える 区間が存在し、特に日暮里・舎人ライ ナーの引き込み線は65パーミルと 国内AGT最急勾配を誇ります。 都市の立体的な交通網を支えるAGT。 限られた都市空間の有効利用のため、 その登坂力が大いに役立っています。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 日本のAGTが変える空港APM――シンガポール・チャンギ空港に導入されたCrystal Moverの物語
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 日本のAGTが変える空港APM ――シンガポール・チャンギ空港に 導入されたCrystal Moverの物語 です。 世界有数のハブ空港として知られる シンガポール・チャンギ空港は、 国内線を持たない空港でありながら、 国際線の乗り継ぎにおける快適性と 効率性を徹底的に追求してきました。 その象徴のひとつが、空港内を結ぶ APMです。 1981年にターミナル1(T1)が開業し 、1991年にはターミナル2(T2)が 加わりました。 その際に導入されたのが、米国Adtranz 社製のAPM 「CX-100」でした。 その後、2008年にターミナル3(T3) がオープンすると、空港内の移動ニーズ が一気に拡大。これを受けて三菱重工製 のCrystal Moverが5路線にわたって導入 され、空港全体の移動ネットワークが 再編されました。 注目すべきは、既存のAdtranz製APMか らCrystal Moverへの置き換え工事です。 T1とT2を結ぶ重要路線を止めずに施工 するため、2本ある軌道の片方を生かし た状態で反対側の軌道を順次更新すると いう、高度な工法が採られました。 空港運営に支障を与えない“運行しなが らの刷新”は、日本の土木・システム 技術の得意技です。 Crystal Moverは、2003年に開通した シンガポールのLRT「センカン・プンゴ ル線」にも採用された車両をベースに、 空港仕様にアレンジされています。 特に前面デザインはチャンギ専用に カスタマイズされ、近未来的なイメージ を演出しています。 さらにAPMは、空港の顔としての役割も 果たしています。たとえば、空港利用者 だけでなく地元市民にも人気の高い複合 商業施設「ジュエル・チャンギ」の巨大 な屋内滝。その向こう側を静かに走る Crystal Moverは、空港の機能美と都市 景観の調和を象徴する存在です。 現在、チャンギ空港はアジアのハブ空港 として、香港国際空港としのぎを削って います。 香港空港では2024年11月に第3滑走路 と新ターミナルが稼働を開始しました。 一方のチャンギ空港では、既存の敷地と ほぼ同規模のターミナル5および第3 滑走路の建設が進行中です。 このような国際競争の中で、日本のAGT 技術が空港の利便性を支え、空港の “価値”そのものを変えつつあります。 次回のブログもお楽しみに!











