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198件の検索結果が見つかりました

  • 街を素通りさせない鉄道──AGTがつくる“人が流れる街”

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 街を素通りさせない鉄道──AGTが つくる“人が流れる街” です。 かつて私が暮らしていた人口10万人の 地方都市。そこには街の真ん中を貫く 立派な鉄路がありましたが、市民にとっ てはどこか「よそ行き」の存在でした。 中心駅には主要路線とローカル線が 乗り入れていましたが、駅と駅の間隔は どちらも5km以上。 2線ともただ街を駆け抜けるだけの存在 で、市内の生活導線とは切り離されてい ました。 中心駅から3kmほどの郊外に住んでいた 私にとっても、鉄道は出張のときだけ 利用する交通機関。 日常の買い物も通院も、結局は自家用車 に頼っていました。 5kmの駅間にある住宅街や商店街は、 鉄道という資産の恩恵を一切受けられ ない『空白地帯』になってしまっている ──地方都市ではよくある光景です。 ここで、都市交通として成功している AGT(新交通システム)の設計思想に 目を向けてみます。 AGTが街を活性化させる理由は、 その「密度の濃さ」にあります。 • 駅間は約800m前後: 歩行の延長線上 で駅に出会える距離。 • 無人駅の効率的運営: 豪華な駅舎では なく、街に溶け込むシンプルな乗降場。 • 高頻度運行: 時刻表を気にせず、 ふらりと乗れる気軽さ。 これらは決してAGTという「箱物」だけ の特権ではありません。 既存のローカル線に、 この「多駅化・高頻度」という思想を 当てはめたらどうなるでしょうか。 街を素通りする鉄道に、AGTのような 「街中の無人駅」があと2〜3か所増え ていたら、街のエネルギーを吸い上げ、 循環させる「都市の血流」へと変わって いたはずです。 新たに線路を敷く必要はありません。 その一等地をただ列車が通り過ぎるだけ の場所にせず、隣町へ行くための「点」 から、街を潤す「面」のインフラへと 再定義することによって鉄道を 「都市づくりの装置」として再起動させ る――そんな「AGT的な発想」が、 シャッター街化を食い止め、歩きたくな る街をつくる鍵になると思います。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 雪が降っても止まらないために-AGTの冬の工夫

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 雪が降っても止まらないために-AGTの 冬の工夫 です。 日本で最北端のAGTは、埼玉県大宮の ニューシャトルですが、実は過去の記録 では東京・臨海副都心を走る 「ゆりかもめ」の方が積雪量は多いので す。 ゴムタイヤで走るAGTは、雪国の道路と 同様、走行路面の凍結を防ぐため、 車両から凍結防止剤を撒布しながら走り、 安全なグリップ力を確保しています。 さらに、多くの路線では車両の前面に 樹脂製のブラシを装備しています。 降雪時にはこれを路面に下ろし、 走りながら雪を側溝へ掻き出していきま す。 なぜそこまでして除雪するのか。 走行路に雪が積もると、車両が浮き上が って横に張られた架線からパンタグラフ が外れ、電力を受けられなくなる恐れが あるためです。 しかし、人力やブラシだけでは追いつか ない猛吹雪もあります。そこで力を発揮 するのが「ロードヒーター」です。 海外に目を向けると、米国のアトランタ 空港のAPMでは、全線にヒーターを 埋め込み、雪を瞬時に溶かす徹底した 対策が取られています。 日本でも日暮里・舎人ライナーの勾配部 などで導入されています。 また、重要分岐部には、散水融雪装置を 設けるなど路線ごとに細やかな工夫が 施されています。 さらに一歩進んだ対策として、札幌市営 地下鉄南北線の南平岸駅から真駒内駅 までの高架区間を 「シェルター(防雪カバー)」で覆う 方法もあります。 これなら雪の影響をゼロにできます。 「地下トンネル」や「シェルター」を 組み合わせれば、雪国でもAGTは最強の 足になり得ます。 気象条件に左右されない安定運行の ポテンシャルを、もっと多くの街で 活かせるはずです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • “なぜ電車の背もたれは低いのか?”から始まるAGTの新しい座り心地

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 “なぜ電車の背もたれは低いのか?” から始まるAGTの新しい座り心地 です。 オフィスで座る椅子の背もたれは、 肩の上あたりまでしっかり支えて くれます。 自動車のシートも同様です。 しかし、毎日のように利用する 通勤電車のシートを思い返してみると、 背もたれはせいぜい背中の半分ほどの 高さ。長く座っていると、 「もう少し寄りかかりたい」と思った ことのある方も多いのではないでしょう か。 実はこの“背もたれの低さ”には、 鉄道車両特有の事情があります。 通勤車両は大量輸送を目的とした 閉鎖空間です。 そこで少しでも車内の閉塞感を軽減させ るため、シートの背をあえて低く抑えて 「窓を大きく見せる」工夫が長年続け られてきました。 ところが現代では、車内での過ごし方が 劇的に変化しました。 座っている人も立っている人も、 視線の多くは窓の外ではなく 手元のスマホへと向かいます。 今や利用者の満足度に直結するのは、 “外がよく見えること”よりも、 “姿勢が安定すること”へとシフトして いるのです。 そこで、通勤車両の常識を覆し、あえて 「肩まで支えるハイバックシート」を 採用したのが、三菱重工製AGTの 「G-Fit」です。 G-Fitに実際に座ってみると、上半身が 包み込まれるような確かな安定感が あります。 体が前後に振られにくく、 特に長距離区間での快適性の差は歴然と しています。 この思想は2014年、ゆりかもめ7300 系での初採用を皮切りに、ニューシャト ル2020系、日暮里・舎人ライナー330 形、ゆりかもめ7500系、アストラムラ イン2000系へと波及。 圧倒的な支持を受け、現在では三菱重工 製AGTの標準仕様となりました。 背もたれを高くするという一見シンプル な変化の裏には、限られた車内空間で 「開放感」と「安定感」を高次元で両立 させる緻密な設計思想が息づいています。 2014年の初採用から10年以上、多くの 路線で「標準」として選ばれ続けている 実績こそ、G-Fitが導き出した答えの 正しさを証明しています。 機能を徹底的に追求した先に生まれた、 新しい「当たり前」といえます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 質と量の両面で行った日暮里・舎人ライナーの混雑緩和対策

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 質と量の両面で行った日暮里・舎人 ライナーの混雑緩和対策 です。 朝の通勤時間帯、「列車が来ても乗れず、 次の便を待つ」。 かつての日暮里・舎人ライナーでは、 そんな光景が毎日のように見られました。 コロナ前の混雑率は180%超。 一般的な鉄道が150%以下を目標にして いた時代に、突出した混雑ぶりでした。 この事態を変えるため、都交通局は 車両の“質”と“量”の両面から攻め ました。 まずは、300形(写真上)に替わり 320形(写真中)、330形(写真下)が 混雑緩和対策として開発されました。 この二つの車両は徹底した軽量化と 従来のクロスシートを廃してオールロン グシート化により立ち席スペースを大幅 に拡大しました。 従来の300形1編成の定員は245人。 対して320形は259人、330形は262人。 数字だけ見ると「十数人の差」に見え ますが、330形は立席スペースを最大化 できるよう軽量化を徹底。 その結果、満車条件の輸送力では 300形より約100人多く運べる車両へと 進化しました。 座席も13席増え、快適性も向上して います。  さらに編成数そのものも大幅に増えまし た。 2019年は300形12編成・320形1編成 ・330形1編成の計14編成で、 1日約9万1千人を運んでいました。 2024年には 330形15編成、320形1編 成、300形4編成の計20編成体制 に拡大。 輸送力は編成数で1.4倍、定員数増を 加味した延べ定員では1.5倍に増強され、 約9万6千人の利用に対応しています。 「車両の改良」×「編成数の拡大」と いう“質”と“量”の両面で 混雑の大幅緩和を図りました。 小さな車体でこまめに走る――これが AGTの持ち味ですが、その弱点である 混雑にも丁寧に向き合い、 着実に改善してきたのが 日暮里・舎人ライナーの歩みです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 消えたAGT――ピーチライナーが残した教訓

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回とり上げる話題は、 消えたAGT――ピーチライナーが残した 教訓 です。 いま日本には10の新交通システム (AGT)路線があります。 しかし、かつてはもう1本―― 「11番目のAGT」が存在していました。 その名は、愛知県の桃花台線(ピーチ ライナー)。 1991年に開業し、桃花台ニュータウン と名鉄小牧駅を結ぶ全長7.4kmの路線 でした。 ピンク色のロゴと近未来的な車両が 印象的で、開業当初は「次世代のまちの 足」として大きな期待を集めました。 ところが、ニュータウンの人口が当初の 想定を下回り、利用者数が伸び悩みます。 さらに、名古屋の中心部へ直結する路線 がなく、都心へのアクセスに時間が かかるという弱点もありました。 利便性の向上策が十分に打てないまま、 15年後の2006年、ピーチライナーは 静かにその姿を消しました。 もし名鉄犬山線やJR中央線に接続できて いたら――。 もしもう少し沿線のまちづくりと連携 していれば――。 いまも語り継がれる“幻のAGT”には、 そんな「もしも」が残されています。 需要予測のブレは、景気変動や社会情勢 によってどの路線でも起こり得ます。 しかし、接続先の鉄道路線が名古屋の 中心部に直結していないという致命的な 状態で運行を開始したことは決定的でし た。 この不便さゆえに、当初から多くの住民 に「利用の選択肢」として選ばれず、 関係者の努力も空しく廃線に至りました。 2003年、待望の名鉄小牧線と地下鉄 名城線の接続が実現し、 利用者は1日あたり2,200人から3,100 人と約40%増加しました。 しかし、累積赤字を好転させるには あまりに遅すぎ、また増え幅も不十分で あったため、2006年にその歴史を閉じ ました。 地下鉄接続後であっても、 ピーチライナーを利用して繁華街の栄に 行くには2回、ビジネス街の名古屋駅に 行くには3回の乗り換えを要しました。 その時には、既に、中央道経由で 名古屋都心へ「乗り換えなし」で 直行する高速バスが非常に強力な ライバルとして台頭しており、 定時性という鉄道の利点をもってしても、 この利便性の差を埋めることは できませんでした。 「どれほど定時性に優れていても、 目的地までのトータルの利便性で劣れば 公共交通として成立しない」 ——ピーチライナーの教訓は、 ここに集約されると思われます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ「ゆりかもめ」はレインボーブリッジで鳥かごに入るのか?

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なぜ「ゆりかもめ」はレインボー ブリッジで鳥かごに入るのか? です。 レインボーブリッジを走るゆりかもめ。 海上を渡る開放的な景色を想像していた のに、橋の上にさしかかると、突然 まるで「鳥かご」のようなケージに 囲まれた区間に入ります。 あれはいったい何のためでしょうか。 実はあのケージ、開業当初から あったわけではありません。 運行を始めてわずか1か月後、 意外な事故が発生したのです。 レインボーブリッジは二層構造で、 上層が首都高速、下層にゆりかもめと 一般道の臨海道路が並んでいます。 ある日、その一般道を走っていた トラックの荷台からベニヤ板が 風にあおられて飛び出し、 ゆりかもめの車両に衝突。 列車は緊急停止する事態となりました もともと軌道の両側にはフェンスが 設けられていましたが、 飛来物が上から落ちる可能性までは 想定していませんでした。 そのため、再発防止策として軌道全体を 覆う「ケージ型防護構造」が 新たに設けられたのです。 以来、同様の事故は一度も起きていませ ん。 こうして誕生した“鳥かごの景色”は、 ゆりかもめが都市交通として 「安全を最優先に設計されている」 ことを物語っています。 橋の上で見上げる鉄の格子は、 単なる囲いではなく、 運行事業者の乗客を守る強い意志の 象徴なのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 街じゅうが注目!“動く広告塔”AGTの魅力

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 街じゅうが注目!“動く広告塔”AGTの 魅力 です。 街を走る列車が、まるごと巨大な広告塔 になる――そんな光景を見たことはあり ますか? なかでも高架上を軽やかに走るAGTは、 空を行くビルボードそのもの。 視界の上からふいに現れ、建物の隙間を 縫ってゆく姿は、固定された看板では 味わえない“動く迫力”があります。 街の景色と溶け込みながらも存在感を 放つ、これこそがAGTならではの魅力で す。 広島のアストラムラインでは、 安佐動物公園や広島カープ、 サンフレッチェ広島とコラボした フルラッピング車両が走り、 沿線の活気づくシーンをつくって きました。 たった1編成だけのレア感も、 「出会えたらラッキー」感が強く、 ファンの心をつかむ要素にもなっていま す。 出展:YAHOO!ニュース 出展:KiPioの散歩道 一方で、AGTは全自動無人運転を前提 としたシステムなので天井まである ホームドアを備えているため、 ホーム上の乗降客からはラッピングが 見えにくいという課題もあります。 これに対し、ホームドアのない 千葉モノレールでは、ラッピング車両が 目の前に滑り込んでくるため広告の 訴求力が高く、16編成中14編成が ラッピング列車という人気ぶりです。 現在は広告主の順番待ちが出るほどの 人気となっています。 出展:千葉市 AGTやモノレールの車体は、 街に浮かぶ細長いキャンバス。 そこに大胆なテーマを描けば、 車両は単なる交通機関を超えて“走る 名物”になります。 さらに、もし「動く広告賞」が創設され 、住民の投票でその年のベストワンを 選ぶ仕組みになれば、街全体が盛り上が るはずです。 お気に入りの一台を見つける楽しさが 街に広がり、フルラッピング車両が街の 上空を彩る主役となる未来がやってくる かもしれません。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 空の上を駆け抜ける!日暮里・舎人ライナーの立体ルート

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 空の上を駆け抜ける!日暮里・舎人ライ ナーの立体ルート です。 日暮里・舎人ライナーは、まるで “空の道”を走るような路線です。 その理由は、途中でたくさんの障害物を 乗り越えているから。 わずか9.7kmの路線の中に、常磐線、 京成本線、常磐貨物線の3本の鉄道、 首都高速中央環状線と環状7号線江北 陸橋の2本の高架道路、そして隅田川と 荒川という2つの一級河川と全部で7か所 を眼下に見下ろす高架軌道となっていま す。 急坂は20‰が2か所、30‰が5か所、 35‰が1か所、さらに最急勾配50‰が 1か所。 首都高速を越える部分では、 地上12mから28mの高さにまで上がり、 ライナーの車窓からは都心を一望できま す。 坂道に強いのは、ゴムタイヤで走る 新交通システム(AGT)ならではの特徴。 鉄のレールと車輪では難しい急勾配も、 スムーズに登ることができます。 このしくみのおかげで、川や道路、 鉄道をまたぐ立体的なルートが実現しま した。 このルートが完成するまでには、 さらに都電荒川線や明治通りの上を またぐ橋の設置など、数多くの難工事が 必要でした。 しかし、それらの「越えねばならない もの」があったからこそ、現在のダイナ ミックな高架線が生まれたとも言えます。 私たちが何気なく乗っている 日暮里・舎人ライナー。 実は、東京の街の上を自在に駆け抜ける “立体交通”の代表選手なのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 日本のAGTはなぜ「乗り心地が良く経済性が高い」のか?―台車方式の違いから見える設計思想―

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 日本のAGTはなぜ「乗り心地が良く 経済性が高い」のか? ―台車方式の違いから見える設計思想― です。 新交通システム(AGT)は世界各地に ありますが、その「足もと」である 台車の構造には、国ごとの考え方の 違いがはっきり表れています。 実は、この違いこそが乗り心地や 経済性を大きく左右しています。 たとえば、アメリカで1971年に 登場した最初のAGT、ウエスティング ハウス社のAPMは、中央に1本の ガイドレールを置き、それを両側の 案内輪で挟む「センターガイド方式」。 一方、ヨーロッパではガイドレールを 左右に設けて案内輪を常に密着させて 走る「サイドガイド方式」が主流です。 安定感は高いものの、摩耗や抵抗が 大きく、電力消費や保守コストがかさむ 傾向にあります。   ところが日本のAGTは、同じサイドガイ ド方式でも発想がまったく異なります。 直線区間では案内輪がガイドレールに 密着せず、数ミリのすき間をあけたまま 走行するように設計されています。 路面の凸凹などでタイヤがわずかに 斜めを向いても、自らまっすぐ進もうと するタイヤのもつ「セルフアライニング トルク」という性質により、レールに 触れずに安定して直進するのです。 この「なるべく触れず、必要なときだけ 支える」という繊細な思想が、 摩耗を抑え、ガイドレール調整の手間を 減らし、省エネと長寿命を実現していま す。 モノレールのようにゴムタイヤの 案内輪を常時コンクリートガーターに 押し付けて走る方式では高速走行時に 左右の揺れが生じやすいのに対し、 日本のAGTは、高速でもしなやかで 静かな走りが特徴です。 結果として、日本のAGTは 「乗り心地が良く経済性が高い」交通 システムとして評価され、 開発途上国での導入を後押しする存在と なっています、 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 平地はLRT、坂道はAGT――広島の街に学ぶ交通の知恵

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 平地はLRT、坂道はAGT――広島の街に 学ぶ交通の知恵 です。 広島市は、LRTと新交通システム (AGT)が肩を並べて走る、全国でも 珍しい都市です。 市内中心部は、戦前から続く路面電車網 。 最新型のグリーンムーバー・エイペック スが街の中心を軽やかに駆け抜け、 ビジネス街や繁華街を縫うように人々を 運びます。 広島の街並みに自然に溶け込むその姿は、 まさに“動く風景”です。 一方、北西部の高台へと続く道には、 もう一つの足—AGT「アストラムライン」 があります。 市の中心部から広がる住宅地を結ぶ路線 で、最大4.5%という急こう配を上り下 りしています。 車両が軽く、タイヤで走るAGTならでは の強みが、坂の多い地形にぴったりと 合っています。 人口百万人を超える政令指定都市は 11ありますが、川崎市、さいたま市を 除く9都市には地下鉄があります。 アストラムラインは鯉城と呼ばれる 広島城の北にある新白島駅で地下に潜り 、市中心部では3駅分が地下区間になり ます。 そのため、広島市は「地下鉄のある 政令指定都市」としても数えられていま す。 地上ではLRTが、市中心部の地下では AGTが、それぞれの持ち味を生かして 役割を分担しているのです。 平地はLRTが、坂道はAGTが。 広島では、地形に合わせて 交通システムを最適に配置することで、 都市の暮らしやすさを支えています。 交通の多様化が進む今、LRTとAGTが 共存する広島の街は、 “未来の都市交通の縮図”ともいえる でしょう。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 屋根上機器ゼロ」の美学――AGTが目指した快適設計

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 「屋根上機器ゼロ」の美学――AGTが 目指した快適設計 です。 鉄道の通勤車両の屋根の上には 四角い箱のようなクーラーが置かれて います。 通勤で電車を利用する方なら、 きっと一度は目にしたことがあるでしょ う。 ところが、新交通システム(AGT)の 車両を見上げても、その姿がありません。 屋根はまっ平らで、とてもシンプル。 では、AGTのクーラーは一体どこに 隠れているのでしょうか。 答えは「分散配置」。家庭用エアコンが 室内機と室外機に分かれているのと同じ で、AGTでは室内機を天井裏に、 室外機を床下に分けて設置しています。 見た目に出てこないのはそのためです。 では、なぜ鉄道車両のように屋根の上に 置かないのでしょうか。 その理由は、国土交通省が定めた 「新交通システム基本仕様」にあります。 AGTの車両は高さ3.3メートル以内と 決められているため、屋根上に大きな 機器を載せずに屋根の高さをぎりぎり まで高くし、屋根裏にエアコンの室内 機だけを収納しています。 限られた高さの中で少しでも天井を高く とり、乗客が広々と感じられるように する――。その工夫の結果が、すっきり としたフラットな屋根なのです。 普段何気なく見上げる車両の姿にも、 実は快適性を追求した設計思想が隠れて いるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 架線も防音壁も照明ポールもなし。群を抜いたAGTならではのスッキリ高架

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 架線も防音壁も照明ポールもなし。 群を抜いたAGTならではのスッキリ高架 です。 街を歩いていて、高架の下をくぐった ときに「暗い」「圧迫感がある」と 感じたことはありませんか? 鉄道の高架には、架線や電柱、 さらにはレールを支える枕木やバラスト が加わり、構造全体が重くなります。 そのため軌道を支える柱の間隔は 15メートルほどと狭く、高架下は どうしても光が届きにくく、 閉ざされた雰囲気になりがちです。 一方、AGTの高架軌道には架線や電柱が 一切ありません。 車両は床下のパンタグラフで、 走行路の低い位置に敷かれた 「第三軌条」から電気を取り込む 仕組みだからです。 さらに、ゴムタイヤで走るため防振材や 防音材も不要。 シンプルなコンクリートの走行路だけで 済むので、軌道がぐっと軽くなります。 その結果、AGTの柱は鉄道の倍、 約30メートルごとに立てれば十分。 柱が少ない分、街並みに溶け込みやすく、 日差しも地上に届きやすいのです。 また、自動車の高架道路のように 防音フェンスや照明ポールに 囲まれることもなく、 見た目は驚くほどすっきり。 ビルの谷間を縫って走るAGTの高架は、 他の高架施設にはない軽やかさで 都市景観を支えています。 「高架なのに圧迫感がない」――。 この都会的なスッキリ感こそ、 AGTならではの大きな魅力です。 次回のAGTブログもお楽しみに!

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