top of page

検索結果

204件の検索結果が見つかりました

  • 銀色に輝く「天然の鎧」 ― アルミ無塗装ボディが都市の輸送力を変える

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 銀色に輝く「天然の鎧」 ― アルミ 無塗装ボディが都市の輸送力を変える です。 都会のビル群を縫うように走る ゆりかもめ。 そのシルバーの車体は、単なるコスト 削減ではなく、都市の景観を軽やかにし、 輸送効率を極限まで高めるための 「高度な設計思想」の結晶なのです。 ゴムタイヤで走るAGTにとって、 「軽量化」は輸送の質を左右する 最重要課題です。 一般的な鉄道車両のような塗装仕様に すると、パテと塗料だけで1両あたり 約100kg、乗客2人分に相当する重さが 加わってしまいます。 これを解消するのが、三菱重工の誇る 「アルミ無塗装ボディ」です。 まず、摩擦攪拌接合(FSW)という 高度な技術で、溶接跡のないフラットな 車体を組み上げます。 その表面に「自動洗車機」のような 設備でステンレス製ブラシを高速回転 させ、あえて微細な傷をつける 「ヘアライン加工(目粗し加工)」を 施します。 すると数日後、アルミの表面には 「天然の鎧」とも呼べる強固な酸化皮膜 が形成され、塗装なしでも錆からボディ を守るようになるのです。 この「100kgの軽量化」へのこだわりは 、社会に大きな価値をもたらします。 車体が軽くなった分、同じインフラの まま、より多くの人々を運べるように なるからです。 実際にゆりかもめの新型車両では、 徹底した軽量化によって1編成あたりの 輸送力を約80人も増加させることに 成功しました。 これは、イベント時の積み残しという 都市のストレスを解消する大きな力と なっています。 また、車両が軽ければ走行電力量も 削減でき、部品の寿命も延びるため、 環境に優しく持続可能な「都市の血流」 を維持できるのです。 ヘアライン加工が生み出す鈍い銀色の 輝きは、過酷な海風にさらされる 環境でも、10年、20年と色褪せる ことはありません。 日本の「ものづくり」が生んだこの 銀色の鎧は、ゆりかもめだけでなく、 日暮里・舎人ライナー、ニューシャトル で、人々の快適な毎日を守り続けていま す。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」が拓く未来の都市

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」が 拓く未来の都市 です。 巨大な新幹線の高架が街を貫くとき、 そこには騒音や分断といった課題が 生じます。 ニューシャトルは、まさにその新幹線 建設における地域への補償と利便性向上 を目的として、 新幹線と同時に計画・施工されました。 国家プロジェクトとしての「大動脈」 と、地域の足としての「毛細血管」を 一つの構造体に統合するという、 高度な社会的・技術的解決策でした。 新幹線の橋脚を見上げると、 そこには当初の設計段階からAGTを 支えるためのカンチレバーが力強く 突き出しています。 AGTの軌道桁にはコンクリートではなく 鉄骨を採用することで軽量化を図って います。 また、駅舎を軌道から切り離し、 地上から伸びるパイプで支える 独立構造としたのも、新幹線の振動を 駅に伝えず、かつ限られた空間で 双方の機能を両立させるための緻密な 配慮が施されています。 この「最初から一体で造る」という 思想は、現代の都市開発において大きな 示唆を与えます。 新幹線や高速道路の計画段階から、 その構造物の一部にAGTの走行スペース を組み込んでおくことで、後から土地を 買い直すことなく、建設費を劇的に抑え た公共交通の導入が可能になります。 これは、限られた予算で都市機能を 最大化しなければならない途上国に とっても、極めて有効な先進的モデル と言えるでしょう。 ニューシャトルの「ヤドカリ軌道」は、 単なる物理的な工夫ではなく、 地域社会との共生を形にしたものです。 既存の、あるいはこれから造られる 巨大インフラを「単一の目的」で終わら せず、複数の価値を重ね合わせる。 この持続可能な一体開発の精神こそが、 成熟した都市が目指すべき公共交通の 姿なのかもしれません。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 駅を起点に「街」が広がる ― パークアンドライドが繋ぐ都市の血流

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 駅を起点に「街」が広がる ― パーク アンドライドが繋ぐ都市の血流 です。 駅と自宅の距離は、私たちの生活の質を 大きく左右します。 徒歩圏内か、それともバスが必要か。 この「ラストワンマイル」をいかに 快適に繋ぐかが、都市交通の真価を問う ポイントです。 AGTは、単なる移動手段ではありません。 車や自転車と公共交通を幸せに共存させ、 都市の利便性を周辺地域へと拡張させる 「結節点」としての役割を担っています。 2008年に開業した日暮里・舎人ライナ ー(9.7km、13駅)は、この課題に 「密度」で応えています。 特筆すべきは、各駅の周辺に2~3か所 もの駐輪場を完備している点です。 全駅合わせると区営だけで一時預かり 約600台、定期約1500台、 合計で2100台を超える圧倒的な収容力 を誇り、これまでのAGTとは一線を画し ています。 この「空きがある」という安心感こそが 、利用者の毎朝の心理的ストレスを 軽減する、目に見えないインフラの質と なっています。 この利便性は、もはや行政の枠に留まり ません。 終点の見沼代親水公園駅には、 すぐそばの県境を越えて埼玉県川口市 から訪れる利用者が数多く存在します。 さらに、ニューシャトルの終点・内宿駅 の駐車場や、ゆいレールのてだこ浦西駅 に見られる多層のパークアンドライド (P&R)用駐車場は、周辺の新興住宅地 にとって大きな「セールスポイント」と なっています。 P&Rは、駅から離れた住民をも 「都市の血流」へと引き込み、 地域全体の価値を高める装置なのです。 パークアンドライド設備は、 単なる「車を止める場所」ではありませ ん。 AGTは徒歩圏内の住人だけでなく、 より遠くの住民をも幸福にする持続可能 なインフラへと進化します。 駅を起点に、街はもっと広がっていける。 AGTはその「揺るぎない足元」を これからも支え続けます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ地下鉄とAGTを分ける設計思想

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ 地下鉄とAGTを分ける設計思想 です。 札幌の地下鉄とAGT。どちらも 「ゴムタイヤ」で走ることで、 鉄輪の鉄道には難しい急勾配を スムーズに走行できるという 共通の強みを持っています。 しかし、その足元には、 都市における役割を決定づける 驚くべき構造の差が見えてきます。 決定的な違いは、車輪を支える 「軸」の数にあります。 札幌のゴムタイヤ地下鉄は、 鉄道と同じ「2軸ボギー構造」 (1両4軸)を採用し、 重厚な安定感で大量輸送を支えています。 北海道ファンマガジンさんのサイトから 写真をお借りしました。 一方、AGTは「1軸構造」(1両2軸)が 基本です。 さらに最新のAGT(ゆりかもめ7300系 など)では、案内輪からの入力を受けて 台車ごと転向する「新形式ボギー台車」 へと進化しています。 この新技術により、案内操向機構を 簡素化して信頼性を高めつつ、 車体幅を広げて輸送力を向上させる ことに成功しました。 なぜAGTは、タイヤ1本あたりの 荷重制限が厳しくなる1軸構造や、 ボギー機構にこだわるのでしょうか? その答えは、「最小回転半径30m以下」 という小回り性能にあります。 この機動力があれば、交差点の上空で 90度方向を変える高架軌道を、既存の 道路幅の中に収めることができます。 2軸構造の地下鉄では難しいこの 急カーブが、AGTなら可能です。 つまり、周辺の建物を壊したり、 住民に立ち退きをお願いしたりすること なく、既存の街の形を維持したまま 新しい「都市の血流」を作れるのです。 既存の道路上空という未利用スペースを 有効活用し、都市の隙間を縫うように 走る設計。 それは、開発段階から 日本の技術者たちが追求した 「小回り性能」が、結果として 「街と人の暮らしを守る」という 大きな価値を生んでいるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ日本のAGTには、「床までとどく窓」があるのか? シンガポールで見た、あるデザイナーの誓い

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 なぜ日本のAGTには、「床までとどく窓」 があるのか? シンガポールで見た、 あるデザイナーの誓い です。 無人運転車両の最大のメリットは 何でしょうか? 単なる効率化だけではなく、 最前列という「特等席」を子供たちに プレゼントしたことです。 シンガポールにブキットパンジャン線 というAGT路線があります。 そこのCX-100というAGT車両は、 大きなフロントウインドウの下側が、 機器ボックスになっていて、 子どもたちがわれ先にその機器ボックス の上に座り込んで、前の景色を楽しんで います。 ゆりかもめの車両は、 先頭部分に腰の高さから床までの窓が 設けられています。 子どもでも、屈まないとその窓から 外が見えにくいのですが、 床に座り込むと、窓を独り占めにして、 前方の景色を楽しむことができます。 これはXに投稿された写真ですが、 これこそ、ブキットパンジャンのAGTを 見て感動したデザイナーが日本のAGTで 実現したかった姿です。 スポーツカーのように視点が走行路面に 近くなるほどスピード感が増しますので 、この窓から見える景色は他では味わえ ないものです。 床に寝そべっている男の子の左側に 見える縦に長い手摺は、 単なる転倒防止ではなく、 同じ景色を見ながら親子で上と下を 握って乗車体験を共有するための 架け橋となるようにとデザイナーが 考えた工夫です。 この長い手摺は、公共交通が単なる 移動手段から、家族の思い出を作る 空間へと進化した証でもあります。 従来の鉄道では「運転士だけの聖域」 だった最前列が、無人運転によって 「すべての人、特に子供たちのための 探求の場」に開放されたのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 動かさないことが生む「絶対的な信頼」 ― 日米の給電方式に見る設計思想の差

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 動かさないことが生む「絶対的な信頼」 ― 日米の給電方式に見る設計思想の差 です。 街の中でAGTを見上げたとき、 まず感じるのはその「スッキリとした 美しさ」です。 鉄道のような空を遮る複雑な架線や 電柱が一切ありません。 AGTは、すべての電力を走行路の低い 位置にある「第三軌条」から取り込む 仕組みだからです。 この「車体より下に給電線を収める」 という選択が、都市の景観を軽やかに し、広い空を守っています。 しかし、この給電線には日本と米国で 決定的な「構造の差」が存在します。 特に注目すべきは、列車の進路を切り替 える「分岐部」です。 米国の方式は、ガイドレールと一緒に 給電線がダイナミックに動く「可動式」 を採用しています。 非常にコンパクトに収まるメリットが ありますが、複雑なメカニズムは摩耗や 故障のリスクを伴います。 対して日本の方式は、分岐部においても 給電線が一切動かない「固定式」です。 構造が複雑に見えても、動く箇所を 徹底的に排除した「静的」なインフラ。 ここに日本の技術者たちのこだわりが 詰まっています。 なぜこれほどまでに「動かないこと」に こだわるのか。 それは、無人運転のAGTにおいて、 小さなトラブルが全列車の停止、 つまり「都市の血流」の停止に直結する からです。 その差は、実際の運用実績にも表れて います。 シンガポールには米国式の「ブキット パンジャン線」と日本式の「センカン・ プンゴル線」が共存していますが、 日本式の圧倒的な信頼性の高さは 現地でも高く評価されています。 「動かない架線」は、一見すると 地味な工夫かもしれません。 しかし、その裏には「絶対に止めては ならない」という都市インフラとしての 強い使命感があります。 技術の細部を見つめる「虫の目」が 究極の安定性を生み、それが「鳥の目」 で見たときの、信頼される都市の風景を つくり出しているのです。 世界の都市を支える日本のAGT。 その強さは、この「揺るぎない足元」に 支えられています。

  • 街を素通りさせない鉄道──AGTがつくる“人が流れる街”

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 街を素通りさせない鉄道──AGTが つくる“人が流れる街” です。 かつて私が暮らしていた人口10万人の 地方都市。そこには街の真ん中を貫く 立派な鉄路がありましたが、市民にとっ てはどこか「よそ行き」の存在でした。 中心駅には主要路線とローカル線が 乗り入れていましたが、駅と駅の間隔は どちらも5km以上。 2線ともただ街を駆け抜けるだけの存在 で、市内の生活導線とは切り離されてい ました。 中心駅から3kmほどの郊外に住んでいた 私にとっても、鉄道は出張のときだけ 利用する交通機関。 日常の買い物も通院も、結局は自家用車 に頼っていました。 5kmの駅間にある住宅街や商店街は、 鉄道という資産の恩恵を一切受けられ ない『空白地帯』になってしまっている ──地方都市ではよくある光景です。 ここで、都市交通として成功している AGT(新交通システム)の設計思想に 目を向けてみます。 AGTが街を活性化させる理由は、 その「密度の濃さ」にあります。 • 駅間は約800m前後: 歩行の延長線上 で駅に出会える距離。 • 無人駅の効率的運営: 豪華な駅舎では なく、街に溶け込むシンプルな乗降場。 • 高頻度運行: 時刻表を気にせず、 ふらりと乗れる気軽さ。 これらは決してAGTという「箱物」だけ の特権ではありません。 既存のローカル線に、 この「多駅化・高頻度」という思想を 当てはめたらどうなるでしょうか。 街を素通りする鉄道に、AGTのような 「街中の無人駅」があと2〜3か所増え ていたら、街のエネルギーを吸い上げ、 循環させる「都市の血流」へと変わって いたはずです。 新たに線路を敷く必要はありません。 その一等地をただ列車が通り過ぎるだけ の場所にせず、隣町へ行くための「点」 から、街を潤す「面」のインフラへと 再定義することによって鉄道を 「都市づくりの装置」として再起動させ る――そんな「AGT的な発想」が、 シャッター街化を食い止め、歩きたくな る街をつくる鍵になると思います。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 雪が降っても止まらないために-AGTの冬の工夫

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 雪が降っても止まらないために-AGTの 冬の工夫 です。 日本で最北端のAGTは、埼玉県大宮の ニューシャトルですが、実は過去の記録 では東京・臨海副都心を走る 「ゆりかもめ」の方が積雪量は多いので す。 ゴムタイヤで走るAGTは、雪国の道路と 同様、走行路面の凍結を防ぐため、 車両から凍結防止剤を撒布しながら走り、 安全なグリップ力を確保しています。 さらに、多くの路線では車両の前面に 樹脂製のブラシを装備しています。 降雪時にはこれを路面に下ろし、 走りながら雪を側溝へ掻き出していきま す。 なぜそこまでして除雪するのか。 走行路に雪が積もると、車両が浮き上が って横に張られた架線からパンタグラフ が外れ、電力を受けられなくなる恐れが あるためです。 しかし、人力やブラシだけでは追いつか ない猛吹雪もあります。そこで力を発揮 するのが「ロードヒーター」です。 海外に目を向けると、米国のアトランタ 空港のAPMでは、全線にヒーターを 埋め込み、雪を瞬時に溶かす徹底した 対策が取られています。 日本でも日暮里・舎人ライナーの勾配部 などで導入されています。 また、重要分岐部には、散水融雪装置を 設けるなど路線ごとに細やかな工夫が 施されています。 さらに一歩進んだ対策として、札幌市営 地下鉄南北線の南平岸駅から真駒内駅 までの高架区間を 「シェルター(防雪カバー)」で覆う 方法もあります。 これなら雪の影響をゼロにできます。 「地下トンネル」や「シェルター」を 組み合わせれば、雪国でもAGTは最強の 足になり得ます。 気象条件に左右されない安定運行の ポテンシャルを、もっと多くの街で 活かせるはずです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • “なぜ電車の背もたれは低いのか?”から始まるAGTの新しい座り心地

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 “なぜ電車の背もたれは低いのか?” から始まるAGTの新しい座り心地 です。 オフィスで座る椅子の背もたれは、 肩の上あたりまでしっかり支えて くれます。 自動車のシートも同様です。 しかし、毎日のように利用する 通勤電車のシートを思い返してみると、 背もたれはせいぜい背中の半分ほどの 高さ。長く座っていると、 「もう少し寄りかかりたい」と思った ことのある方も多いのではないでしょう か。 実はこの“背もたれの低さ”には、 鉄道車両特有の事情があります。 通勤車両は大量輸送を目的とした 閉鎖空間です。 そこで少しでも車内の閉塞感を軽減させ るため、シートの背をあえて低く抑えて 「窓を大きく見せる」工夫が長年続け られてきました。 ところが現代では、車内での過ごし方が 劇的に変化しました。 座っている人も立っている人も、 視線の多くは窓の外ではなく 手元のスマホへと向かいます。 今や利用者の満足度に直結するのは、 “外がよく見えること”よりも、 “姿勢が安定すること”へとシフトして いるのです。 そこで、通勤車両の常識を覆し、あえて 「肩まで支えるハイバックシート」を 採用したのが、三菱重工製AGTの 「G-Fit」です。 G-Fitに実際に座ってみると、上半身が 包み込まれるような確かな安定感が あります。 体が前後に振られにくく、 特に長距離区間での快適性の差は歴然と しています。 この思想は2014年、ゆりかもめ7300 系での初採用を皮切りに、ニューシャト ル2020系、日暮里・舎人ライナー330 形、ゆりかもめ7500系、アストラムラ イン2000系へと波及。 圧倒的な支持を受け、現在では三菱重工 製AGTの標準仕様となりました。 背もたれを高くするという一見シンプル な変化の裏には、限られた車内空間で 「開放感」と「安定感」を高次元で両立 させる緻密な設計思想が息づいています。 2014年の初採用から10年以上、多くの 路線で「標準」として選ばれ続けている 実績こそ、G-Fitが導き出した答えの 正しさを証明しています。 機能を徹底的に追求した先に生まれた、 新しい「当たり前」といえます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 質と量の両面で行った日暮里・舎人ライナーの混雑緩和対策

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 質と量の両面で行った日暮里・舎人 ライナーの混雑緩和対策 です。 朝の通勤時間帯、「列車が来ても乗れず、 次の便を待つ」。 かつての日暮里・舎人ライナーでは、 そんな光景が毎日のように見られました。 コロナ前の混雑率は180%超。 一般的な鉄道が150%以下を目標にして いた時代に、突出した混雑ぶりでした。 この事態を変えるため、都交通局は 車両の“質”と“量”の両面から攻め ました。 まずは、300形(写真上)に替わり 320形(写真中)、330形(写真下)が 混雑緩和対策として開発されました。 この二つの車両は徹底した軽量化と 従来のクロスシートを廃してオールロン グシート化により立ち席スペースを大幅 に拡大しました。 従来の300形1編成の定員は245人。 対して320形は259人、330形は262人。 数字だけ見ると「十数人の差」に見え ますが、330形は立席スペースを最大化 できるよう軽量化を徹底。 その結果、満車条件の輸送力では 300形より約100人多く運べる車両へと 進化しました。 座席も13席増え、快適性も向上して います。  さらに編成数そのものも大幅に増えまし た。 2019年は300形12編成・320形1編成 ・330形1編成の計14編成で、 1日約9万1千人を運んでいました。 2024年には 330形15編成、320形1編 成、300形4編成の計20編成体制 に拡大。 輸送力は編成数で1.4倍、定員数増を 加味した延べ定員では1.5倍に増強され、 約9万6千人の利用に対応しています。 「車両の改良」×「編成数の拡大」と いう“質”と“量”の両面で 混雑の大幅緩和を図りました。 小さな車体でこまめに走る――これが AGTの持ち味ですが、その弱点である 混雑にも丁寧に向き合い、 着実に改善してきたのが 日暮里・舎人ライナーの歩みです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 消えたAGT――ピーチライナーが残した教訓

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回とり上げる話題は、 消えたAGT――ピーチライナーが残した 教訓 です。 いま日本には10の新交通システム (AGT)路線があります。 しかし、かつてはもう1本―― 「11番目のAGT」が存在していました。 その名は、愛知県の桃花台線(ピーチ ライナー)。 1991年に開業し、桃花台ニュータウン と名鉄小牧駅を結ぶ全長7.4kmの路線 でした。 ピンク色のロゴと近未来的な車両が 印象的で、開業当初は「次世代のまちの 足」として大きな期待を集めました。 ところが、ニュータウンの人口が当初の 想定を下回り、利用者数が伸び悩みます。 さらに、名古屋の中心部へ直結する路線 がなく、都心へのアクセスに時間が かかるという弱点もありました。 利便性の向上策が十分に打てないまま、 15年後の2006年、ピーチライナーは 静かにその姿を消しました。 もし名鉄犬山線やJR中央線に接続できて いたら――。 もしもう少し沿線のまちづくりと連携 していれば――。 いまも語り継がれる“幻のAGT”には、 そんな「もしも」が残されています。 需要予測のブレは、景気変動や社会情勢 によってどの路線でも起こり得ます。 しかし、接続先の鉄道路線が名古屋の 中心部に直結していないという致命的な 状態で運行を開始したことは決定的でし た。 この不便さゆえに、当初から多くの住民 に「利用の選択肢」として選ばれず、 関係者の努力も空しく廃線に至りました。 2003年、待望の名鉄小牧線と地下鉄 名城線の接続が実現し、 利用者は1日あたり2,200人から3,100 人と約40%増加しました。 しかし、累積赤字を好転させるには あまりに遅すぎ、また増え幅も不十分で あったため、2006年にその歴史を閉じ ました。 地下鉄接続後であっても、 ピーチライナーを利用して繁華街の栄に 行くには2回、ビジネス街の名古屋駅に 行くには3回の乗り換えを要しました。 その時には、既に、中央道経由で 名古屋都心へ「乗り換えなし」で 直行する高速バスが非常に強力な ライバルとして台頭しており、 定時性という鉄道の利点をもってしても、 この利便性の差を埋めることは できませんでした。 「どれほど定時性に優れていても、 目的地までのトータルの利便性で劣れば 公共交通として成立しない」 ——ピーチライナーの教訓は、 ここに集約されると思われます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ「ゆりかもめ」はレインボーブリッジで鳥かごに入るのか?

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なぜ「ゆりかもめ」はレインボー ブリッジで鳥かごに入るのか? です。 レインボーブリッジを走るゆりかもめ。 海上を渡る開放的な景色を想像していた のに、橋の上にさしかかると、突然 まるで「鳥かご」のようなケージに 囲まれた区間に入ります。 あれはいったい何のためでしょうか。 実はあのケージ、開業当初から あったわけではありません。 運行を始めてわずか1か月後、 意外な事故が発生したのです。 レインボーブリッジは二層構造で、 上層が首都高速、下層にゆりかもめと 一般道の臨海道路が並んでいます。 ある日、その一般道を走っていた トラックの荷台からベニヤ板が 風にあおられて飛び出し、 ゆりかもめの車両に衝突。 列車は緊急停止する事態となりました もともと軌道の両側にはフェンスが 設けられていましたが、 飛来物が上から落ちる可能性までは 想定していませんでした。 そのため、再発防止策として軌道全体を 覆う「ケージ型防護構造」が 新たに設けられたのです。 以来、同様の事故は一度も起きていませ ん。 こうして誕生した“鳥かごの景色”は、 ゆりかもめが都市交通として 「安全を最優先に設計されている」 ことを物語っています。 橋の上で見上げる鉄の格子は、 単なる囲いではなく、 運行事業者の乗客を守る強い意志の 象徴なのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

© 2022 AGT研究所

bottom of page