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ブログ記事(197)

  • 雪が降っても止まらないために-AGTの冬の工夫

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 雪が降っても止まらないために-AGTの 冬の工夫 です。 日本で最北端のAGTは、埼玉県大宮の ニューシャトルですが、実は過去の記録 では東京・臨海副都心を走る 「ゆりかもめ」の方が積雪量は多いので す。 ゴムタイヤで走るAGTは、雪国の道路と 同様、走行路面の凍結を防ぐため、 車両から凍結防止剤を撒布しながら走り、 安全なグリップ力を確保しています。 さらに、多くの路線では車両の前面に 樹脂製のブラシを装備しています。 降雪時にはこれを路面に下ろし、 走りながら雪を側溝へ掻き出していきま す。 なぜそこまでして除雪するのか。 走行路に雪が積もると、車両が浮き上が って横に張られた架線からパンタグラフ が外れ、電力を受けられなくなる恐れが あるためです。 しかし、人力やブラシだけでは追いつか ない猛吹雪もあります。そこで力を発揮 するのが「ロードヒーター」です。 海外に目を向けると、米国のアトランタ 空港のAPMでは、全線にヒーターを 埋め込み、雪を瞬時に溶かす徹底した 対策が取られています。 日本でも日暮里・舎人ライナーの勾配部 などで導入されています。 また、重要分岐部には、散水融雪装置を 設けるなど路線ごとに細やかな工夫が 施されています。 さらに一歩進んだ対策として、札幌市営 地下鉄南北線の南平岸駅から真駒内駅 までの高架区間を 「シェルター(防雪カバー)」で覆う 方法もあります。 これなら雪の影響をゼロにできます。 「地下トンネル」や「シェルター」を 組み合わせれば、雪国でもAGTは最強の 足になり得ます。 気象条件に左右されない安定運行の ポテンシャルを、もっと多くの街で 活かせるはずです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • “なぜ電車の背もたれは低いのか?”から始まるAGTの新しい座り心地

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 “なぜ電車の背もたれは低いのか?” から始まるAGTの新しい座り心地 です。 オフィスで座る椅子の背もたれは、 肩の上あたりまでしっかり支えて くれます。 自動車のシートも同様です。 しかし、毎日のように利用する 通勤電車のシートを思い返してみると、 背もたれはせいぜい背中の半分ほどの 高さ。長く座っていると、 「もう少し寄りかかりたい」と思った ことのある方も多いのではないでしょう か。 実はこの“背もたれの低さ”には、 鉄道車両特有の事情があります。 通勤車両は大量輸送を目的とした 閉鎖空間です。 そこで少しでも車内の閉塞感を軽減させ るため、シートの背をあえて低く抑えて 「窓を大きく見せる」工夫が長年続け られてきました。 ところが現代では、車内での過ごし方が 劇的に変化しました。 座っている人も立っている人も、 視線の多くは窓の外ではなく 手元のスマホへと向かいます。 今や利用者の満足度に直結するのは、 “外がよく見えること”よりも、 “姿勢が安定すること”へとシフトして いるのです。 そこで、通勤車両の常識を覆し、あえて 「肩まで支えるハイバックシート」を 採用したのが、三菱重工製AGTの 「G-Fit」です。 G-Fitに実際に座ってみると、上半身が 包み込まれるような確かな安定感が あります。 体が前後に振られにくく、 特に長距離区間での快適性の差は歴然と しています。 この思想は2014年、ゆりかもめ7300 系での初採用を皮切りに、ニューシャト ル2020系、日暮里・舎人ライナー330 形、ゆりかもめ7500系、アストラムラ イン2000系へと波及。 圧倒的な支持を受け、現在では三菱重工 製AGTの標準仕様となりました。 背もたれを高くするという一見シンプル な変化の裏には、限られた車内空間で 「開放感」と「安定感」を高次元で両立 させる緻密な設計思想が息づいています。 2014年の初採用から10年以上、多くの 路線で「標準」として選ばれ続けている 実績こそ、G-Fitが導き出した答えの 正しさを証明しています。 機能を徹底的に追求した先に生まれた、 新しい「当たり前」といえます。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 質と量の両面で行った日暮里・舎人ライナーの混雑緩和対策

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 質と量の両面で行った日暮里・舎人 ライナーの混雑緩和対策 です。 朝の通勤時間帯、「列車が来ても乗れず、 次の便を待つ」。 かつての日暮里・舎人ライナーでは、 そんな光景が毎日のように見られました。 コロナ前の混雑率は180%超。 一般的な鉄道が150%以下を目標にして いた時代に、突出した混雑ぶりでした。 この事態を変えるため、都交通局は 車両の“質”と“量”の両面から攻め ました。 まずは、300形(写真上)に替わり 320形(写真中)、330形(写真下)が 混雑緩和対策として開発されました。 この二つの車両は徹底した軽量化と 従来のクロスシートを廃してオールロン グシート化により立ち席スペースを大幅 に拡大しました。 従来の300形1編成の定員は245人。 対して320形は259人、330形は262人。 数字だけ見ると「十数人の差」に見え ますが、330形は立席スペースを最大化 できるよう軽量化を徹底。 その結果、満車条件の輸送力では 300形より約100人多く運べる車両へと 進化しました。 座席も13席増え、快適性も向上して います。  さらに編成数そのものも大幅に増えまし た。 2019年は300形12編成・320形1編成 ・330形1編成の計14編成で、 1日約9万1千人を運んでいました。 2024年には 330形15編成、320形1編 成、300形4編成の計20編成体制 に拡大。 輸送力は編成数で1.4倍、定員数増を 加味した延べ定員では1.5倍に増強され、 約9万6千人の利用に対応しています。 「車両の改良」×「編成数の拡大」と いう“質”と“量”の両面で 混雑の大幅緩和を図りました。 小さな車体でこまめに走る――これが AGTの持ち味ですが、その弱点である 混雑にも丁寧に向き合い、 着実に改善してきたのが 日暮里・舎人ライナーの歩みです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

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  • コラム_11 | AGT研究所

    AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №11 群を抜いたAGTならではのスッキリ高架 2025/11/23  都市空間において鉄道や道路の高架構造は避けがたい存在ですが、その圧迫感や景観上の課題は常に議論の的となっています。近年は、駅前再開発や沿道整備において「高架下空間の活用」や「景観との調和」が重視されるようになりました。 AGT(Automated Guideway Transit)は、こうした都市の制約条件の中で、既存道路や河川上空などの限られた空間を有効活用する発想から誕生した新しい交通システムです。軌道の大部分が高架構造で構成されており、そのデザインは都市景観との親和性を考慮して設計されています。モノレールと並んで「空中交通システム」と呼ばれますが、実際に街中で見比べると、AGTの高架はひときわ軽やかでスッキリとした印象を与えます。本コラムでは、その理由を構造面から見ていきます。 1.鉄道の高架軌道下 在来鉄道や地下鉄延伸線などで見られる鉄道高架は、架線や電柱、レールを支える枕木・バラストが積み重なり、構造全体が重厚です。軌道桁も自重を支えるために厚みを増し、さらに防音壁が設けられると、地上から見上げた際に“連続した壁”のような印象を与えます。その結果、柱間隔は15メートル前後と密になり、高架下空間は薄暗く閉鎖的になりがちです。近年では耐震補強のための側壁や補剛材も追加され、圧迫感が一層増しています。 写真1 架線と電柱が林立する鉄軌道の高架 写真2 薄暗い鉄軌道の高架下 2. AGTの高架 一方、AGTの高架はまったく異なる構成をしています。架線や電柱が不要で、電力は車両床下の集電装置を通じ、走行路脇の第三軌条から供給されます。これにより、上部に余計な設備がなく、外観が極めてシンプルです。 写真3 スッキリ度の高いAGTの高架 さらに、ゴムタイヤで走行するため防振構造やバラストが不要で、走行路はコンクリート床板と同レベルか、高さ250ミリのコンクリート桁を使い分けています。構造重量は鉄道高架の半分以下で、柱の間隔もおよそ30メートルと広く取ることが可能です。柱が少ない分、地上部には光が届きやすく、街並みに開放感が生まれます。 また、軽量な構造、柱の本数が少ないゆえに基礎工事が小規模で済み、都市中心部でも施工期間を短縮できます。桁内部には電力ケーブルや信号線が収められており、維持管理時も高所作業を最小限に抑えられる設計です。走行音や振動も少なく、高架下を歩いても会話を遮るような騒音を感じにくい点も、AGTならではの特長です。 写真4 軌道下にも光が注ぐAGTの高架下 写真5 AGTの第三軌条 写真6 コンクリート走行路 3.モノレールの高架 AGTとよく比較されるのが跨座型モノレールです。コンクリート製の走行桁が2本並ぶ形は一見スリムですが、車両が桁の上にまたがって走る構造上、日本の標準の桁の高さ1.5メートルに対し柱間隔は20メートルとやや密になります。柱の数はAGTの約1.5倍。外観上は軽やかに見えても、都市景観への影響はむしろ大きくなる傾向があります。 写真7 モノレールの高架 写真8 支柱が林立するモノレールの高架下 国内のモノレールには非常通路が設置されていませんが、海外では多くの路線に設置が義務付けられています。写真にあるように非常通路付きの高架軌道の幅はかなり広がり、見た目、AGTの軌道幅とあまり変わらない感じです。 写真9 モノレールの非常通路 4.高速道路の高架 高速道路の高架はさらにスケールが大きく、幅員が20メートルを超える場合も珍しくありません。防音フェンスや照明ポールが並び、構造全体が閉じた印象を与えます。車両通過時の騒音・振動も大きく、高架下は歩行者が敬遠しがちな空間となります。これに対し、AGTの高架は幅約6メートル、高さ約1.5メートルと非常にコンパクト。外観上も整然としており、周囲の街並みを遮らない“細身の構造”が印象的です。 写真9 高速道路の防音フェンスと照明ポール 5.まとめ この「軽やかな高架」は、単なる構造上の違いではありません。AGTが都市交通として小断面・軽構造・静粛性を追求して設計された成果です。建築物や道路橋と調和するよう、桁形状や色彩にも配慮がなされ、橋脚や桁端部のデザインにも地域性を反映させる事例が増えています。 都市の中で“見せる高架”を実現している点こそ、AGTのもう一つの価値といえるでしょう。 ビルの谷間をすり抜けても圧迫感がない――。 そのスッキリとした高架こそ、AGTが都市景観と共存するための最適解であり、21世紀型の都市交通インフラの姿を象徴しています。 コラムi一覧へ戻る

  • 主宰プロフィール | Agt研究所

    AGT研究所(AGT Institute)の主宰者のこれまでの経歴を中心にプロフィールを掲載しています。 プロフィール 1974年 三菱重工入社 1996年 シンガポールの センカン・プンゴル LRT プロジェクトのプロジェクトマネージャーを務める。 Crystal Moverのブランド化を推進し、世界の主要ハブ空港向けAPM納入の基礎を作る。 2003年 日本連合7社(三井物産、三菱重工業、東芝、川崎重工業、三菱商事、丸紅、住友商事)から成る 台湾新幹線株式会社のエンジニアリングマネージャーを務める。 2009年 ゆりかもめ7300系などの新型AGT車両の開発を主導し、 AGT車両国内シェア 第1位への基礎を作る。 2021年 退社後、AGT研究所を設立

  • コラム_09 | AGT研究所

    AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_09では、日本のAGTの軌道と道路の関係について解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №09 AGTの軌道と道路の関係 2023/11/22 1.日本のAGTのルーツ 都会の道路の上方の空間を使って、地下鉄よりも少ないコストで高架専用軌道を建設するというコンセプトで開発されたのが日本のAGTです。 フランスのAGTは、地方都市の地下鉄を、トンネル径を小さくすることにより低コストで建設することをコンセプトとして開発され、レンヌ、トゥールーズ、リヨンの3都市に6路線の地下鉄が建設されています。 日本のAGT路線は、大きく分けて2種類の形態に分けることができます。 一つは、ポートライナー、六甲ライナー、ニュートラム、シーサイドライン、ゆりかもめ、ピーチライナーのような人工島や埋め立て地、そしてニュータウンなどと主要鉄道駅を結ぶ軌道系交通、もう一つは、酷い渋滞を引き起こしているバス路線を軌道系交通によって通勤通学の定時性、速達性を確保するための路線で、アストラムライン、日暮里・舎人ライナーがそれにあたります。 渋滞解消を目的とした路線は、渋滞を引き起こしている道路の中央分離帯に支柱を立ててその上に軌道が載っていますが、人工島や埋め立て地の路線は、道路だけでなく、公園や広場など総合的な都市計画に基づきルートが計画されているのが特長です。 2.実路線のパターン化とその割合 日本では廃線になったピーチライナーを含めて全部で11のAGT路線が建設されましたが、1985年開業の西武山口線は西武の遊園地、ゴルフコースに沿った路線であること、1983年開業のニューシャトルは新幹線と軌道構造を共有している点などからこの2路線は除外し、今回の検討の対象路線は全部で9路線としています。 軌道位置をパターン化すると、 1.自動車道の中央分離帯に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 2.自動車道の片方の歩道の外側に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 3.護岸工事がなされた川沿い、海岸沿いに柱を立て、その上に軌道を設置したもの 4.団地内、公園内、広場内に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 5.専用の高架橋をもつもの 以上5パターンで駅間軌道数を数え比較した結果を表1に示します。 対象9路線の全駅間数は99あります。そのうち中央分離帯に柱を立てて軌道を配置する(アストラムは3区間が地下)日本のAGTのコンセプトに沿った軌道は61あり、62%を占めます。その次に多いのが歩道脇に柱を立てて軌道を設置する方法で22%を占め、合計で84%が道路沿いに建設されていることがわかります。 3.渋滞解消を目的とした路線 2008年に開業した日本で最も新しいAGTである日暮里・ 舎人ライナーは、前述したAGTのコンセプト通りに、尾久橋通りの中央分離帯の上に柱を立ててその上に13駅、9.7㎞の高架軌道が敷かれています。荒川を渡る区間だけ、専用の橋を建設したので尾久橋通りからそれますが、それ以外はコンセプト通りです。 1994年に開業した広島のアストラムラインも、起点の本通駅から中筋駅までの10駅、7kmが祇園新道に沿って建設され、そのうち4駅が半地下を含む地下鉄、6駅が中央分離帯に柱を立ててその上に高架軌道を設置しています。 祇園新道を外れてからも、県道38号線上の上に高架軌道が置かれ、コンセプト通りの構造が続きます。 日暮里・舎人ライナーの尾久橋通りとアストラムラインの祇園新道は、長い間、朝晩の渋滞が激しく、バス便の定時性が問題となっていました。 AGTの開通により、酷い渋滞が解消され、通勤通学者にも定時性が確保されました。 4.人工島、埋め立て地の路線 1981年、日本初のAGT、ポートライナーは、三宮沖に建設された海上都市ポートアイランドの主幹交通として当初から計画に織り込まれていた路線です。 陸側の三宮駅と貿易センタービル間は国道2号線の中央分離帯の上に柱を立てた高架軌道ですが、島内はポートアイランド内の十分余裕をとった幹線道路沿いに緑地帯、自動車道、AGT高架軌道を横に並べた余裕のあるレイアウトにしています。 ニュートラムは、全9駅間のうち6駅間が自動車道路の中央分離帯に柱を立てた高架としています。コスモスクエア駅側の2駅分が歩道の外側で、ポートタウン西駅と東駅間が団地内を横切るルートとなっています。 1991年に開業し、2005年に廃線となった桃花台線も、約7割が中央分離帯上の高架軌道ですが、団地側の約3割の区間が歩道沿いの高架となっています。 1995年開業のゆりかもめの埋め立て地側は、中央分離帯上に高架軌道を設け、合理性を優先したレイアウトになっています。 5.道路と縁の薄い軌道 六甲アイランドの六甲ライナーの軌道は、起点の住吉駅から南魚崎駅間は、魚住川の川岸に柱を立てた高架軌道、島内は、細長い広場の中心に柱をたてて高架軌道と高架駅を建設し、道路と関連性の薄い路線が特徴的です。 横浜シーサイドラインは、道路沿い軌道の8駅間に対し、金沢八景側の5駅が海岸沿い2駅間、公園内3駅間と海との親和性の高い路線となっています。 6.まとめ 9路線のAGTの路線と道路の関係を見てきましたが、六甲ライナーを除き、基本的に日本のAGTは道路に沿って路線が計画されています。 ポートライナーは、2006年に神戸空港までの延伸が行われ、ゆりかもめも2006年に豊洲まで延伸されました。 このように、道路がある限りAGT路線は延伸が可能なシステムです。 コラムi一覧へ戻る

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