top of page

検索結果

このサイトを検索

256件の検索結果が見つかりました

ブログ記事(237)

  • なぜ「座席の生地」を変えるだけで電車の定員が増えるのか? ― グラム単位の軽量化が拓く輸送力強化

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なぜ「座席の生地」を変えるだけで 電車の定員が増えるのか? ― グラム 単位の軽量化が拓く輸送力強化 です。 臨海副都心エリアを走るゆりかもめでは 、国際展示場(東京ビッグサイト)での 大型イベント時やラッシュ時間帯におけ る輸送力の確保が常に大きな課題となっ ていました。 限られた車両サイズとタイヤの許容荷重 制限の中で、いかに安全に一人でも多く の乗客を運ぶか――その答えは、目に 見えにくい「ミリ単位・グラム単位の 軽量化」の積み重ねにありました。 従来の電車やバスの座席には、頻繁な 着席に耐える毛足の長い「モケット」 生地が長年使われてきました。 一方、自動車の座席にはしなやかで 吸湿性に優れた「トリコット」生地が 主流です。 ゆりかもめ7300系では、輸送力増強に 向けた車体軽量化の一環として、通勤電 車で初となるトリコット生地の採用に 踏み切りました。 1シートあたりの軽量化はわずかですが、 1両(20席以上)で約50kgの軽量化と なり、6両編成全体で約5人分の輸送力 アップを実現したのです。 ゆりかもめにおける軽量化へのアプロー チは、座席生地にとどまりません。 車体構造材料を従来のステンレスから アルミへと変更し、車量重量を約10.1 トン(69.6t→59.5t)の削り込みを行 いました。 こうした大掛かりな構造見直しに加え、 座席生地の変更に至るまで「爪に火を 点すような軽量化」を徹底的に積み重ね た結果、1編成あたりの定員を旧型車両 の722人から802人へと、実に80人 (約11%)も増加させることができた のです。 座席表皮の変更を含むこの軽量化アプロ ーチは、同じく過酷な混雑を抱える 日暮里・舎人ライナーの330形車両など にも引き継がれ、都市交通の混雑緩和に 貢献しています。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ電車の座席に「座っているだけ」で疲れるのか? ― トルソー角15度と背もたれが支える人間工学の進化

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 なぜ電車の座席に「座っているだけ」で 疲れるのか? ― トルソー角15度の 背もたれが支える人間工学の進化 です。 通勤や移動の際、せっかく電車の座席に 座れたはずなのに「なぜか身体が重く疲 れている」と感じた経験はないでしょう か。 実は、座っている最中も人間は無意識の うちに姿勢を保とうとしており、 その疲労感は「座席の背もたれの角度」 と深く関係しています。 椅子の背もたれの傾斜角は「トルソー 角」と呼ばれますが、人間工学的には 15度を境に体圧の分散具合が大きく変 わります。 トルソー角が15度未満の場合、体重の ほとんどが座面にかかります。 そのため、列車の加減速や走行中の横揺 れに対して姿勢を支えるべく、 腹筋や背筋などの筋肉が常に緊張と緩和 を繰り返し働き続けることになります。 一方、角度を15度以上に傾けると、 上体の体重が背もたれへ効果的に分散さ れます。 これにより座面にかかる負担が軽減され、 腹筋や背筋を休ませてリラックスした 状態を保てるようになります。 この「15度」のトルソー角を通勤列車 のロングシート配列でいち早く導入した のが、AGTの「ゆりかもめ」です。 ゆりかもめではトルソー角を15度に 設定するだけでなく、背もたれを バケット形状にし、高さを肩のあたり まで伸ばす工夫が施されました。 両肩を左右からしっかり受けることで、 走行時の横揺れによる上体のぶれを防止 し、安定感をさらに高めています。 この「トルソー角15度+肩まで支える 背もたれ」という設計思想は、現在では ニューシャトル2020系、日暮里・舎人 ライナー330形、アストラムライン 7000系、レオライナーL00系など、 多くのAGT車両へと広がっています。 これらの車両には、乗客の無意識の疲労 を少しでも和らげようとする隠れた ニーズに人間工学で応えようとする 設計者の取組があったのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なぜ「通り過ぎる巨大インフラ」にAGTを相乗りさせるのか? ― インフラ共存設計が拓く途上国への解決策

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なぜ「通り過ぎる巨大インフラ」に AGTを相乗りさせるのか? ― インフラ 共存設計が拓く途上国への解決策 です。 都市部を貫く高速道路や新幹線は、広域 の移動を支える重要なインフラである一 方、沿線住民にとっては「上空を通過 するだけで直接的な利便性を感じにくい 構造物」になりがちです。 しかし、これらの巨大構造物を計画する 段階から新交通システム(AGT)の軌道 を組み込んでおけば、限られた都市空間 と建設予算を最大限に有効活用できます 。 日本には、こうした「インフラ共存」の 具体例が数多く存在します。 例えば、阪神高速4号湾岸線と共存する ニュートラムは、高速道路を支える大型 橋脚がそのまま南港東〜ポートタウン東 間の軌道を同時に支える構造をとってい ます。 また、東北新幹線の高架に沿って走る ニューシャトルは、新幹線の高架柱から 突き出されたカンチレバー(片持ち梁) によって軌道が支えられています。 さらに、ゆりかもめもレインボーブリッ ジも上部に高速道路、下部にゆりかもめ の軌道とその両脇に一般道路と一体で 整備されました。 これらの共通点は、高架橋の柱や桁と いった最もコストのかかる構造物と用地 を共有している点にあります。 別々に高架を建設する場合と比べ、 独立した用地買収が不要となり、 構造物の基礎工事費も大幅に削減できま す。 独立したインフラとして建てるのでは なく、主要幹線と「最初からセットで 設計する」ことこそが、建設コストを 劇的に下げる最大の鍵です。 この「共存設計」というアプローチは、 急速な都市化に伴う深刻な交通渋滞と 財政難に直面する途上国において、 きわめて強力な解決策となります。 新たな高速道路や都市鉄道を計画する 際、最初からAGTの相乗りを前提と すれば、極めて少ない予算で沿線住民に 役立つ中量軌道交通を同時に整備する ことが可能です。 日本の都市交通が培ってきたインフラ 空間の高度利用手法は、世界の都市問題 を解決する持続可能なモデルとして大き な可能性を秘めています。 次回のAGTブログもお楽しみに!

全て表示

その他のページ(19)

  • コラム_04 | AGT研究所

    AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_04では、ゴムタイヤを用いるAGTについて、よくご質問をいただくころがり抵抗と消費電力の関係や交換頻度などについてご説明しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №04 ゴムタイヤ車両の特徴 2022/10/10 1.ゴムタイヤ車両の特徴 AGTは、鉄輪の代わりにゴムタイヤを用いることで低騒音、低振動を実現し、沿線の環境負荷が小さいという特徴を持ったシステムです。 2本のレールの上を走る鉄道車両は、直線区間は滑るように走りますが、 カーブでは、軋り音が発生してしまいます。 特に地下鉄では、地上の鉄道に比べ小さなカーブが多く、その分軋り音の 発生頻度と大きさが目立ちます。 昨今の感染症対策で開いた窓から軋り音が車内に入り込んできてその大きさがよくわかります。 振動についてもトラックなど一般道を走行する重量車両の振動は、直接沿線の建物に伝わりますが、AGTの場合は、高架軌道を支える構造物が振動を 吸収し、沿線の建物に与える影響は殆どありません。 2.AGTのタイヤ 日本のAGTの1車両の最大荷重は、18トンと決まっています。 車両の重量が約11トン、乗客の重量が約7トンです。 乗客の平均体重を60㎏とすると、1両に116人、6両編成で最大696人を運ぶことができます。 18トンの車両を4本のタイヤで支えるので、1本のタイヤが支える荷重は4.5トンとなります。 トラックやバスのタイヤの最大許容荷重は3トンですので、許容荷重4.5トンを必要とするAGT用タイヤには、AGT専用のタイヤが使われます。 3.タイヤのサプライヤー 日本では、このAGT用最大許容荷重4.5トン、最高速度毎時60キロメートルのタイヤを、ブリヂストン、横浜タイヤ、ミシュランの3社が供給しています。 海外では、最大許容荷重6トン、最高速度毎時80キロメートルのAGT用タイヤをミシュラン1社が独占的に供給しています。 日本のAGTの最大許容荷重は18トンですが、海外のAGTは24トンになります。 4.AGTの走行路 自動車が走る一般道にはアスファルト舗装が使われますが、AGTの軌道は一般道と違い同じ場所を同じ車両が往復しますので、アスファルト舗装では轍(わだち)ができて走行路面の基準が変化し、案内軌条や電車線の高さやホームの高さにも影響が出てしまうため、アスファルト舗装より耐圧、耐摩耗性が高いコンクリートが使われます。 コンクリートの走行路は、水はけをよくするのと、分岐部の転轍機のロッドを通すためにスラブから20センチメートルほど高く作られています。 5.タイヤの交換頻度 路線のカーブの多さ、坂の勾配の度合いや数に依りますが、日本ではタイヤを大体2年間で交換します。 日本のAGTは、例外もありますが1車両に2軸あるうちの1軸がモーターのある駆動軸、もう1軸がモーターのない従動軸となっています。 駆動軸のタイヤは摩耗して、だいたい1年で交換時期を迎えますが、従動軸のタイヤは1年間走行しても殆ど減りませんので、1年で駆動軸と従動軸のタイヤを交換し、2年もたせるのが一般的です。 海外のAGTは、1車両に2軸ある点は日本のAGTと同じですが、従動軸がなく、2軸ともモーターがついた駆動軸で、最高速度も毎時80キロメートル出ますので、約1年で4輪を交換しています。 6.タイヤのころがり抵抗 レールの上を走る鉄道車両は、駅を出て加速した後、モーターの供給電力を切ってしばらく惰性で走りますが、レールに比べころがり抵抗が大きいタイヤを用いるAGTは、モーターの供給電力を切ると速度が落ちてしまいますので、惰性運転が苦手です。 自動車が常にアクセルを踏んで惰性運転をしないのと同じです。   しかし、AGTの駅間距離は1キロメートル前後なので、最高速度まで加速すると、惰性運転をする間もなく減速するようになりますので、惰性運転が苦手なことは、問題になりません。 むしろ鉄道車両に比べAGT車両は大変軽量にできていますので、加速時やオフピーク時の消費電力が少なく、タイヤのころがり抵抗が大きいことは問題になりません。 逆にAGTはころがり抵抗の大きいタイヤを用いることで、鉄道では登れない急な勾配を難なく上り下りすることができます。 7.タイヤのパンク AGTの軌道は専用軌道ですので、釘を踏んでパンクするようなことはありませんが、タイヤ内部には空気の代わりに窒素を充てんして腐食対策に気を使っています。  AGTのタイヤの内部には中子という金属のリングが組み込まれていますので、万が一パンクが起こっても、車体の沈み込みの量を僅かにして、走行が続けられるようになっています。 タイヤ側と軌道側にパンクを検知するセンサーが取り付けられているので、パンクを検知すると、速度を落として駅で乗客を降ろし、車両を車両基地まで戻す運用をしています。  8.まとめ 世界には、AGTやAPM以外に札幌地下鉄の車両のようなゴムタイヤ地下鉄が、30路線、車両数が約6,300両ありますので、タイヤメーカーが1社でも、リーズナブルな価格で供給されています。 ゴムタイヤを用いるAGTは、発生騒音・振動の低さ、消費電力の少なさで、 とても環境負荷の小さいシステムです。 コラムi一覧へ戻る

  • コラム_07 | AGT研究所

    AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_07では、日本のAGTの3つの路線パターンについて解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №07 AGTの路線パターン 2023/5/16 1.AGT大国、日本 日本には1981年に運行開始したポートライナーを筆頭に、 2008年の日暮里・舎人ライナーに至るまで、全部で10のAGT路線があり、毎日58万人(2019年統計値)を超える人々が利用しています。 日本の次にAGTの路線が多いのはフランスです。リール市、トゥールーズ市、レンヌ市に6つのAGT路線があり、毎日約30万人が利用しています。日本のAGTは、路線数、利用者数共に2位のフランスを大きく離し、世界ナンバーワンで、日本はAGT大国といえます。 2.3つの路線パターン 日本のAGTの路線のパターンは大きく分けて3つのパターンに分けられます。 一つ目は、鉄道の主要駅から郊外に延びる路線です。 二つ目は二つの異なる鉄道路線の駅をつなぐ路線です。 三つめは、鉄道の主要駅から出て周辺を巡ってまた同じ駅に戻る団地の循環バスのような路線です。 3.支線 1つ目の路線パターンは、主要駅の鉄道を本線とすると「支線」という言い方をされるものです。 鉄道の主要駅を基点として、新しく開発された地域の主要交通手段を担う働きをしています。 運行開始が早い順にご紹介しますと、1981年開業のポートライナーは、8.2km、12駅、毎日の利用者は約8万人の路線です。 神戸の中心にある三宮駅を起点とし、神戸の海を埋め立てて造ったポートアイランドの主要交通機関です。 ポートアイランドには、4つの大学のキャンバスや、先端技術研究所、先端医療施設などがあり、ピーク時間帯は26本、オフピーク時間帯でも15本の列車が三ノ宮駅を発着しています。 写真の赤い橋は、六甲山麓にある神戸とポートアイランドを繋ぐ神戸大橋です。 支線の2つ目は1983年開業のニューシャトルで、12.7km、13駅、毎日の利用者は約5万2千人の路線です。 1日の利用者数が20万人の大宮駅を起点とし、埼玉県のなかでも人口増加の多い新興住宅地の主要交通機関です。 ニューシャトルは 写真に見られるように東北新幹線、上越新幹線の軌道脚を利用した構造に 特徴があります。 支線の3つ目は、1990年開業の六甲ライナーで、4.5km、6駅、毎日の利用者は約3万5千人の路線です。魚崎駅で阪神本線とも接続しています。 ポートライナーの起点の三宮駅から東に約7㎞離れた住吉駅を起点とし、海を埋め立てて造られた六甲アイランドの主要交通機関です。 AGTの高架軌道は、近代的な建物、街並みによくフィットしています。 支線の 4つ目は、1994年開業のアストラムラインで、18.4km、22駅 、毎日の利用 者は約6万6千人の路線です。 広島の本通駅を起点とし、再急勾配4.5%の急坂を登りながら広島市の北西部に広がる台地の住宅街の主要交通機関です。 新白鳥駅で山陽本線と、大町駅で可部線と接続しています。 日本最長のAGT路線であり、更に5.9%勾配のある7.1㎞の延伸を計画しています。 支線の5つ目は、2008年開業の日暮里・舎人ライナーで、9.7km、13駅、毎日の利用者は約9万1千人の路線です。 日暮里駅を起点とし、埼玉県との県境までの住宅地を通る路線で、西日暮里で東京メトロ千代田線、JR山手線、京浜東北線、宇都宮線と、熊野前駅で都営荒川線と接続しています。 日暮里・舎人ライナーが建設された尾久橋通りのバス路線は、激しい渋滞により通勤、通学時間が不規則で時間がかかっていましたが、AGTの運行開始により正確な運行時間と通勤時間短縮をもたらしました。 4.接続線 二つ目の路線パターンは、二つの異なる鉄道路線の駅をつなぐAGT路線です。 この路線パターンは、両端が鉄道駅と繋っていて、沿線には、大規模団地、工業団地、商業ビルなどが集まり、鉄道駅間の地域の価値を高めています。 まずは、1981年開業の南港ポートタウン線があげられます。 中央線のコスモスクエア駅と四ツ橋線住之江公園駅を結ぶ7.9km、10駅、毎日の利用者が約7万4千人の路線です。 コスモスクエア駅側には貿易センターを中心とするビジネスエリア、住之江公園駅側には工業団地、中間には南港ポートタウンの住宅団地が組みあわされており、朝のピーク時間帯は、地域から出る人々と地域に働きに来る人で上下線とも混雑する路線です。 接続線の2つ目は、1985年開業の西武・山口線です。 西武鉄道多摩湖線終点の多摩湖駅と狭山線終点の西武球場前駅を結ぶ2.8km、3駅の路線です。中間は西武園遊園地となっています。西武球場で試合やイベントが開催されるときは満員の乗客を運びます。 接続線の3つ目は、1989年開業の横浜シーサイドラインです。 JR京浜東北線の新杉田駅と京浜急行の金沢八景駅を繋ぐ10.8km、14駅、毎日の利用者が約5万2千人の路線です。 路線の南側には工業団地、北側には住宅団地が広がり、朝のピーク時間帯は地域から出る通勤通学の人々と地域に働きに来る人で上下線とも混雑する路線です。 接続線の4つ目は1995年開業のゆりかもめです。 新橋駅と有楽町線の豊洲駅を繋ぐ14.7㎞、16駅、毎日13万人が利用する路線です。 汐留駅で都営地下鉄大江戸線と、有明駅で臨海線と接続しています。 お台場の観光スポットや東京ビッグサイトを訪れる人の利用が多く、定期券利用者より、正規料金の収入が多い路線です。 片方が鉄道駅ではありませんが、三宮駅を起点とする支線としてご紹介したポートライナーは、神戸空港とつながっていて接続線の一種とも言えます。 5.循環線 三つ目の路線パターンは、鉄道の主要駅から出発して団地内を一周して元に戻るという循環バスのような路線です。 まずは、1983年開業のユーカリが丘線です。 京成線のユーカリが丘駅を起点とする単線4.1km、6駅、毎日の利用者が約2千人のコンパクトでシンプルな路線です。 2つ目は、三宮駅を起点とする支線としてご紹介したポートライナー線です。 市民広場駅で分岐し、島内を巡り三ノ宮駅に戻るという6.4km、9駅の一部単線区間を含むルートです。 国内では数の少ない循環路線ですが、バスに比べ時間が正確な点、信号待ちがないので早く目的地に着く点などが評価され、シンガポールでは ブキットパンジャン、 センカン、 プンゴル の3つの高密度の大団地の質の高い公共交通を担っています 6.まとめ 以上、支線パターンが5路線、接続パターンが4路線、循環パターンが2路線(ポートライナが重複)をご紹介しましたが、これらは、開業後に延伸工事を行った後の現在の姿による分類です。 延伸工事前のオリジナルの状態では、支線パターンが南港ポートタウン線とゆりかもめの2路線を加えた7路線、接続線パターンが西武山口線と横浜シーサイドラインの2路線と圧倒的に支線パターンが多いシステムでした。 それが、その後の延伸によって接続線に進化し、利便性を高め、乗客数を伸ばしています。 現在支線パターンとなっているアストラムラインも将来、JR山陽本線の西広島駅への延伸によって接続線パターンになる予定です。 このようにAGTの路線に延伸が多いのはAGTが、道路さえあれば延伸工事が可能な点が大きな特徴のシステムであることを実証しています。 コラムi一覧へ戻る

  • コラム_08 | AGT研究所

    AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_08では、AGTの日本国内の単線路線の特徴を事例を交えてご紹介します。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №08 AGTの単線路線 2023/8/2 1.日本の単線AGT路線 10路線ある日本のAGTのなかで、ユーカリが丘線と西武山口線の路線が単線軌道で、残りの8路線が複線軌道です。 8つの複線路線のなかには、ニューシャトルとポートライナーのように複線と単線が混じっている路線があります。 ユーカリが丘線と西武山口線は、1日の利用者が2千から3千人の小規模な路線で、単線でも十分、需要を満足させることができています。 ユーカリが丘線の路線は、ラケット型をしていて、柄の付け根の部分にあたる公園駅で車両が行違うようになっています。 西武山口線の路線は、両終点駅を車両が同時に出発して、中間の信号所で行違うようになっています。 一方、ニューシャトルは、大宮寄りの9駅間が複線で、残りの4駅4.5kmが単線の組み合わせになっています。 単線の4駅全てが行違い可能駅になっており、ゴムタイヤを使ったAGTの加減速の良さを生かして駅間を全速力で走り、複線にも引けを取らない輸送力を得ています。 ポートライナーは、市民公園駅から中埠頭駅を通って中公園駅に戻る3駅2.6kmが単線軌道になっています。 ポールとその先端の旗のような形をしたポートライナーの路線は、旗の部分が単線で、ポールの部分が複線という組み合わせになっています。 中公園駅前の単線と複線の接続部は単線軌道が複線軌道を乗り越えてから複線軌道に合流するという、きついカーブと勾配の組み合わさったAGTならではの線形です。 2.単線・複線混合路線 さほど多くない輸送量に見合ったユーカリが丘線や西武山口線の単線路線は、軌道構造もAGTで一般的な高架軌道ではなく地上軌道で建設され、建設と運営・保守のコスト低減が徹底されています。 それに対し、ニューシャトルやポートライナーの単線・複線混合路線は、一部に単線区間を用いながら、全線複線路線にひけをとらない輸送量を確保するための工夫がなされています。 新幹線の軌道を離れ、独自の軌道となっているニューシャトルの丸山と終点の内宿の間の単線区間は、開業時に路線の末端側の沿線開発が進んでいなかったため、建設費や路線保守費の負担低減のために単線とした路線ですが、駅間距離を1.1キロメーターに揃え、全駅で行違いができるようになっていて、ピーク時間帯とオフピーク時間帯で運転間隔が異なるのを、行違い箇所を変えて調整することができるようになっており、将来の輸送量増大の対応が可能になっています。 複線区間の新幹線軌道を利用した軌道構造といい、単線区間の輸送力の高さといい、ユニークさでは群を抜いています。 延伸計画が公表されているアストラムラインも、6駅7.1kmの延伸部を単線とする計画です。 懸垂型モノレールの湘南モノレールは、8駅6.6㎞の全線単線の路線ですが、行違い可能駅が全体の半分の4駅あり、7分間隔で1日3万人を余裕で運んでいます。 ポートライナーの単線が通る地域は、普通ですと路線バスによってカバーされますが、ポートライナーでは、単線を敷設して、輸送需要に応じた車両を単線区間に回すことで、建設費や路線保守費の負担軽減と住民の利便性を両立させる調整が可能になっています。 今回ご紹介した4つの単線路線のうち3路線は運転士によるマニュアル運転ですが、ポートライナーは全自動無人運転です。 たとえ有人運転であっても、ATCによって正面衝突などの事故が起こることはありませんが、地上軌道のユーカリが丘線や西武山口線は無理としても、全線高架軌道のニューシャトルは、全自動無人運転化が比較的簡単に可能です。 また、現在有人運転となっているアストラムラインも、地下鉄区間を除き、全自動無人運転化が可能です。 3.まとめ ニューシャトル型の単線は、AGTの加減速の良さを生かし、複線並みの輸送力の確保を狙ったもので、広島のアストラムラインの延伸路線計画に影響を与えています。 湘南モノレールの実績から明らかのように、毎日の利用者が3万人程度の路線であれば、低コストで建設、運営が可能な全自動無人運転の全線単線のAGT路線が可能です。 ポートライナー型の単線は、幹となる複線の周辺に輸送需要の多い地域があった場合、AGTの小カーブと急勾配に強い特徴を生かした複雑な軌道形状を用いて、複線の任意の位置から単線軌道を分岐し、また任意の位置で複線に合流させることで定時性、速達性、安全性の揃った高いクオリティの輸送サービスを住民に提供することが可能です。 将来、ポートライナー型の単線の既存路線への適用提案ができればと考えています。 コラムi一覧へ戻る

全て表示

© 2022 AGT研究所

bottom of page