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190件の検索結果が見つかりました

  • 静けさに気づいたとき、AGTの良さが見えてくる

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 静けさに気づいたとき、AGTの良さが 見えてくる です。 夜、家の床がかすかに震える──。 子どもの頃、私の実家は東京都大田区の 品鶴線(ひんかくせん)沿いにありまし た。線路から100メートルほど離れて いたにもかかわらず、夜になると通過 する貨物列車の振動が床を通じて伝わっ てきたのを、今でも覚えています。 出展:Google Earth 当時の鉄道は、今と違ってレールに 継ぎ目があり、車輪が通過するたびに 「ガタン、ゴトン」と音と振動を発して いました。最近では、レールを長く溶接 して継ぎ目をなくす「ロングレール化」 が進み、騒音や振動はずいぶん軽減され ています。 そしてAGTは、そもそも構造的に 「静けさ」に優れた交通システムです。 高架軌道が主体でありながら、最高速度 はおよそ60km/h。高速道路を100km/h で走るトラックや、速達性重視の鉄道に 比べると、走行中の騒音・振動は格段に 低く抑えられています。 たとえば、日暮里・舎人ライナーの 沿線には低層住宅街が広がっていますが、 夜間騒音や振動に関する環境基準を 難なくクリア。都市の中を走る公共交通 として、まさに理想的な静かさです。 「AGTって、案外静かなんだね」 そう感じるのは、実際に乗ってみたり、 沿線に住んでみたりしたとき。 派手さはないけれど、都市の暮らしに やさしく寄り添う──AGTのそんな 一面に、もっと注目が集まってもいい のかもしれません。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 冷風が瀑布のように降り注ぐ? ゆりかもめの天井がすごい

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 冷風が瀑布のように降り注ぐ? ゆりかもめの天井がすごい です。 夏の暑い時期にAGTのゆりかもめに乗っ ていて「なんとなく快適」と感じたこと はありませんか?  その心地よさの秘密の一つが、「エアー フローアーチ」と呼ばれる空調設計です。 通勤型の鉄道車両では、天井中央に空気 の吸い込み口があり、車内両側の照明の 横から冷気が吹き出すのが一般的です。 吹き出し口は下を向いており、座って いる人と立っている人の間に冷風が落ち るよう設計されています。 一方、AGTでは天井が低いため、同じ 方法では立っている人の頭に冷気が直撃 してしまいます。そこで、初期のAGT 車両では、車端から中央へ冷風を送る 方式が採用されました。 特に、中央にドアのあるワンドアタイプ の車両では、混雑しやすいドア付近を 効率的に冷やせると好評でした。 しかし、ゆりかもめのようなツードア タイプの車両では状況が異なります。 ドアが前後2か所にあるため、車両中央 は座席エリアになります。 その真上に冷気が集中してしまうと、 「寒すぎる」といった声が乗客から寄せ られるようになりました。 この課題に対し、ゆりかもめの第2世代 車両「7300系」では、新たな冷風の 流し方が模索されました。 最終的に採用されたのが、車両全体に わたる長いダクトから、側面に設けた スリットを通じて冷気を緩やかに放出す る方式です。これにより、天井の低さに よる冷風の直撃を防ぐことができました。 さらに、ダクトから噴出された冷気を 一旦、荷棚で受け、その前縁から下に 流れるように工夫されました。 まるで瀑布のように荷棚から床へと 冷気の流れが車内で起こっているのです。 このような独特の冷気の流れを生み出す 空調設備が、いくつもの曲率のカーブを 組み合わせた優しい雰囲気を醸し出す 天井の中に組み込まれ、エアーフロー アーチと名付けられています。 このエアーフローアーチは、 ツードア車両だけでなく、 広島のアストラムラインに導入された 第2世代車両「7000系」にも採用されて います。 ワンドアタイプの車両であっても、 乗客の快適性向上という点で、 その効果が認められたのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 小さいけど広い“不思議な乗り物、AGT”

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 “小さいけど広い“不思議な乗り物、AGT” です。 「AGTって、なんだか狭そう」そんなイメージを 持っている方、多いのではないでしょうか。 たしかに、AGTは一般の電車より車両が短く、 かわいらしいサイズ感が特徴です。 ですが、実際に中に入ってみると、意外にゆったり していて驚かれる方も少なくありません。 例えば東京の「ゆりかもめ」。その車内の幅は、 東京都営大江戸線や横浜市営グリーンライン、 大阪の長堀鶴見緑地線、神戸市営海岸線などとほぼ同じ。 これらはいずれも“リニア地下鉄”と呼ばれる路線で、 建設費を下げるためにトンネル径を小さくしますので、 従来の電車よりも車両幅を狭くしています。 ゆりかもめ 東京都営大江戸線 横浜市営グリーンライン 一方、最新のAGTは、車体の下にある「台車」の設計 が進化したおかげで、従来より100ミリ(10センチ) も車体幅が広くなりました。 そのため、なんと京都市営地下鉄東西線などより AGTの方が幅広、という逆転現象も。 “小さいけれど、広い”。AGTは、そんな不思議な 魅力をもった乗り物なのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 地上も走るAGT?-高架だけじゃない新交通の可能性

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 地上も走るAGT?-高架だけじゃない新交通の可能性 です。 「AGTは高架を走る乗り物」――そんなイメージを お持ちの方も多いのではないでしょうか。実際、日本の AGTの多くは高架構造を採用しています。しかし、 AGTは必ずしも空中を走るとは限りません。 たとえば、広島のアストラムラインは市街地を地下で 通過する区間を持ちます。さらに、地下でも高架でも ない「地上軌道」のAGTも、実は存在します。 代表的なのが、西武鉄道の山口線(レオライナー)です。 日本で5番目に開業したAGT路線で、全長2.8kmの すべてが丘陵地に敷かれた地上軌道。わずか3駅の短い 路線ながら、多摩湖線の終点「多摩湖駅」と狭山線の 終点「西武球場前駅」を結ぶ重要な交通手段です。 西武ドームで試合やイベントがある日は、満員の乗客を しっかりと運びます。 国外にも注目例があります。フランス・パリのオルリー 空港と鉄道駅をつなぐAGT路線は、ほぼ全線が緑の草原 を走る「地上型」。その風景は爽快そのもので、空港 アクセス路線でありながら自然との一体感も感じられる 構成です。 このような地上軌道型のAGTは、建設費を大幅に抑えら れるという利点があります。高架橋や地下トンネルを 使わず、起点付近のみ必要最低限の立体交差構造に しておけばよいため、特に広い土地が確保しやすい 郊外や地方都市では現実的な選択肢になります。 たとえば、地方空港で今はバスしか選択肢がないような 場所でも、地上型AGTを導入することで、移動時間の 短縮や運行の正確性が向上し、利用者の満足度や空港の 利便性向上につながる可能性があります。 AGTは高架専用ではありません。地上でも、地下でも、 地域の事情に合わせて自由に構造を選べるのがAGTの 強みなのです。これからのまちづくりに、柔軟な足とし てのAGTが活躍する場面は、さらに増えていきそうです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 坂道が節電に?ゆりかもめの「省エネ軌道」

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 坂道が節電に? ゆりかもめの 「省エネ軌道} です。 東京・湾岸エリアを走る「ゆりかもめ」 は、1日13万人が利用する日本屈指の 新交通システム(AGT)です。 この路線には、あまり知られていない “エネルギー節約の工夫”が隠されて います。 それは「坂道」。実は、ゆりかもめの 各駅は、駅間の軌道よりも高い位置に 設けられており、駅の出入り口には 約30パーミル(1000m進んで30mの 高低差)の坂道が存在します。 電車は駅を出発する際、まずこの下り坂 を活かして加速します。 重力の力を借りることで、モーターの力 を抑え、省エネになります。 そして次の駅では、今度は上り坂を登り ながら減速。 ブレーキに頼らずに自然にスピードを 落とせるため、制動時のエネルギーも 抑えられるのです。 この「ジェットコースター型」の 軌道設計のおかげで、ピーク時は3分間隔 、オフピークでも5分間隔という高頻度 運転にもかかわらず、動力にかかる電力 を抑えることができています。 重力を味方につけた、静かなるエコ技術。 ゆりかもめの裏側には、そんなスマート な工夫があるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 「快適な座り心地は文化の鏡?」──布製シートが消えるとき

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 「快適な座り心地は文化の鏡?」 ──布製シートが消えるとき です。 日本では、電車やバスに乗って布製以外 のシートにお目にかかることはまずあり ませんが、海外ではそうでないことが 多く面食らうことがあります。 日本の公共交通では、クッション材を 厚手の布「モケット」で包んだ 布製シートが主流ですが、近年は 自動車でも使われる薄手でさらっとした 「トリコット」も使われるようになって います。 この布製シート、実は見た目以上に 大事な役割を果たしています。 座ったときに衣服としっかり密着して 滑りにくく、安定した座り心地が得ら れるのです。 私も一度、革張りの豪華な観光バスに 乗ったことがありますが、つるつると 滑って体に力が入り、かえって疲れて しまいました。 一方、海外ではFRPやステンレスなど 硬くて冷たい素材のシートが使われて いることも珍しくありません。 これは、残念ながら器物破損(ヴァンダ リズム)への対策として、壊されにくい 素材が求められた結果です。 けれど、乗る人が公共物を大切に扱う 文化が根付いていれば、本来なら座り 心地の良い布製シートを維持できるはず です。 移動の快適さは、単に設備の性能だけ でなく、それを使う私たちのマナーや 意識にもかかっている――そう感じた 一件でした。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • なんでドアの数が違うの? AGTにワンドア車とツードア車がある理由

    AGT研究所の増川です。AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は なんでドアの数が違うの?  AGTにワンドア車とツードア車がある 理由 です。 ゆりかもめに乗っていたら、「あれ、 ドアが2つある」と気づいた方もいる かもしれません。実は、AGTには、 ワンドア車とツードア車の2タイプが あるのです。でも、なぜそんな違いが あるのでしょうか? 現在、日本のAGTでは、ゆりかもめと 日暮里・舎人ライナーがツードア車を 採用しており、それ以外(横浜シーサイ ドライン、六甲ライナー、ポートライナ ーなど)はワンドア車です。 最初にツードア車が登場したのは、 1995年に開業した「ゆりかもめ」。 それまでの限界寸法を遵守しながらも、 車体を少し大きくし(幅2.3m→2.5m、 長さ8m→8.5m)、車内の容積を約15% 増やしました。同時に、ドアも片側1か所 から2か所に増やしています。   ドアが増えると、ラッシュ時の乗り降り がスムーズになり、駅での停車時間が 短くなるため、ダイヤの乱れが起き にくくなるというメリットがあります。 また、ドア周辺の立ち席スペースが 増えることで、輸送力も向上します。 AGTの新路線計画があったら、 輸送力に余裕のあるツードア車が 選ばれる可能性が大きいと思いがち ですが、実はそうとも限らないのです。 ドアはAGTにとってトラブルの原因に なりやすい箇所。急いで飛び乗ろうと する人と接触したり、キャリーバッグが 挟まったりすることで故障が発生する ことがあります。特にAGTは無人運転で あるため、駅係員の対応なしに復旧する には時間がかかり、定時運行に支障が 出やすくなります。 そのため、あえてトラブルのリスクを 減らすためにワンドア車を選ぶという 考え方もあるのです。 輸送力を優先すればツードア車、 安全・信頼性を重視すればワンドア車—— という選択が、運行事業者の間で検討 されているようです。 無人運転というAGTならではの特性が、 こんなところにも影響しているのですね。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 日本のAGTが変える空港APM――仁川空港

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 日本のAGTが変える空港APM――仁川空港 です。 世界の空港ランキングで常に上位に名を 連ねる韓国・仁川国際空港。その利便性 の裏に、日本のAGT技術が大きく貢献して いることをご存知でしょうか。 2008年、仁川空港では第1ターミナルと コンコースAを結ぶ全長0.9kmのAPMが 地下に導入されました。 この路線に採用されたのが、三菱重工製の 「クリスタルムーバー」です。 3両編成の車両がシャトル運転を行って いましたが、2018年には、韓国の宇進 産電が製作した車両を増結し、4両編成・ 定員272と輸送量アップを図っています。 2018年には第2ターミナルの開業に伴い、APMはコンコースから1.5km先まで延伸。搭乗ゲートは計111に増え、世界有数のハブ空港としての地位をさらに強固なものとしました。 出展: https://www.airport.kr/pa/ja/a/index.jsp この延伸部のAPMは韓国の宇進産電が 供給しました。 宇進産電はこの経験をもとに、インドネ シアのスカルノハッタ空港のAPMも供給 しています。 国際空港向けAPM市場では、三菱重工と ボンバルディアによる二強体制に、韓国 の宇進産電が新たに加わり、競争がます ます激化しています。 三菱重工は、長年にわたる運行・保守の 実績を武器に、技術と信頼性で競争他社に 挑んでいます。 空港の“動脈”を担うAPM市場が、今後 どう進化していくのか注目されます。 次回のブログもお楽しみに!

  • 空気を運ぶ時間こそ差がつく! AGTの軽さが生む省エネ効果

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 空気を運ぶ時間こそ差がつく! AGTの軽さが生む省エネ効果 です。 ゆりかもめの現行車両7300系、 7500系は、一次車に比べて1割近くの 軽量化が図られた車両で、コミケなどの ビッグイベントに押し寄せる大量の乗客 を余裕でさばけるようになっています。 AGTは、ゴムタイヤで走るシステムです。 4本のゴムタイヤで満員の乗客と車体を 支える必要があります。  そのため鉄道車両に比べて車両長を短く して全体重量がタイヤの許容値以内に 収まるように計画されます。 一方、鉄道車両は、踏切でトラックと 衝突しても運転士と乗客が受ける ダメージを最小にするために、 車体の前面を頑丈に補強していますので、 その分、重量が重くなります。 AGTには“踏切”が存在しません。 無人運転を前提としているため、 車両前面をトラックとの衝突に備えて 頑丈に作る必要がなく、結果として 車体をさらに軽くすることができます。 また、鉄道車両のように20m近い長さ ではなく、AGTの車両長はおおよそ半分 程度。そのぶん車体中央部のたわみも 小さくなり、補強を最小限に抑えること が可能です。 たとえば、リニア地下鉄の車両が 1両あたり約25トン(16.5m) であるのに対し、ゆりかもめの車両は 約11トン(8.5m)。長さあたりで見る と、AGTの方が約15%も軽くなっていま す。 そしてこの「軽さ」は、省エネルギーに もつながります。特に乗客が少ない 時間帯、いわゆる「空気を運ぶ」時間帯 では、 重い車両ほど電力消費が増える た め、軽量なAGTの方が 環境負荷が小さい という利点もあるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 天井に隠れた扇風機-ラインフローファンの話し

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 天井に隠れた扇風機-ラインフローファン の話し です。 鉄道博物館などで昔の車両に乗ると、 天井に丸い扇風機が回っていて、 どこか懐かしい気分になります。 今では車内に扇風機を見かけることは ほとんどありませんが、実は 「姿を変えて」今も通勤電車の多くで 活躍しているのです。 その正体は「ラインフローファン」。 天井に埋め込まれた細長い送風機で、 車内の空気を吸い込み、 再び吹き出すことで空気を循環させて います。 吹き出し口には首振り機構があり、 立っていると周期的に風が当たり、 まるで家庭用扇風機のように 涼しさを感じさせてくれます。 AGTでは、天井と屋根の間にあまり空間が 取れず、長らくこのラインフローファンを 設置できませんでした。しかし、技術の 進歩により、ついに「薄型のラインフロー ファン」が開発され、ゆりかもめ7500系 で初めて導入されました。 猛暑の日、汗だくで車内に飛び込んだとき にふっと感じるあの涼風―― 実は天井の「隠れた扇風機」がもたらして いるのです。 AGT車内の快適さを向上させる、 見えない工夫のひとつです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 軽さが命!AGTが「素材」にこだわる理由

    私たちが目にするAGTの車両。 その「車体の材質」が何でできているか、 気にしたことはあるでしょうか。 実はこの材質の選択には、AGTならでは の理由があります。 AGTの車両は、鉄道のような鉄の車輪 ではなく、ゴムタイヤを使います。 このゴムタイヤは、鉄輪に比べて耐えら れる重さ(許容荷重)が小さいため、 車両全体をできるだけ軽く作る必要が あります。 つまり「軽さ」は、AGT車両の最重要 条件のひとつなのです。 第1世代のAGTでは、スチール(鋼鉄)製、 ステンレス製、アルミ合金製の3種類が 使われていました。 スチールはコスト面で有利ですが重く、 また腐食しやすいためメンテナンスの 負担も大きい素材です。 一方、アルミ合金は軽量で腐食に強く、 AGTの用途に適しています。ステンレス はアルミ合金より重いものの、強度が 高く耐久性に優れるため、軽量化技術の 進展により採用が増えていきました。 技術の進歩により、やがてAGT車両は アルミ合金製かステンレス製に二分され ていきます。 たとえば、アストラムラインでは、 1994年に導入された一次車6000系は スチール製でしたが、長年の使用による 腐食対策や輸送力向上の必要性から、 2025年5月にはアルミ合金製の7000系 へ全面的に置き換えられました。 これにより、スチール製車両は完全に 姿を消すことになりました。 また、日暮里・舎人ライナーでは、 ステンレス製の320形と、より軽量な アルミ合金製の330形という2種類の 第2世代車両が製造されました。 最終的には、より多くの乗客を運ぶ ことができる軽量な330形が混雑対策の 切り札として選ばれ、2025年1月に 15編成すべてがアルミ合金製車両に 置き換えられました。 320形ステンレス製車体 330形アルミ合金製車体 現在、日本国内のAGT車両のうち、 約7割がアルミ合金製、約3割がステン レス製という構成になっています。 スチールはコスト面で有利だったものの、 AGTに求められる「軽さ」「耐腐食性」 の条件を満たせなかったため、 選ばれなくなってきたのです。 材質の違いは、見た目では分かりにくい かもしれませんが、メンテナンス性、 さらには輸送力にも関わる重要な 選択です。 私たちの目に映る車両の背後には、 こうした合理的な技術判断があるのです。 次回のAGTブログもお楽しみに!

  • 中間サイズの輸送システム、その正体とは

    AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回とり上げる話題は、 中間サイズの輸送システム、その正体 とは です。 通勤や通学など私たちの生活を支える 公共交通機関に「中間サイズ」の輸送 システムがあるのをご存じでしょうか? 鉄道が大量輸送、バスが少量輸送を担う のに対し、AGT(新交通システム)は その「中間」に位置する中量輸送システ ムです。AGTのほか、モノレールやLRT (次世代型路面電車)も中量輸送システ ムに含まれます。 日本における毎日のAGT利用者は、 規模の小さいユーカリが丘線と西武山口 線を除いた8路線合計で約50万人です。 特に「ゆりかもめ」の利用者数は12万人 に達します。 1路線あたりの平均利用者数は約6.3万人。 これを運ぶにはバスでは規模が足りず、 鉄道では過剰になる――まさにAGTが 最適な選択です。 さらにAGTには、運転士が不要という 大きな特徴があります。これにより、 運行コストを抑えつつ柔軟な運行が可能 になり、多くの路線が単年度黒字経営を 実現しています。これは、同規模の利用 者数を抱える東武日光線、西武多摩湖線、 今里筋線、神戸海岸線などの鉄道路線が 苦しい採算状況にあるのと対照的です。 次回のAGTブログもお楽しみに!

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