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日本のAGTはなぜ「乗り心地が良く経済性が高い」のか?―台車方式の違いから見える設計思想―

  • agtinstitute21
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分
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AGT研究所の増川です。

AGTブログへ、ようこそ。


今回取り上げる話題は

日本のAGTはなぜ「乗り心地が良く

経済性が高い」のか?

―台車方式の違いから見える設計思想―

です。



新交通システム(AGT)は世界各地に

ありますが、その「足もと」である

台車の構造には、国ごとの考え方の

違いがはっきり表れています。

実は、この違いこそが乗り心地や

経済性を大きく左右しています。

たとえば、アメリカで1971年に

登場した最初のAGT、ウエスティング

ハウス社のAPMは、中央に1本の

ガイドレールを置き、それを両側の

案内輪で挟む「センターガイド方式」。



一方、ヨーロッパではガイドレールを

左右に設けて案内輪を常に密着させて

走る「サイドガイド方式」が主流です。

安定感は高いものの、摩耗や抵抗が

大きく、電力消費や保守コストがかさむ

傾向にあります。



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ところが日本のAGTは、同じサイドガイ

ド方式でも発想がまったく異なります。

直線区間では案内輪がガイドレールに

密着せず、数ミリのすき間をあけたまま

走行するように設計されています。

路面の凸凹などでタイヤがわずかに

斜めを向いても、自らまっすぐ進もうと

するタイヤのもつ「セルフアライニング

トルク」という性質により、レールに

触れずに安定して直進するのです。


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この「なるべく触れず、必要なときだけ

支える」という繊細な思想が、

摩耗を抑え、ガイドレール調整の手間を

減らし、省エネと長寿命を実現していま

す。


モノレールのようにゴムタイヤの

案内輪を常時コンクリートガーターに

押し付けて走る方式では高速走行時に

左右の揺れが生じやすいのに対し、

日本のAGTは、高速でもしなやかで

静かな走りが特徴です。



結果として、日本のAGTは

「乗り心地が良く経済性が高い」交通

システムとして評価され、

開発途上国での導入を後押しする存在と

なっています、



次回のAGTブログもお楽しみに!


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