駅前に賑わいが生まれにくい? AGTならではの事情と工夫
- agtinstitute21
- 10月3日
- 読了時間: 2分

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は
駅前に賑わいが生まれにくい?
AGTならではの事情と工夫
です。
電車の駅といえば、改札を出るとすぐに
商店街や飲食店が並び、人の流れで活気
づいている光景を思い浮かべる方が多い
でしょう。ところが新交通システム
(AGT)の駅前は、少し様子が異なりま
す。
AGTは、渋滞の影響を受けずに都市を
スムーズに移動できる公共交通として
整備されてきました。多くは道路の
中央分離帯の上空に軌道を設け、
その真下に駅を置く構造です。

駅へは歩道橋やエレベーターでつながる
ので、駅のすぐ前にお店が立ち並ぶ
ような環境にはなりにくいのです。

さらに駅間距離も平均800メートル程度
と比較的短く、一つひとつの駅に広い
商圏が生まれにくいのも理由のひとつ。
言いかえれば、「鉄道の駅」というより、
「ちょっと立派なバス停」に近い存在
かもしれません。商店街ではなく
コンビニがお似合いといえます。
駅の下の空間も幅2.5m~3.5m程度と
限られており、商業施設を造るには
狭すぎます。しかしその限られた空間を
駐輪場に転用するなど、各地で工夫も
進んでいます。たとえば日暮里・舎人
ライナーの舎人駅では、自転車とAGTを
組み合わせたパークアンドライドとして
利用されています。

また、駅そのものが賑わうためには
「人の流れ」が不可欠です。
広島のアストラムラインでは、
全22駅のうち本通、県庁前、中筋、
大町、上安の5駅にバスターミナルを
設置し、周辺交通との結節点としての
役割を強めています。
バスや自転車との組み合わせ次第で、
駅前の風景は大きく変わるのです。
AGTの駅が在来鉄道のように自然発生的
に商店街を生むのは難しいかもしれませ
ん。ですが「ラストワンマイル」を支え
る交通のハブとして、地域の生活を支え
る役割は十分に果たせます。
にぎわいは必ずしも商店街だけが生み
出すものではありません。住む人に
とって便利で親しみやすい駅をどう育て
ていくか――そこにAGTならではの
可能性が広がっています。
次回のAGTブログもお楽しみに!
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