街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ地下鉄とAGTを分ける設計思想
- 7 時間前
- 読了時間: 2分

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は
街を縫う「小回りの天才」-ゴムタイヤ
地下鉄とAGTを分ける設計思想
です。
札幌の地下鉄とAGT。どちらも
「ゴムタイヤ」で走ることで、
鉄輪の鉄道には難しい急勾配を
スムーズに走行できるという
共通の強みを持っています。
しかし、その足元には、
都市における役割を決定づける
驚くべき構造の差が見えてきます。
決定的な違いは、車輪を支える
「軸」の数にあります。
札幌のゴムタイヤ地下鉄は、
鉄道と同じ「2軸ボギー構造」
(1両4軸)を採用し、
重厚な安定感で大量輸送を支えています。
北海道ファンマガジンさんのサイトから
写真をお借りしました。

一方、AGTは「1軸構造」(1両2軸)が
基本です。
さらに最新のAGT(ゆりかもめ7300系
など)では、案内輪からの入力を受けて
台車ごと転向する「新形式ボギー台車」
へと進化しています。
この新技術により、案内操向機構を
簡素化して信頼性を高めつつ、
車体幅を広げて輸送力を向上させる
ことに成功しました。

なぜAGTは、タイヤ1本あたりの
荷重制限が厳しくなる1軸構造や、
ボギー機構にこだわるのでしょうか?
その答えは、「最小回転半径30m以下」
という小回り性能にあります。
この機動力があれば、交差点の上空で
90度方向を変える高架軌道を、既存の
道路幅の中に収めることができます。
2軸構造の地下鉄では難しいこの
急カーブが、AGTなら可能です。
つまり、周辺の建物を壊したり、
住民に立ち退きをお願いしたりすること
なく、既存の街の形を維持したまま
新しい「都市の血流」を作れるのです。
既存の道路上空という未利用スペースを
有効活用し、都市の隙間を縫うように
走る設計。 それは、開発段階から
日本の技術者たちが追求した
「小回り性能」が、結果として
「街と人の暮らしを守る」という
大きな価値を生んでいるのです。
次回のAGTブログもお楽しみに!
コメント