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- コラム_11 | AGT研究所
AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №11 群を抜いたAGTならではのスッキリ高架 2025/11/23 都市空間において鉄道や道路の高架構造は避けがたい存在ですが、その圧迫感や景観上の課題は常に議論の的となっています。近年は、駅前再開発や沿道整備において「高架下空間の活用」や「景観との調和」が重視されるようになりました。 AGT(Automated Guideway Transit)は、こうした都市の制約条件の中で、既存道路や河川上空などの限られた空間を有効活用する発想から誕生した新しい交通システムです。軌道の大部分が高架構造で構成されており、そのデザインは都市景観との親和性を考慮して設計されています。モノレールと並んで「空中交通システム」と呼ばれますが、実際に街中で見比べると、AGTの高架はひときわ軽やかでスッキリとした印象を与えます。本コラムでは、その理由を構造面から見ていきます。 1.鉄道の高架軌道下 在来鉄道や地下鉄延伸線などで見られる鉄道高架は、架線や電柱、レールを支える枕木・バラストが積み重なり、構造全体が重厚です。軌道桁も自重を支えるために厚みを増し、さらに防音壁が設けられると、地上から見上げた際に“連続した壁”のような印象を与えます。その結果、柱間隔は15メートル前後と密になり、高架下空間は薄暗く閉鎖的になりがちです。近年では耐震補強のための側壁や補剛材も追加され、圧迫感が一層増しています。 写真1 架線と電柱が林立する鉄軌道の高架 写真2 薄暗い鉄軌道の高架下 2. AGTの高架 一方、AGTの高架はまったく異なる構成をしています。架線や電柱が不要で、電力は車両床下の集電装置を通じ、走行路脇の第三軌条から供給されます。これにより、上部に余計な設備がなく、外観が極めてシンプルです。 写真3 スッキリ度の高いAGTの高架 さらに、ゴムタイヤで走行するため防振構造やバラストが不要で、走行路はコンクリート床板と同レベルか、高さ250ミリのコンクリート桁を使い分けています。構造重量は鉄道高架の半分以下で、柱の間隔もおよそ30メートルと広く取ることが可能です。柱が少ない分、地上部には光が届きやすく、街並みに開放感が生まれます。 また、軽量な構造、柱の本数が少ないゆえに基礎工事が小規模で済み、都市中心部でも施工期間を短縮できます。桁内部には電力ケーブルや信号線が収められており、維持管理時も高所作業を最小限に抑えられる設計です。走行音や振動も少なく、高架下を歩いても会話を遮るような騒音を感じにくい点も、AGTならではの特長です。 写真4 軌道下にも光が注ぐAGTの高架下 写真5 AGTの第三軌条 写真6 コンクリート走行路 3.モノレールの高架 AGTとよく比較されるのが跨座型モノレールです。コンクリート製の走行桁が2本並ぶ形は一見スリムですが、車両が桁の上にまたがって走る構造上、日本の標準の桁の高さ1.5メートルに対し柱間隔は20メートルとやや密になります。柱の数はAGTの約1.5倍。外観上は軽やかに見えても、都市景観への影響はむしろ大きくなる傾向があります。 写真7 モノレールの高架 写真8 支柱が林立するモノレールの高架下 国内のモノレールには非常通路が設置されていませんが、海外では多くの路線に設置が義務付けられています。写真にあるように非常通路付きの高架軌道の幅はかなり広がり、見た目、AGTの軌道幅とあまり変わらない感じです。 写真9 モノレールの非常通路 4.高速道路の高架 高速道路の高架はさらにスケールが大きく、幅員が20メートルを超える場合も珍しくありません。防音フェンスや照明ポールが並び、構造全体が閉じた印象を与えます。車両通過時の騒音・振動も大きく、高架下は歩行者が敬遠しがちな空間となります。これに対し、AGTの高架は幅約6メートル、高さ約1.5メートルと非常にコンパクト。外観上も整然としており、周囲の街並みを遮らない“細身の構造”が印象的です。 写真9 高速道路の防音フェンスと照明ポール 5.まとめ この「軽やかな高架」は、単なる構造上の違いではありません。AGTが都市交通として小断面・軽構造・静粛性を追求して設計された成果です。建築物や道路橋と調和するよう、桁形状や色彩にも配慮がなされ、橋脚や桁端部のデザインにも地域性を反映させる事例が増えています。 都市の中で“見せる高架”を実現している点こそ、AGTのもう一つの価値といえるでしょう。 ビルの谷間をすり抜けても圧迫感がない――。 そのスッキリとした高架こそ、AGTが都市景観と共存するための最適解であり、21世紀型の都市交通インフラの姿を象徴しています。 コラムi一覧へ戻る
- コラム_10 | AGT研究所
都市交通の効率化と快適性を追求するうえで、AGTの駅構造は重要な要素です。本コラムでは、AGTの駅構造に焦点を当て、その特徴と利点を解説します。 目次 1.日本のAGTの駅構造 2.プラットホーム形式 3.途上国向け駅構造 4.コンコース無しの対向式プラットホーム AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №10 AGTの駅構造 2025/03/31 都市交通の効率化と快適性を追求するうえで、AGTの駅構造は重要な要素です。本コラムでは、AGTの駅構造に焦点を当て、その特徴と利点を解説します。 1.日本のAGTの駅構造 日本のAGTの多くの駅は、1階が道路の中央分離帯とその中に建てられた複数の柱、2階にコンコース、3階に島式のプラットホームを配置した3層構造になっています。 写真1a 代表的なAGTの3層構造駅 写真1b 中央分離帯に建てられた駅を支える柱 1981年に開業した日本で最初のAGTであるポートライナーから、ニュートラム、シーサイドライン、六甲ライナー、ゆりかもめ、日暮里・舎人ライナーの全ての全自動無人運転の路線が、この3層構造で島式プラットホームの駅を採用しています。 道路の中央に高架軌道を設けることが多いAGTは、駅も道路の中央に設置されます。 駅では道路の両側の歩道から利用者を一旦コンコース階に上げ、中央の改札口から更に上にあるプラットホームに上げる役割をコンコース階は果たしています。 そのため、AGTとコンコース階は切ってもきれない関係にあると言えます。 写真2コンコース階の改札口 2.プラットホーム形式 ゆりかもめは写真4a、4bの竹芝駅を除き全ての駅が写真3a、3bの島式プラットホームを採用していますが、写真4a、4bの対向式のプラットホームに比べプラットホームの幅が広くとれるのが特長です。 写真3a 島式プラットホーム駅 写真3b 島式プラットホーム 写真4a 対向式プラットホームの竹芝駅 写真4b 竹芝駅の対向式プラットホーム 島式プラットホームはまた、不案内の乗客が方向を間違えてプラットホームに上がっても、一旦コンコース階まで降りて反対のプラットホームに移動する必要がなく、対向式プラットホームに比べてユーザーフレンドリーな構造といえます。観光客の多いゆりかもめのような路線にはうってつけです。 AGTで対向式プラットホームを採用している路線は、1983年開業のニューシャトル、1982年開業のユーカリが丘線、1985年開業の西武山口線の3路線しかありません。しかもこれらの駅はコンコース階なしの簡素な構成です。 その後、コンコース付きの駅が主流となったのは、1986年ごろに始まったバブル景気の動きに合わせ、設備が高級化していった影響があると考えられます。 3.途上国向け駅構造 BRTやLRTより輸送量が多く、鉄道よりは建設費が少なくて済むAGTの導入検討を途上国から求められた際、日本で一般化しているこの建設費のかさむコンコース付き駅がネックになります。コンコース付き駅の建築費は、土木建築費用全体の20%前後を占めるほど大きな割合です。そこでコンコース付き駅の代わりにコンコース無し駅の出番です。コンコース階がまるごとなくなるので、建設費をかなり抑えることができます。 更に、プラットホームを対向式プラットホームにすることによって途上国特有の問題を解決することができます。日本でも高度成長時代に都市の鉄道のあちこちで編成車両の増加に伴うプラットホーム延長が必要になりました。人口増加のスピードが速い途上国ではこの列車長を長くする必要が高い確率で起こるため、プラットホームの延長が可能な対向式プラットホームが向いています。 島式プラットホームではプラットホームの延長は困難なためです。 4.コンコース無しの対向式プラットホーム 日本のAGTでコンコース無しの対向式プラットホームを採用している路線としてニューシャトルがあります。 1983年に開業したマニュアル運転の路線ですが、低コストをコンセプトに設計・建設されましたので、途上国にマッチした仕様に溢れています。 写真5a 対向式プラットホームでコンコース無しの駅 写真5b 対向式プラットホームでコンコース無しの駅 写真5a、5bにあるように地上階とプラットホーム階がエレベータと階段で直接つながっています。 地上では、写真5cのような簡易型の改札が使われています。 写真5c コンコース無し駅の地上部にある簡易改札口 ニューシャトル以降、日本でコンコース無しの対向式の駅が採用されなくなった理由は、バブル景気による高級化だけでなく、同じころ、バリアフリー化が重要視されるようになり、エレベータが必須となりました。そうなると島式のプラットホームはエレベータ設備が1機で済みますが、対向式の場合は2機必要となります。ところが、コンコース付き駅ですとコンコースと上のプラットホームに1台、コンコースと両歩道の間に2台、合計3台のエレベータが必要となります。それに対し、対向式では、上下線プラットホームと地上との連絡に2台のエレベータで済みます。 バリアフリー上、エレベータは必須な設備ですが、エレベータがあればエスカレータは省略可能です。 このような理由で途上国向けの駅の形式として需要増大に簡単に対応できるコンコース無しの対向式プラットホームの簡便な構造が推奨されるようになってきています。 コラムi一覧へ戻る
- Agt研究所について | Agt研究所
AGT研究所(AGT Institute)は、 AGT(新交通システム)の魅力や特徴について、 交通関係者だけでなく広く一般の方にも、 AGTにまつわるさまざまな話題をお伝えするブログと AGTの特徴について詳しくお伝えするコラムで、 知っていただくために設立された研究所です。 AGTに研究所ついて AGT研究所(AGT Institute)は、 交通関係者だけでなく、広く一般の方にAGTについて知っていただくために、 増川正久が主宰者となり設立した研究所です。 一般の方にAGTについて知って頂くために、 AGTにまつわるさまざまな話題をブログとして毎週発行します。 また、AGTの特徴についてお伝えするコラムを隔月発行します。 皆様からのAGTに関するご質問にも、できる限りお答えできればと考えています。
- コラム_08 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_08では、AGTの日本国内の単線路線の特徴を事例を交えてご紹介します。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №08 AGTの単線路線 2023/8/2 1.日本の単線AGT路線 10路線ある日本のAGTのなかで、ユーカリが丘線と西武山口線の路線が単線軌道で、残りの8路線が複線軌道です。 8つの複線路線のなかには、ニューシャトルとポートライナーのように複線と単線が混じっている路線があります。 ユーカリが丘線と西武山口線は、1日の利用者が2千から3千人の小規模な路線で、単線でも十分、需要を満足させることができています。 ユーカリが丘線の路線は、ラケット型をしていて、柄の付け根の部分にあたる公園駅で車両が行違うようになっています。 西武山口線の路線は、両終点駅を車両が同時に出発して、中間の信号所で行違うようになっています。 一方、ニューシャトルは、大宮寄りの9駅間が複線で、残りの4駅4.5kmが単線の組み合わせになっています。 単線の4駅全てが行違い可能駅になっており、ゴムタイヤを使ったAGTの加減速の良さを生かして駅間を全速力で走り、複線にも引けを取らない輸送力を得ています。 ポートライナーは、市民公園駅から中埠頭駅を通って中公園駅に戻る3駅2.6kmが単線軌道になっています。 ポールとその先端の旗のような形をしたポートライナーの路線は、旗の部分が単線で、ポールの部分が複線という組み合わせになっています。 中公園駅前の単線と複線の接続部は単線軌道が複線軌道を乗り越えてから複線軌道に合流するという、きついカーブと勾配の組み合わさったAGTならではの線形です。 2.単線・複線混合路線 さほど多くない輸送量に見合ったユーカリが丘線や西武山口線の単線路線は、軌道構造もAGTで一般的な高架軌道ではなく地上軌道で建設され、建設と運営・保守のコスト低減が徹底されています。 それに対し、ニューシャトルやポートライナーの単線・複線混合路線は、一部に単線区間を用いながら、全線複線路線にひけをとらない輸送量を確保するための工夫がなされています。 新幹線の軌道を離れ、独自の軌道となっているニューシャトルの丸山と終点の内宿の間の単線区間は、開業時に路線の末端側の沿線開発が進んでいなかったため、建設費や路線保守費の負担低減のために単線とした路線ですが、駅間距離を1.1キロメーターに揃え、全駅で行違いができるようになっていて、ピーク時間帯とオフピーク時間帯で運転間隔が異なるのを、行違い箇所を変えて調整することができるようになっており、将来の輸送量増大の対応が可能になっています。 複線区間の新幹線軌道を利用した軌道構造といい、単線区間の輸送力の高さといい、ユニークさでは群を抜いています。 延伸計画が公表されているアストラムラインも、6駅7.1kmの延伸部を単線とする計画です。 懸垂型モノレールの湘南モノレールは、8駅6.6㎞の全線単線の路線ですが、行違い可能駅が全体の半分の4駅あり、7分間隔で1日3万人を余裕で運んでいます。 ポートライナーの単線が通る地域は、普通ですと路線バスによってカバーされますが、ポートライナーでは、単線を敷設して、輸送需要に応じた車両を単線区間に回すことで、建設費や路線保守費の負担軽減と住民の利便性を両立させる調整が可能になっています。 今回ご紹介した4つの単線路線のうち3路線は運転士によるマニュアル運転ですが、ポートライナーは全自動無人運転です。 たとえ有人運転であっても、ATCによって正面衝突などの事故が起こることはありませんが、地上軌道のユーカリが丘線や西武山口線は無理としても、全線高架軌道のニューシャトルは、全自動無人運転化が比較的簡単に可能です。 また、現在有人運転となっているアストラムラインも、地下鉄区間を除き、全自動無人運転化が可能です。 3.まとめ ニューシャトル型の単線は、AGTの加減速の良さを生かし、複線並みの輸送力の確保を狙ったもので、広島のアストラムラインの延伸路線計画に影響を与えています。 湘南モノレールの実績から明らかのように、毎日の利用者が3万人程度の路線であれば、低コストで建設、運営が可能な全自動無人運転の全線単線のAGT路線が可能です。 ポートライナー型の単線は、幹となる複線の周辺に輸送需要の多い地域があった場合、AGTの小カーブと急勾配に強い特徴を生かした複雑な軌道形状を用いて、複線の任意の位置から単線軌道を分岐し、また任意の位置で複線に合流させることで定時性、速達性、安全性の揃った高いクオリティの輸送サービスを住民に提供することが可能です。 将来、ポートライナー型の単線の既存路線への適用提案ができればと考えています。 コラムi一覧へ戻る
- コラム_05 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_05では、AGTの自動運転システムの特徴について解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №05 AGTの全自動無 人運転 2022/12/08 1.全自動無人運転の起源 AGTの起源は、1975年10月に米国で運行を開始したモルガンタウンPRT(Personal Rapid Transit)です モルガンタウンPRTは、20人乗りの小型の車両ですが、当初から全自動無人運転で運行されました。 日本でもその影響を受けて、車両メーカー各社が全自動無人運転の小型車両の開発を始めました。 1979年のオイルショックを経て1981年に運行開始したポートライナー線は、各社の試作車が小型の単車構成だったものから、経済性を優先させた6両編成の中型車両の電車構成になったものの、全自動無人運転の車両としてデビューしました。 ポートライナー初代(左)、現在(右) ポートライナーに続く2番目のAGTとして運行を開始した南港ニュートラムも全自動無人運転車両でした。 ニュートラム初代(左)、現在(右) その後日本では、六甲ライナー、横浜シーサイド、ゆりかもめ、日暮里・舎人ライナーの合計6つのAGT路線が全自動無人運転で運行されています。 上左:六甲ライナー、上右横浜シーサイド 下左:ゆりかもめ、下右:日暮里・舎人ライナー 2.鉄道の自動運転の取り組み こうして、日本では全自動無人運転の実績を40年以上積み重ねてきましたが、最近、ようやく鉄道でも自動運転の試験走行が始まりました。 AGTで40年も前に実現した全自動無人運転が、何故鉄道では今頃になって動き始めたのでしょうか。 鉄道の自動運転化が遅れた一番大きな理由は鉄道の場合、レールと車輪のすべり摩擦係数が晴天と雨天の場合に異なるため、駅で決まった位置に毎回きちんと止まりにくいことにあります。 AGTの場合、コンクリートの走行路の上をゴムタイヤで走りますので、雨天の場合も晴天と同じ精度で決まった位置に停止できる点が大きく違います。 鉄道の場合でも、地下鉄でしたら、雨の影響を受けないので、地下鉄では比較的早く、全自動無人運転が行われています。 シンガポールのノースイーストラインは、2002年にアジアで最も早く全自動無人運転が始まった路線です。 また、地下鉄でなくても、リニアモータを用いた車両を用いる路線では、制動距離が短い特徴を生かして地上路線でも全自動無人運転が行われています。 1998年に運転を開始したマレーシア クアラルンプールのKelana Jaya線がそれです。 この路線は、都心部が地下鉄でそれ以外は高架軌道となっています。 最近は、海外で地上路線の全自動無人運転が増えてきています。 ロンドンのドックランドラインはその一つです。 ドックランド線 レールと車輪の粘着係数だけでなく、車両の重量の変化も、定点停止精度に影響しますので、数多くのデータをとりながら、徐々に自動運転化を進めていく必要があります。 3.鉄道の無人化 AGTの自動運転は完全無人運転ですが、日本の鉄道の自動運転は有人の運転にとどまります。 AGTのプラットホームは屋根まであるプラットホームドアで完全に仕切られ、人が軌道内に入り込むことができなくなっていますが、鉄道は、人間が軌道内に立ち入る可能性があるため、運転士が軌道前方を見張る必要があるからです。 前方監視カメラによって障害物を検知しても鉄道はゴムタイヤのAGTより制動距離が長いため、より遠くの障害物を確実に検知することが要求されます。 更に、軌道に踏切があるような路線では、自動運転は可能でも完全無人転化は難しいでしょう。 そのため、運転士が運転台のスタートボタンを押すことで加速、減速し次の駅に自動的に止まるというものにとどまっています。 この方式をとっているのは、多摩都市モノレールやリニア地下鉄の七隈線などがあります。 日本では、6路線しか全自動無人運転路線はありませんが、海外では41のAPMと呼ばれる空港のゴムタイヤの路線が全自動無人運転の実績を誇っています シンガポールで全自動無人運転の地下鉄が20年も前に実用化されているのに、なぜ日本の地下鉄で全自動無人運転化が進んでいなのでしょうか。 それは、韓国の大邱地下鉄放火事件が2003年にあって日本では、地下鉄の無人運転化が許されていません。 そのため、自動化しても七隈線のように運転士が搭乗することになっています。 このように自動化しても無人運転化できないのであれば、かけたコストに見合うコスト削減が得られないため、自動化の機運が盛り上がらなかったためと思われます。 そんなわけで、地下鉄よりも先に全線高架の鉄道路線で全自動無人運転化が実現する可能性があります。 4.まとめ AGTは、世界で50年、日本で40年を超える全自動無人運転の歴史があります。 日本では、毎日約46万人が全自動無人運転のAGTを利用していますが、これまで1件も死亡事故を発生させたことがないシステムであることは、もっと認識されてもよいのではないでしょうか。 コラムi一覧へ戻る
- AGTの秘密と魅力 | AGTの総合ガイド | AGT研究所
都市交通の未来を形作る新交通システム(AGT)の秘密、技術、そして世界への影響を分かりやすい言葉で解説します。AGTがどのようにあなたの街を変革するかをご覧ください | AGT研究所 AGT の 魅力と 仕組みと 秘密のはなし AGTとは AGT(Automated Guideway Transit)は、 「新交通システム」とも呼ばれているゴムタイヤで走る中量輸送システムです。 日本では 10 のAGT路線 が毎日 50 万人以上を運んでいます。 10 路線のうち 6 路線が全自動無人運転で、4 路線が有人運転です。 ゴムタイヤ 全自動無人運転 低騒音、低振動 最小回転半径 30m アンカー 1 新着ブログ なぜニューシャトルは「特定の車両だけが激しく混雑する現象」が起きないのか?―駅の階段位置分散効果 埼玉の大宮と内宿を結ぶ「ニューシャトル」では、特定の車両だけが激しく混雑する現象が生じにくくなっています。その理由は、各駅のホームと地上の改札口をダイレクトに結ぶ階段の位置が、大宮側(5駅)と内宿側(7駅)に見事に分散されているためです。これにより、乗車時点で乗客がホーム全体へ自然と分散し、6両編成の各車両に均等に乗り込む仕組みが作られています。 さらに、起点の大宮駅ではプラットホームと並行に5つの改札口が並び、幅の広い8段の階段がシームレスに繋いでいます。どの車両から降りても改札口までの歩行距離や時間がほぼ均等になるため、特定の車両に乗客が集中する原因そのものを空間構造が消し去っています。 この混雑の平準化は、不経済な増発や大規模設備投資を抑える効果も生んでいます。最新テクノロジーの導入だけでなく、階段や改札の配置によって**「歩行者の自然な心理」を先回りして導く設計思想**。無駄のないシンプルなハードウェアが乗客と事業者に心地よい流動をもたらす、都市インフラが目指すべきあり方を示すストーリーです。 ニューシャトル 5 時間前 読了時間: 2分 ブログ全文を読む 新着コラム №11 群を抜いたAGTならではのスッキリ高架 2025/11/23 都市空間において鉄道や道路の高架構造は避けがたい存在ですが、その圧迫感や景観上の課題は常に議論の的となっています。近年は、駅前再開発や沿道整備において「高架下空間の活用」や「景観との調和」が重視されるようになりました。 AGT(Automated Guideway Transit)は、こうした都市の制約条件の中で、既存道路や河川上空などの限られた空間を有効活用する発想から誕生した新しい交通システムです。軌道の大部分が高架構造で構成されており、そのデザインは都市景観との親和性を考慮して設計されています。モノレールと並んで「空中交通システム」と呼ばれますが、実際に街中で見比べると、AGTの高架はひときわ軽やかでスッキリとした印象を与えます。本コラムでは、その理由を構造面から見ていきます。 1.鉄道の高架軌道 在来鉄道や地下鉄延伸線などで見られる鉄道高架は、架線や電柱、レールを支える枕木・バラストが積み重なり、構造全体が重厚です。軌道桁も自重を支えるために厚さをを コラム全文を読む コラム記事一覧を表示 https://www.agtinstitute.info/%E8%A4%87%E8%A3%BD-%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0-09 https://www.agtinstitute.info/%E8%A4%87%E8%A3%BD-%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0-09 掲載記事 日本鉄道施設協会誌8月号 シリーズ「鉄道施設インフラの海外展開」㉜ AGT・APMの海外展開の取り組み 2023/08/02 掲載記事を読む 記事一覧を表示
- コラム_09 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_09では、日本のAGTの軌道と道路の関係について解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №09 AGTの軌道と道路の関係 2023/11/22 1.日本のAGTのルーツ 都会の道路の上方の空間を使って、地下鉄よりも少ないコストで高架専用軌道を建設するというコンセプトで開発されたのが日本のAGTです。 フランスのAGTは、地方都市の地下鉄を、トンネル径を小さくすることにより低コストで建設することをコンセプトとして開発され、レンヌ、トゥールーズ、リヨンの3都市に6路線の地下鉄が建設されています。 日本のAGT路線は、大きく分けて2種類の形態に分けることができます。 一つは、ポートライナー、六甲ライナー、ニュートラム、シーサイドライン、ゆりかもめ、ピーチライナーのような人工島や埋め立て地、そしてニュータウンなどと主要鉄道駅を結ぶ軌道系交通、もう一つは、酷い渋滞を引き起こしているバス路線を軌道系交通によって通勤通学の定時性、速達性を確保するための路線で、アストラムライン、日暮里・舎人ライナーがそれにあたります。 渋滞解消を目的とした路線は、渋滞を引き起こしている道路の中央分離帯に支柱を立ててその上に軌道が載っていますが、人工島や埋め立て地の路線は、道路だけでなく、公園や広場など総合的な都市計画に基づきルートが計画されているのが特長です。 2.実路線のパターン化とその割合 日本では廃線になったピーチライナーを含めて全部で11のAGT路線が建設されましたが、1985年開業の西武山口線は西武の遊園地、ゴルフコースに沿った路線であること、1983年開業のニューシャトルは新幹線と軌道構造を共有している点などからこの2路線は除外し、今回の検討の対象路線は全部で9路線としています。 軌道位置をパターン化すると、 1.自動車道の中央分離帯に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 2.自動車道の片方の歩道の外側に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 3.護岸工事がなされた川沿い、海岸沿いに柱を立て、その上に軌道を設置したもの 4.団地内、公園内、広場内に柱を立て、その上に軌道を設置したもの 5.専用の高架橋をもつもの 以上5パターンで駅間軌道数を数え比較した結果を表1に示します。 対象9路線の全駅間数は99あります。そのうち中央分離帯に柱を立てて軌道を配置する(アストラムは3区間が地下)日本のAGTのコンセプトに沿った軌道は61あり、62%を占めます。その次に多いのが歩道脇に柱を立てて軌道を設置する方法で22%を占め、合計で84%が道路沿いに建設されていることがわかります。 3.渋滞解消を目的とした路線 2008年に開業した日本で最も新しいAGTである日暮里・ 舎人ライナーは、前述したAGTのコンセプト通りに、尾久橋通りの中央分離帯の上に柱を立ててその上に13駅、9.7㎞の高架軌道が敷かれています。荒川を渡る区間だけ、専用の橋を建設したので尾久橋通りからそれますが、それ以外はコンセプト通りです。 1994年に開業した広島のアストラムラインも、起点の本通駅から中筋駅までの10駅、7kmが祇園新道に沿って建設され、そのうち4駅が半地下を含む地下鉄、6駅が中央分離帯に柱を立ててその上に高架軌道を設置しています。 祇園新道を外れてからも、県道38号線上の上に高架軌道が置かれ、コンセプト通りの構造が続きます。 日暮里・舎人ライナーの尾久橋通りとアストラムラインの祇園新道は、長い間、朝晩の渋滞が激しく、バス便の定時性が問題となっていました。 AGTの開通により、酷い渋滞が解消され、通勤通学者にも定時性が確保されました。 4.人工島、埋め立て地の路線 1981年、日本初のAGT、ポートライナーは、三宮沖に建設された海上都市ポートアイランドの主幹交通として当初から計画に織り込まれていた路線です。 陸側の三宮駅と貿易センタービル間は国道2号線の中央分離帯の上に柱を立てた高架軌道ですが、島内はポートアイランド内の十分余裕をとった幹線道路沿いに緑地帯、自動車道、AGT高架軌道を横に並べた余裕のあるレイアウトにしています。 ニュートラムは、全9駅間のうち6駅間が自動車道路の中央分離帯に柱を立てた高架としています。コスモスクエア駅側の2駅分が歩道の外側で、ポートタウン西駅と東駅間が団地内を横切るルートとなっています。 1991年に開業し、2005年に廃線となった桃花台線も、約7割が中央分離帯上の高架軌道ですが、団地側の約3割の区間が歩道沿いの高架となっています。 1995年開業のゆりかもめの埋め立て地側は、中央分離帯上に高架軌道を設け、合理性を優先したレイアウトになっています。 5.道路と縁の薄い軌道 六甲アイランドの六甲ライナーの軌道は、起点の住吉駅から南魚崎駅間は、魚住川の川岸に柱を立てた高架軌道、島内は、細長い広場の中心に柱をたてて高架軌道と高架駅を建設し、道路と関連性の薄い路線が特徴的です。 横浜シーサイドラインは、道路沿い軌道の8駅間に対し、金沢八景側の5駅が海岸沿い2駅間、公園内3駅間と海との親和性の高い路線となっています。 6.まとめ 9路線のAGTの路線と道路の関係を見てきましたが、六甲ライナーを除き、基本的に日本のAGTは道路に沿って路線が計画されています。 ポートライナーは、2006年に神戸空港までの延伸が行われ、ゆりかもめも2006年に豊洲まで延伸されました。 このように、道路がある限りAGT路線は延伸が可能なシステムです。 コラムi一覧へ戻る
- ご意見 / お問い合わせ | Agt研究所
皆様からのAGTに関するご質問にできる限りお答えいたします。ブログ、コラムに関するご感想でも結構ですのでお寄せください。お待ちしております。 姓 名 Email ご記入欄 ありがとうございました。 送信 コンタクト ご意見 / お問い合わせフォーム
- 掲載記事 | AGT研究所
様々なメディアに掲載された当研究所の記事や活動について掲載許可を頂いたものをご紹介させていただきます。 掲載記事 メディアに掲載された情報を紹介します コラム最新記事を表示 最新記事を表示 日本鉄道施設協会誌8月号 シリーズ「鉄道施設インフラの海外展開」㉜ AGT・APMの海外展開の取り組み 2023/08/02 掲載記事を読む
- コラム_02 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_02では、専用軌道システムとして鉄道、モノレール、AGTがあるなかで、AGTが都市交通として備えている特徴について解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №02 専用軌道システムとしてのAGTの特徴とは 2022/5/20 ひとつ前のコラム「都市部の公共交通におけるAGT の役割」で、AGTが属す る「専用軌道シス テム」がバスや路面電車などの「非専用軌道シ ステム」に 比べ、安全性、定時性、速達性で 次元の違う優れた性能を有していることを ご説 明しました。 「専用軌道システム」におけるAGTの特徴とし て、6%という急勾配に対応 できることなどが よくあげられますが、鉄道でも強力なモータを 装備するこ とで6%勾配に対応できるようにし た電車は存在します。 強力なモータに要する費用が、それによって得 られるメリットとバランスし ていれば、それも 有りなのでしょう。 AGT以外のシステムではどうしても実現できな い「AGTだけの特徴は何か」とい うと、それは、 半径 30m の小さなカーブが曲がれる ということになります。 新橋駅と浜松町駅の少し手前まで、東海道新幹 線とゆりかもめが並走する区 間があります。 ゆりかもめの軌道は、新橋を出ると汐留で90度 曲がり、新幹線と並走したあ と、また90度曲が り海側に進んでまた90度曲がるというクランク 状の軌道が 高層ビルの間をぬって敷設されてい ます。 浜松町駅と田町駅間では、東海道新幹線は東京モノレールとも並走します。 東京モノレールも、新幹線と並走したあと、90度方向を変え、海側に姿を 消し ます。 新幹線は大都市間交通の代表的存在で、路線はあくまでもまっすぐが基本で す。 都市内交通のAGTやモノレールは、道路上で90度に方向を変えることができる のが特徴です。 同じ都市内交通である地下鉄は、直接、目でルートを見ることはできませんが 、ルート図を見ますと、多くは主要道路の下を通り、随所に90度の方向転換 箇所が見られます。 地下鉄と異なり、AGTやモノレールなどの高架の都市内交通システムは、 交差 点で付近の建物に影響を与えずに90度曲がることが要求されます。 そのためAGTは、最小曲率30mRで曲がれるようになっています。 鉄道の車両長は18m前後ありますが、AGTの車両長は8m前後と鉄道の2分の1より短くできています。 AGTの車両長は、なぜこんなに短いのかと言いますと、最小回転半径30mで道路の交差点上を曲がれるようにするためなのです。 既存の道路の上に鉄道の高架軌道を設けようとすると、交差点で方向を変えるには交差点周辺の建物を撤去する必要が生じます。 そのため、都市内に新たに鉄道を敷こうとすると、地下鉄にせざるを得なくなります。 輸送量がそれほどでもない場合は、地下鉄の代わりにLRTということも考えられますが、軌道を設置した分、道路の車線が減るので、自動車の交通量が少なくなってしまうというしわ寄せがきます。 AGTは、道路の車線を減らさずに、既存の道路の上方のスペースを有効に使い、交差点周辺の建物に影響を与えずに高架軌道を敷設できるシステムとして開発されたものです。 地下鉄の銀座線は車両長16mで最小曲線半径は94m、丸の内線は車両長18mで最小曲線半径は140mです。 鉄道の場合、小さなカーブを通過するときに発生する軋り音が酷く、沿線周辺に騒音問題を生じさせますので、地下鉄以外でこのような小さなカーブが使われることは、普通はありません。 そのため、鉄道の新線を計画する際の最小曲線半径は400mまでとし、やむを得ない箇所について200mとしています。 このことからも、AGTの最小回転半径30mがいかに特徴的な数値であるかお判りいただけると思います。 ポートライナーの三宮駅を出たところや日暮里・舎人ライナーの日暮里駅を出たところに最小回転半径30mのカーブがあり、道路上で90度方向を変えています。 モノレールの車両長は、15m前後ありますので、最小回転半径は50m以上となり、道路の交差点上で、周りの建物に影響を与えずに90度曲がることは困難です。 東京モノレールは、田町駅付近の港区スポーツセンター横で90度方向転換していますが、路線が敷地に食い込んでいるのを見ることができます。 AGTの車両長が短いのは、AGTが高架の都市内交通システムとして、交差点周辺の建物に影響を与えずに90度曲がれるという重要な機能のためなのです。 最小回転半径30mこそ、鉄道にもモノレールにもないAGTの特徴と言えます。 アンカー 1 コラム一覧へ戻る
- コラム_01 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介します。 コラム01では、AGTの専用軌道システムの特徴を解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №01 都市部の公共交通におけるAGTの役割 2022/4/15 通勤に使う電車やバスが3 分ごとに来るのと、6 分ごとに来るのとでは、 3 分ごとの方がいいに決まっていますよね。 バスの場合、3 分間隔運転ができるように必要な台数を揃えるだけではなく 台数分の運転手を揃える必要があります。 電車の場合でも、必要な編成数とそれに応じた運転士を確保する必要があります。 AGTの場合は、全自動無人運転ですので、運転士の確保と管理に気を遣う必要がなく、需要に合ったサービスを供給することが出来ます。 運転士の確保の問題だけでなく、AGT は鉄道に比べ、建設費の面でも優位性があります。 都市部の公共交通は、大きく分けると、鉄道のような「軌道系交通」と、 バスやタクシーのような「非軌道系交通」に分類されます。 (図1) 「軌道系交通」は、大量の利用者の線の移動を高速かつ正確に行い、 「非軌道系交通」は、軌道系交通の駅を基点に 面の移動 を担うのが理想的な姿です。 「軌道系交通 」は、更に「専用軌道系」と「非専用軌道系」に分けられ ます。 (図2) 鉄道が整備される前は、バスが 線の移動 を担っていましたが、交通渋滞により移動時間がかかる、時間が正確でないなどにより発生する経済的損失が大きくなり、次第に「非専用軌道」のバスから「専用軌道」の鉄道に置き換わってきました。 路面電車は「軌道系」ですが、バスや自動車と道路を共有する「非専用軌道系」 の一種 です。 路面電車は「軌道法」により時速40キロメートルの速度制限を受けますので、道路側の自動車の制限速度と違うことに起因する事故や渋滞の影響を受けたり路線バスより時間的に不利といった特徴があります。 「専用軌道系」 には 地上 と 高架、そして地下の 3 種類があります。 (図3) 都市では、踏切の存在が事故や渋滞の要因になるため、これから建設する路線で地上軌道は考えられません。 高架軌道についても、土地の確保が困難なため、地下鉄にせざるを得ません。 「専用軌道」のなかでも AGT は、既存の道路上の空間を使うことが出来ますので、鉄道に比べ、土地の確保が楽であるため、地下鉄の約3分の1程度の費用で建設できるという利点があります。 日暮里・舎人ライナーは、日暮里駅を出てから終点の見沼親水公園駅まで、 尾久橋通り上を高架軌道が続いています。 1980年以降、ポートアイランド、六甲アイランド、大阪南港、お台場など 神戸、大阪、東京の人工島と陸を繋ぐ島内の主幹交通としてAGT が導入され、広島のアストラムラインや東京の日暮里・舎人ライナー線には渋滞によるバスの遅延問題解決のため、 AGT が導入されました。 広島の祇園通りの渋滞は、AGT 建設前に 3.2 キロ だったのが建設後に 2.5 キロ と 2 割減少しました。 AGT がそんなによいものだったら、なぜもっと AGT の路線がないのか という疑問をお持ちかもしれません。 2009 年から人口減少に 入った 日本では、2005 年のつくばエクスプレスを最後に、新幹線を除いて大きな鉄道路線の建設は少なくなり、 そのかわりに AGT、モノレール、リニア地下鉄の 3 種類のシステムの路線が鉄道に代わり建設されてきました。 (図4) AGT、モノレール、リニア地下鉄の中でも、建設費が安く、全自動無人運転ができるのはAGT の大きな特徴です。 既存の道路の上空を有効に使い、 安全性、 速達性、 定時性 に優れた専用軌道の AGT は、都市交通の代表的システムとして日本で10 路線が運転され、毎日 58 万人以上の人々が利用しています。 世界では、31 の都市向け AGT 路線があります。 その 3 分の 1 が日本にあり、日本はAGT 大国といえます。 コラム一覧へ戻る
- コラム_06 | AGT研究所
AGTの特徴をコラム形式でご紹介するページです。 コラム_06では、AGTの優れた低騒音、低振動性能について解説しています。 AGTコラム AGTについて詳しくお伝えします コラム最新記事を表示 №06 優れたAGTの低騒音、低振動性能 2023/2/10 1 .AGTは軋り音もなくガード下も静か 鉄道と言えば、ガタンゴトン、ガタンゴトンという擬音が思い浮かびますが、ロングレールの採用が一般的になってから、これも遠い昔のノスタルジックな記憶となりました。 しかしながら、鉄道がカーブで発生する甲高い軋り音は、ロングレールに替わっても相変わらずです。 ゴムタイヤで走るAGTは、どんな小さなカーブでも軋り音を発生させることはないので、直線部が少なく、カーブの多い都市内の路線用としてはうってつけです。 このコラムでは、ゴムタイヤを使ったAGTやモノレールが、沿線に静かな環境をもたらしている例をご紹介します。 ガード下の飲み屋で、電車が通った時に会話が聞き取れなかった経験がありませんか。 それでもガード下の飲み屋が人気なのは、アルコールが入ることで騒音に負けまいと更に声が大きくなって、話が盛り上がる効果があるからかもしれません。 有楽町ガード下 AGTの高架軌道下に飲み屋があるとは聞いていませんが、あったとしたら、会話が聞き取れないよ うなことはなく、静かな会話が続くので、飲み屋より静かな雰囲気の喫 茶店の方が似合うでしょう。 2.日暮里・舎人ライナ ーの 低騒 音・低振動性能 日暮里・舎人ライナーは、全線高架の9.7km 、13駅、毎日の利用者が9万人を超えるAGT路線で す。 日暮里・舎人ライナー 日暮里駅から9番目の西新井大師西駅までの区間は、沿線に多くのマンションが立ち並んでいます 日暮里・舎人ライナーの沿線 首都高速もAGTの高架軌道と同じように高架道路の沿線に事務所やマンションが林立していますが、防音フェンスを設置している区間が多く、防音フェンスのないAGT軌道の様子とは異なります。 首都高速道の防音フェンス AGTの場合、自動車のように排気音が出ないのと最高速度が時速60キロと決まっていますので、主音源であるタイヤノイズの大きさは高速道路に比べて小さいため、防音フェンスの設置に至りません。 日暮里・舎人ライナーの西新井大師西駅を超える辺から、沿線の建物に戸建てが多くなります。 日暮里・舎人ライナー西新井大師西駅付近 都の振動、騒音条例では、住宅地の夜間の振動値が55デシベル以下、騒音値が70デシベル以下となっていますが、舎人ライナーはこれを十分下回っています。 3.ユーカリが丘線の事例 千葉県佐倉市にある日本のAGTで3番目に古いユーカリが丘線は、高架あ り、地上あり、切土あり、トンネルありのバラエティに富んだ路線です. ユーカリが丘線 山万というこの地域を開発したデベロッパーが自己資金で建設し、40年間も運営を続けてきているAGTです。 テニスのラケットのような形をした単線4.1km、6駅のシンプルな路線です。 下の写真は、ユーカリが丘線の地上軌道区間ですが、手を伸ばせば届くような距離で住宅と近接しています。 住宅街のすぐ横を通るユーカリが丘 もう一枚の写真は、地上区間と高架区間を繋ぐ勾配区間ですが、これも驚くほど住宅と近接しています。 ユーカリが丘線の勾配区間 エンジン音のしないAGTのように路線バスも電気バスにすれば、エンジン音を消すことができます。 しかし、バス道路には一般車両も通りますので、バスだけEV化しても騒音、振動の問題は解決されません。 その点、専用軌道のAGTには一般車両が入ってこれませんので、軌道に近接した戸建て住宅でも快適に暮らせるよう騒音、振動はずっと低く保たれます。 4.湘南モノレールと江ノ電 鎌倉と藤沢を結ぶ江の島電鉄線、通称江ノ電も、人家と近い線路として知られています。 江ノ電 同じく湘南モノレールも上下1車線ずつしかない道路上に建設された単線の乗り物ですが1日の乗降客数が2万8 千人で開業50年を超える路線です。 湘南モノレール 同じ湘南を走る江ノ電と湘南モノレールですが、騒音、振動を比較するとその違いに驚くほどです。 江ノ電の最高速度は40キロですが、沿線の騒音は100デシベルを超え、かなり大きいですが、湘南モノレールは住宅と接する区間では60キロで走行しますが、沿線の振動、騒音は江ノ電に比べかなり低くマイルドで、AGTと同様、ゴムタイヤを用い る車両の特徴を発揮しています。 5.まとめ 公共交通は多くの人に利便性を提供しますが、沿線の住民が騒音や振動で迷惑を被らないようにせねばなりません。 ご紹介したようにゴムタイヤを用い るAGTは周辺の住民の皆さんとの共生を図っていくうえで優れた選択肢です。 コラムi一覧へ戻る