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- AGTの空港線
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は AGTの空港線 です。 空港と最寄りの都市を繋ぐ路線を 「空港線」と呼んでいます。 日本全国には北から南まで、 多数の空港線が存在し、利便性の高い アクセスを提供しています。 特に、千歳空港、仙台空港、成田空港、 羽田空港、中部空港、関西空港、 大阪空港、神戸空港、福岡空港には、 それぞれ1本または複数の空港線が整備 されています。 これらの空港線の多くは鉄道路線が 一般的で、特急列車も多く運行されて います。代表的なものとして、 成田エクスプレス、スカイライナー、 ミュースカイ、はるか、ラピートの 5路線があります。 これらの特急列車は、空港から都市 中心部までの移動を快適かつ迅速に 行えるため、旅行者に人気です。 鉄道以外にも、羽田空港、伊丹空港、 那覇空港にはモノレールがあり、 特に神戸空港にAGT路線である ポートライナーが運行されています。 東京モノレール(全長17.8km)や 大阪モノレール(全長21.2km)と比べ ると、神戸空港のポートライナーは 8.2kmと短く、三宮駅まで18分で到達 でき、ピーク時には1時間に14本という 本数が運行されています。 このアクセス性の高さは、空港利用者に とって非常に魅力的です。 神戸空港のAGTポートライナーは、 第2世代車両において空港利用者を意識 した混雑対策が施されています。 クロスシートの片方を1人用にしたり、 ドア付近の座席を取り除くことで、 立ち席面積を拡大しています。 空港線は、都市と空港をシームレスに 結び、利用者にとっての利便性を大幅に 向上させています。今後も各地の 空港アクセスの改善が期待されます。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 車両基地内の全自動無人運転化
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 車両基地内の全自動無人運転化 です。 日本には現在10のAGT路線があり、 そのうち6路線が全自動無人運転システ ムです。 その中で最も新しい日暮里・舎人 ライナーは、車両基地内も無人運転化 されています。 他の5路線では、車両が車両基地に入る 際、入出庫点検場を境に整備担当者が 乗り込み、手動運転で所定の場所まで 移動させます。 しかし、日暮里・舎人ライナーでは 異なるアプローチがとられています。 ここでは、整備工場の入り口まで 全自動無人運転が可能です。 そこで電源を繋ぎ替え、整備員が 工場内を移動させます。 日暮里・舎人ライナーの車両基地は、 他のAGTと同様、地表に設けられていま すが、全体が土で覆われているため、 人や動物が基地内に侵入するリスクが ありません。 これが、基地内での無人運転を実現可能 にしています。 (出典:東京都交通局カタログより) 車両基地では、朝晩のラッシュ時間帯 前後に、本線と留置線の間で車両の 出入りが頻繁に行われます。 そのため、車両基地内の全自動無人 運転化は大きな効率化をもたらしてい ます。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- 全自動無人運転と定時性
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 全自動無人運転と定時性 です。 時刻表通りの正確な運行は、 鉄道の大きな特徴のひとつです。 特に複数の鉄道を乗り継ぐ際、 乗換案内のアプリが機能するのは 車両の運行の定時性が確保されている からです。 一方で、駅では乗客の無理な飛び乗りや 荷物が挟まることで出発時間の遅延が 発生することもありますが、 これを運転士と車掌が迅速に対応し、 遅れを最小限に抑えています。 しかし、全自動無人運転のAGTでは 駅で発生した遅れが途中で挽回される ことなく、終点まで影響が続くことが あります。 全自動無人運転システムでは、 中央の監視室から車椅子利用者の乗降を モニターしながらドアの開閉時間を 調整することは可能ですが、 駅間走行時間の調整はマニュアル運転 ほど柔軟にはできません。 そのため、わずかながら定時性に影響が 出ることがあります。 (ゆりかもめの時刻表:ホームページから抜粋) しかし、全自動無人運転の利点として、 JR尼崎線脱線事故のような運転士による 暴走のリスクがないため、安全性は高く 維持されています。 定時性がわずかに崩れることがあっても、 その影響は通常、非常に小さい範囲に とどまります。 次回のAGTブログもお楽しみに!
- ニュータウンとAGT
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は ニュータウンとAGT です。 神戸沖にある人工島、ポートアイランド の主要交通機関として整備されたのが ポートライナーです。 同じ頃、南港ポートタウンでは ニュートラムが運行開始しました。 日本で3番目に開通したユーカリが丘線 もニュータウンと同時に開通しました。 このように、ニュータウンの主要交通機 関としてAGTは広く採用されてきていま す。 具体例として並木団地とシーサイドライ ン、六甲アイランドと六甲ライナー、 西風新都とアストラムなどがあります。 南港ポートタウンは、地下鉄四つ橋線の 住之江公園駅と地下鉄中央線のコスモ スクエア駅を結ぶ約1万戸の団地を中心 としたエリアです。 しかし、住民の高齢化が進み、ニュー トラムの利用者が減少しています。 そのためこの広大な団地と、二つの 地下鉄に接続する利便性の良さという 大きな価値を持つエリアを、子育て世代 に選ばれる街に転換するための施策が 実施されています。 AGTの特徴である全自動無人運転は、 運転手不足による減便が問題になって いるバスを主幹交通機関とする大規模 団地に比べ、利用者の利便性を確保する うえで大きな利点となっています。 次回のブログもお楽しみに!
- BRTとAGT
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は BRTとAGT です。 BRTは交通渋滞に悩む都市において 低予算、短期間で導入できる対策として 世界各地で導入されています。 ブラジルのサンパウロ郊外にある都市 クリチーバで1974年に導入され、 瞬く間に世界各地に広がりました。 ペルーの首都ボゴタのBRTも 大規模システムとして有名です。 東京でもゆりかもめの豊洲から新橋方面 への延伸の代わりにBRTが導入されてい ます。 BRTは連接バスを用いることで 普通のバスの約2倍の輸送力を持ち、 一般道と仕切られた専用レーンを設ける ことで渋滞に巻き込まれずに定時性を 確保できる点が特長です。 しかし、都市の発展と共に輸送需要が 高まりBRTの輸送能力が限界に達し、 定時性や速達性が崩れてしまっている 例も少なくありません。 そのような都市がBRTから地下鉄に転換 するには、莫大な費用が掛かります。 AGTは地下鉄に比べ半分ほどの費用で 建設でき、安全性、速達性、定時性は 地下鉄と同等なシステムです。 BRTの輸送力や定時性が限界に達してい る都市では、地下鉄の代わりにAGT導入 の検討をしているケースも出てきていま す。
- ブルーリボン賞・ローレル賞候補になったAGT車両
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は ブルーリボン賞・ローレル賞候補に なったAGT車両 です。 毎年鉄道友の会によって選定される ブルーリボン賞・ローレル賞は 鉄道事業者や車両メーカーにとって 名誉ある賞です。 会員の“推し車両”が受賞するか 否かは、鉄道ファンの恒例の楽しみ でしょう。 2015年には、ゆりかもめ7300系が 候補車両としてノミネートされました。1999年にゆりかもめ7200系がAGTと して初めてノミネートされて以来16年 ぶりの快挙です。 翌年の2016年にも日暮里・舎人ライナ ー330形がノミネートされました。 AGTとして2年続けての快挙です。 ゆりかもめ7300系 ゆりかもめ7200系 日暮里・舎人ライナー330形 残念ながらいずれも受賞に至りません でしたが、AGTが1981年に運行開始 してから18年後に、第一世代のAGTの 完成形としてゆりかもめ7200系が評価 されました。 さらに16年を経て第2世代AGTの代表と してゆりかもめ7300系と日暮里・舎人 ライナー330形が評価されました。 AGTが生まれて今年で43年になります が、その足跡を記録するものとして ブルーリボン賞・ローレル賞の ノミネートはとても重要な出来事だと 考えています。
- 2色から成る日暮里・舎人ライナーのラインカラー
AGTブログの増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 2色から成る日暮里・舎人ライナーの ラインカラー です。 電車に乗る際、路線特有の色分けが されていると、不慣れな路線でも 安心して乗ることができます。 山手線の黄緑、中央線のオレンジ、 総武線の黄色、京浜東北線の水色 などがその代表です。 東京メトロも色分けされているからこそ 、あの複雑な路線を追うことができます。 東京都交通局の日暮里・舎人ライナーの 路線図は、ラインカラーがマゼンダと グリーンの2色から成っていて、 単色が基本となっているラインカラーに あって珍しい存在です。 (出典:東京都交通局のホームページ) 2015年から営業運転を開始した330形 は、エクステリアだけでなく車内も 一般席をグリーンに、優先席をマゼンダ にして利用者にラインカラーの浸透を はかっています。
- 次世代AGTの提案 その2
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 次世代AGTの提案 その2 です。 国内のAGT10路線のうち、 ユーカリが丘線、ニューシャトル、 レオライナー、アストラムの4路線が マニュアル運転です。 地上区間の多いレオライナーとユーカリ が丘線は、フェンスを乗り越えて軌道 侵入ができてしまいますので、 軌道への侵入者を監視するために 運転士の省略はできませんが、 全線高架のニューシャトルは、 ホームドアを取り付けることで、 全自動無人運転化が可能です。 アストラムは、開業当初から プラットホームドアが設置されていま すが地下区間があるので、火災時の 誘導員を兼ねた運転士を省略することが できません。ですが、白島駅から終点の 広域公園前駅までの全長の88%を占め る高架区間を無人運転化することは可能 です。 愛知県のリニモでは地下区間だけに 運転士が搭乗し、それ以外は無人運転 という運行が行われています。 ニューシャトル、アストラムとも将来の 運転士不足、利用者の減少に備え、 約20年後の第三世代の車両導入の際は 無人運転化の検討が必要になると思われ ます。
- 日本のAGT標準
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 日本のAGT標準 です。 1981年に日本で最初のAGTが 川崎重工によってポートアイランドで 運行を始めた10年ほど前、 車両メーカー各社でそれぞれ異なった タイプのAGT試作車が製作され、 試験走行が盛んに行われました。 二番目に大阪の南港で運行を開始した ニュートラムは、新潟鉄工所が製作しま したが、ポートライナーとは異なった 分岐方式でした。 さらに三番目に運行を開始した ユーカリが丘線は、案内方式自体が 先行の2路線のサイドガイド方式とは 異なるセンターガイド方式という具合 でした。 AGTは、都市内の交通を鉄道より少ない 費用で建設することを目的に考案された システムでしたので、 車両メーカーごとに仕様が異なって タコツボ化が進むと、AGTシステム全体 がコスト高になる恐れがありました。 そこで、日本交通計画協会が国土交通省 の支援を受けて1985年にAGTの標準化 を行いました。 ポートライナーのような100両以上も ある規模の大きな路線では、 現在も車両製造を引き受けるメーカー がありますが、ユーカリが丘のような 規模の小さな路線では、 車両をつくるメーカーが40年以上も たつといなくなるという問題が生じて います。 標準が発表された後に製作された シーサイドライン、六甲ライナー、 ゆりかもめ、アストラム、日暮里・ 舎人ライナーの車両は、図面を融通し 合ってAGT車両メーカー5社のどこでも 製作することが可能になりました。
- 全自動無人運転とプラットホームドア
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 全自動無人運転とプラットホームドア です。 将来の運転士不足や人口減少による 利用者の減少が予想されますが、 沿線住民の利便性を確保するために 全線高架となっていて有人運転の AGT路線は無人運転化を進める必要が あるでしょう。 ニューシャトルは、全線高架で 有人運転のAGTです。 無人運転化を進めるにあたって、 駅にプラットホームドアを設置す る必要があります。 日本では、ホームからの転落事故の 6割が酔客という統計があるそうです。 海外では、全自動無人運転でも プラットホームドアがない路線が あります。 シンガポールのセンカンプンゴルLRTや ロンドンのドックランド線は、 全自動無人運転でもプラットホームドア 無しで運行されています。 外国人に比べ、アルコールに弱く 酔客の転落、接触事故の多い日本の事情 を考えると、全自動無人運転化には、 少なくとも一般的な1.1m高さの ハーフハイトプラットホームドアが 必要になるでしょう。
- 次世代AGTの提案 その1
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は 次世代AGTの提案 その1 です。 国内のAGTは、電車をベースにした 3両編成が1路線、4両編が3路線、 5両編成が2路線、6両編成が4路線 となっています。 それに対し、海外のAGTは、 バスをベースとした空港向けAPMを 流用したものが多く、 単車またはマリッドペアと呼ばれる 固定の2両編成を基本構成として輸送 需要に応じて車両数を増減させて運行 するのが一般的です。 (マリッドペア構造のマカオのAGT) 今後、都市でも人口減少が進み、 利用者が減って公共交通の財政が 厳しくなることが予想されますが、 反対に高齢化社会における公共交通の 役割はますます重要になってきます。 そのため、約20年後にくる国内の 次世代のAGTは、海外のAGTの運用形態 を応用し、 6両編成の路線は3両編成を、 4両編成の路線は2両編成を基本構成と して、ラッシュ時は二つ繋げて 6両編成や4両編成とすることで 運行・保守費用を低減し、 路線の採算をキープし、持続可能性を 高めることを考える必要があるように 思います。
- AGTの車両長はなぜ短い?
AGT研究所の増川です。 AGTブログへ、ようこそ。 今回取り上げる話題は、 AGTの車両長はなぜ短い? です。 AGTは、戦後の高度成長に伴って酷さを 増した道路の渋滞対策として考案された システムです。 AGTの高架軌道は、自動車道路の 中央分離帯に柱を立てて、その上に 高架橋を載せてつくります。 渋滞する道路の車線を減らさず、 道路の上の空間を有効に利用するという コンセプトです。 自動車道の交差点で軌道の向きを90度 変えるには、軌道のカーブの曲率半径を 30mより小さくする必要があります。 30mより大きくなると、軌道の内側が 交差点周りの敷地内に入り込み、 建物に影響が出てしまいます。 そのため、AGTの車両は、 最小回転半径30mを曲がれるように 車両の長さを8.5m以下に抑えています。 日暮里・舎人ライナーの日暮里駅 出入り口付近、ポートライナーの 三宮駅出入り口付近に半径30mカーブの 軌道を見ることができます。 二つの写真からわかるように、 どちらも交差点上の高架軌道の内側に 大きなビルが建っています。 カーブ半径が30mより大きくなると、 ビルの位置を後ろにセットバックさせる 必要が出てきます。 AGTは車両の長さを短くすることで、 建物に影響を与えずに道路上に路線を 建設できるようにしたシステムなのです。











