開放的な「展望席」に潜むリスクと、インフラを支える「見えない壁」 ― AGTと女性運転士の安全を守るために
- 4 日前
- 読了時間: 2分

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は
開放的な「展望席」に潜むリスクと、
インフラを支える「見えない壁」 ―
AGTと女性運転士の安全を守るために
です。
AGTの最前列は、子供たちが目を輝かせ
て景色を楽しむ特等席です。

しかし、習熟運転などのマニュアル運転
のために操作パネルが開かれるとき、
そこは日本で最も「無防備な運転席」へ
と姿を変えます。

私は電車に乗ると運転席の後ろから
路線の様子を見るのが好きですが、
最近ではニューシャトルやユーカリが丘
線などの有人運転路線でも、女性運転士
の活躍を目にする機会が増えました。

有人運転のAGTやモノレールには、
乗客と運転士を隔てるしっかりとした
「仕切り壁」が存在します。
しかし、無人運転を前提としたAGT車両
には、その壁がありません。
普段は乗客が座っている座席のパネルを
開いて運転台にするため、運転士のすぐ
後隣に乗客がいるという、物理的に
きわめて「ゼロ距離」な環境なのです。
この開放感はAGTの魅力ですが、
習熟運転中の運転士、特に女性運転士に
とっては、心無い乗客とのトラブルや
セクハラのリスクに直面する場所でも
あります。そのため、現在は運転席横の
補助席に別の職員が添乗したり、
後方にロールカーテンを下ろしたり、
仕切り棒を設けたりして安全を確保しな
ければならないのが実情です。


現在、バス業界をはじめとする公共交通
全体で、深刻な運転士不足が課題となっ
ています。
女性運転士の採用増に向け、防犯カメラ
の設置や休憩室の整備など、女性が安心
して働ける環境づくりが急ピッチで進め
られています。
AGTが追求してきた「運転室をなくして
空間を広げる」という合理的な設計が、
皮肉にも「人間が介在する際」の障壁に
なっているという側面は否定できません。
インフラを支える「人」を守るための
投資は、もはや福利厚生ではなく、
公共交通を持続させるための必須条件で
す。
利用者にとっての「ハーフマイルの
優しさ」を追求するAGTだからこそ、
運行を支える側にとっても優しい
システムであるべきです。
景色を遮る壁をなくしたAGTの美しさを
維持するためには、物理的な壁の代わり
に、社会全体で働く人をハラスメントか
ら守る「見えない壁」を築いていく
必要があるのではないでしょうか。
次回のAGTブログもお楽しみに!
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