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軽さが命!AGTが「素材」にこだわる理由

  • agtinstitute21
  • 6月27日
  • 読了時間: 2分
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私たちが目にするAGTの車両。

その「車体の材質」が何でできているか、

気にしたことはあるでしょうか。

実はこの材質の選択には、AGTならでは

の理由があります。



AGTの車両は、鉄道のような鉄の車輪

ではなく、ゴムタイヤを使います。

このゴムタイヤは、鉄輪に比べて耐えら

れる重さ(許容荷重)が小さいため、

車両全体をできるだけ軽く作る必要が

あります。

つまり「軽さ」は、AGT車両の最重要 条件のひとつなのです。

第1世代のAGTでは、スチール(鋼鉄)製、

ステンレス製、アルミ合金製の3種類が

使われていました。

スチールはコスト面で有利ですが重く、

また腐食しやすいためメンテナンスの

負担も大きい素材です。

一方、アルミ合金は軽量で腐食に強く、

AGTの用途に適しています。ステンレス

はアルミ合金より重いものの、強度が

高く耐久性に優れるため、軽量化技術の

進展により採用が増えていきました。



技術の進歩により、やがてAGT車両は

アルミ合金製かステンレス製に二分され

ていきます。

たとえば、アストラムラインでは、

1994年に導入された一次車6000系は

スチール製でしたが、長年の使用による

腐食対策や輸送力向上の必要性から、

2025年5月にはアルミ合金製の7000系

へ全面的に置き換えられました。

これにより、スチール製車両は完全に

姿を消すことになりました。


また、日暮里・舎人ライナーでは、

ステンレス製の320形と、より軽量な

アルミ合金製の330形という2種類の

第2世代車両が製造されました。

最終的には、より多くの乗客を運ぶ

ことができる軽量な330形が混雑対策の

切り札として選ばれ、2025年1月に

15編成すべてがアルミ合金製車両に

置き換えられました。

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320形ステンレス製車体


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330形アルミ合金製車体


現在、日本国内のAGT車両のうち、

約7割がアルミ合金製、約3割がステン

レス製という構成になっています。

スチールはコスト面で有利だったものの、

AGTに求められる「軽さ」「耐腐食性」

の条件を満たせなかったため、

選ばれなくなってきたのです。

材質の違いは、見た目では分かりにくい

かもしれませんが、メンテナンス性、

さらには輸送力にも関わる重要な

選択です。

私たちの目に映る車両の背後には、

こうした合理的な技術判断があるのです。


次回のAGTブログもお楽しみに!

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