なぜ同じ新交通システムなのに「座席の並び方」が違うのか? ― 沿線の暮らしを映すシートアレンジの進化

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は
なぜ同じ新交通システムなのに
「座席の並び方」が違うのか?
― 沿線の暮らしを映すシートアレンジ
の進化
です。
ゆりかもめ、ポートライナー、シーサイ
ドライン――全国のAGTを乗り比べた
とき、路線によって座席の並び方が
大きく異なることに気づきます。
この「シートアレンジ」の違いには、
各沿線が抱える地域の課題や利用者の
ライフスタイルの変化がくっきりと
反映されています。
第1世代のAGTは、コンパクトな車体で
一人でも多くの乗客を運ぶことが最優先
され、立席スペースを広く確保できる
ロングシート配列が主流でした。
(※レオライナーやゆりかもめのボック
スシート、日暮里・舎人ライナーのセミ
クロスシートといった一部の例外を除き
ます)
しかし、都市の発展とともに沿線ごとの
利用目的が多様化し、従来の「画一的な
座席配置」では十分に対応しきれなく
なっていきました。
新型車両(第2世代)の導入にあたり、
各路線はそれぞれの地域特性に応じた
独自のシートアレンジを追求し始めまし
た。
金沢シーサイドライン・ニュートラム: 着席需要に応えるため、ロングシートの
半分をそれぞれ2人掛け、1人掛けの
クロスシートへ変更。


ポートライナー:
2006年の神戸空港接続に合わせ、
大きなスーツケースを持つ旅行者が利用
しやすいよう、ドア周辺の立席エリアを
拡大。

六甲ライナー:
先頭車両の前方に3段のクロスシートを
設けて前面展望を楽しめる工夫をしつつ
、他はロングシートとして通勤輸送力も
維持。

ゆりかもめ:
東京ビッグサイトでのコミックマーケッ
トをはじめとする大規模イベント時の
激しい混雑に対応するため、
初期のボックスシートからオールロング
シートへ刷新。

ピーク時の混雑緩和を最優先する路線も
あれば、空港アクセスの利便性や観光
での眺望、ゆったりとした着席体験を
重視する路線もあります。
単に「人を運ぶ」道具から、沿線固有の
ニーズや経済活動にしなやかに応える
インフラへ――多様化するAGTのシート
配置は、都市交通が地域社会へ細やかに
配慮してきた進化の証といえます。
次回のAGTブログもお楽しみに!
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