視線が突き抜ける、開放的な回廊 ― ゴムタイヤが変えたAGTの「車内風景」
- 20 時間前
- 読了時間: 2分

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は、
視線が突き抜ける、開放的な回廊 ―
ゴムタイヤが変えたAGTの「車内風景」
です。
一般的な鉄道に乗っていて、車両間を
仕切る重いドアを「鬱陶しい」と感じた
ことはありませんか?

一方で、多くのAGT車両の貫通路には、
あのドアがありません。

先頭車両に立ってふと後ろを振り返るときし
、数両先の最後尾の窓から、遠ざかって
いく都市の景色が真っ直ぐに目に飛び
込んできます。
この視線が突き抜ける圧倒的な
「透明性」は、高架を走るAGTならでは
の贅沢な光景です。
通常、鉄道の貫通路にドアがある大きな
理由の一つは、連結部の幌から侵入する
騒音を遮断し、車内環境を向上させる
ためです。
特に鉄の車輪とレールが擦れる一般的な
鉄道では、カーブを曲がる際に耳を劈
(つんざ)くような激しい「軋り音」
が発生するため、その騒音を遮断する
ドアが不可欠となります。
しかし、ゴムタイヤで走るAGTは、
急カーブであってもあの不快な金属音を
発生させることがありません。
遮るべき「軋り音」そのものがない。
この足元の技術的特性が、
物理的な仕切りをなくし、
列車全体を一つの大きな「静かな部屋」
へと変えることを可能にしたのです。
なぜ、AGTにはドアが不要で、
地下鉄には必須なのでしょうか。
そこには、都市が守るべき
「安全の論理」があります。
地下鉄の場合、トンネル内での火災発生
時に煙を遮断し、延焼を防ぐ目的で
貫通路ドアの設置が義務付けられていま
す。
そのため、路線の一部が地下区間となっ
ているアストラムラインには、
AGTで唯一、貫通路ドアが設置されて
います。

このドアの有無は、その路線が置かれた
環境(地下という密閉空間か、地上と
いう開放空間か)において、
どのような安全基準を優先しているかを
示す指標でもあるのです。
騒音をドアで封じ込めるのではなく、
そもそも騒音を出さないという設計思想
。 仕切りのない貫通路は、
AGTがゴムタイヤという技術によって
「静かな移動」を実現し、
都市の景観や人々の身体感覚に寄り添っ
ていることの証です。
私たちは今日も、この開放的な回廊を
通り抜ける柔らかな光を感じながら、
都市の最短距離を軽やかに駆け抜けて
いきます。

次回のAGTブログもお楽しみに!
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