なぜ「座席の生地」を変えるだけで電車の定員が増えるのか? ― グラム単位の軽量化が拓く輸送力強化

AGT研究所の増川です。
AGTブログへ、ようこそ。
今回取り上げる話題は
なぜ「座席の生地」を変えるだけで
電車の定員が増えるのか? ― グラム
単位の軽量化が拓く輸送力強化
です。
臨海副都心エリアを走るゆりかもめでは
、国際展示場(東京ビッグサイト)での
大型イベント時やラッシュ時間帯におけ
る輸送力の確保が常に大きな課題となっ
ていました。
限られた車両サイズとタイヤの許容荷重
制限の中で、いかに安全に一人でも多く
の乗客を運ぶか――その答えは、目に
見えにくい「ミリ単位・グラム単位の
軽量化」の積み重ねにありました。
従来の電車やバスの座席には、頻繁な
着席に耐える毛足の長い「モケット」
生地が長年使われてきました。
一方、自動車の座席にはしなやかで
吸湿性に優れた「トリコット」生地が
主流です。
ゆりかもめ7300系では、輸送力増強に
向けた車体軽量化の一環として、通勤電
車で初となるトリコット生地の採用に
踏み切りました。

1シートあたりの軽量化はわずかですが、
1両(20席以上)で約50kgの軽量化と
なり、6両編成全体で約5人分の輸送力
アップを実現したのです。
ゆりかもめにおける軽量化へのアプロー
チは、座席生地にとどまりません。
車体構造材料を従来のステンレスから
アルミへと変更し、車量重量を約10.1
トン(69.6t→59.5t)の削り込みを行
いました。
こうした大掛かりな構造見直しに加え、
座席生地の変更に至るまで「爪に火を
点すような軽量化」を徹底的に積み重ね
た結果、1編成あたりの定員を旧型車両
の722人から802人へと、実に80人
(約11%)も増加させることができた
のです。
座席表皮の変更を含むこの軽量化アプロ
ーチは、同じく過酷な混雑を抱える
日暮里・舎人ライナーの330形車両など
にも引き継がれ、都市交通の混雑緩和に
貢献しています。

次回のAGTブログもお楽しみに!
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