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日本のAGTが変える空港APM――シンガポール・チャンギ空港に導入されたCrystal Moverの物語

  • agtinstitute21
  • 5月23日
  • 読了時間: 2分


AGT研究所の増川です。

AGTブログへ、ようこそ。


今回取り上げる話題は

日本のAGTが変える空港APM

――シンガポール・チャンギ空港に

導入されたCrystal Moverの物語

です。



世界有数のハブ空港として知られる

シンガポール・チャンギ空港は、

国内線を持たない空港でありながら、

国際線の乗り継ぎにおける快適性と

効率性を徹底的に追求してきました。

その象徴のひとつが、空港内を結ぶ

APMです。



1981年にターミナル1(T1)が開業し

、1991年にはターミナル2(T2)が

加わりました。

その際に導入されたのが、米国Adtranz

社製のAPM 「CX-100」でした。

その後、2008年にターミナル3(T3)

がオープンすると、空港内の移動ニーズ

が一気に拡大。これを受けて三菱重工製

のCrystal Moverが5路線にわたって導入

され、空港全体の移動ネットワークが

再編されました。




注目すべきは、既存のAdtranz製APMか

らCrystal Moverへの置き換え工事です。

T1とT2を結ぶ重要路線を止めずに施工

するため、2本ある軌道の片方を生かし

た状態で反対側の軌道を順次更新すると

いう、高度な工法が採られました。

空港運営に支障を与えない“運行しなが

らの刷新”は、日本の土木・システム

技術の得意技です。

Crystal Moverは、2003年に開通した

シンガポールのLRT「センカン・プンゴ

ル線」にも採用された車両をベースに、

空港仕様にアレンジされています。

特に前面デザインはチャンギ専用に

カスタマイズされ、近未来的なイメージ

を演出しています。



さらにAPMは、空港の顔としての役割も

果たしています。たとえば、空港利用者

だけでなく地元市民にも人気の高い複合

商業施設「ジュエル・チャンギ」の巨大

な屋内滝。その向こう側を静かに走る

Crystal Moverは、空港の機能美と都市

景観の調和を象徴する存在です。




現在、チャンギ空港はアジアのハブ空港

として、香港国際空港としのぎを削って

います。

香港空港では2024年11月に第3滑走路

と新ターミナルが稼働を開始しました。

一方のチャンギ空港では、既存の敷地と

ほぼ同規模のターミナル5および第3

滑走路の建設が進行中です。



このような国際競争の中で、日本のAGT

技術が空港の利便性を支え、空港の

“価値”そのものを変えつつあります。


次回のブログもお楽しみに!

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